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中学・高校受験:学びネット

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2010/7 塾ジャーナルより一部抜粋

2010年度中学入試情報セミナー
関西地区中学入試結果の総括

  2010年4月22日(木)/於  アクスネッツうめだ(大阪市北区)/主催 株式会社エデュケーショナルネットワーク  
     
株式会社エデュケーショナルネットワークによる中学入試情報セミナーが4月22日(木)に開催された。参加したのは、学校関係57校87人、塾・教育関連会社39社70人、合計96法人157人と過去最高の参加者数にのぼった。今春の関西地区中学入試は、小6児童数が0・2ポイント増加という状況にあって、延べ受験者数4万3,750人、受験率は前年比2ポイントマイナスと、2006年度の統一入試以降、最低の数値となった。セミナーでは地域別、入試日程別をはじめ、多角的にデータを検証し、今年度中学入試を総括した。

講師 (株)エデュケーショナルネットワーク
コンサルティング事業部 藤川 享氏

京阪神の志願者動向

 2006年の「近畿地区統一開始日入試」から5回目を迎えた今年は、初日の1月16日に近畿2府4県で1万9,028人が受験した。小6児童20万435人に対する受験率は9.5%。2007年の10・5%をピークに中学受験率は毎年徐々に低下し、今年の落ち率が一番激しい結果となった。地区別では、奈良・和歌山が上昇し、大阪・兵庫・滋賀、なかでも京都が大きく低下している(表1)。

【大阪】

 まず大阪府は、児童数8万3,875人に対し受験率は10.3%。昨年度は10.4%だったので、大阪府の入試状況は悪いとの印象をもつ人は多いようだが、受験率では昨年度とほとんど変わっていない。

 難易度別に志願者動向をみると、五ツ木駸々堂テスト偏差値が60以上の学校群では、四天王寺、高槻、大阪星光学院の3校が志願者数を伸ばしている。偏差値50〜60の学校では、関西大学第一、大阪女学院、明星、近畿大学附属、関西創価、開明、清教学園、金蘭千里など減少している学校が目立ち、伸ばしているのは清風と帝塚山学院泉ヶ丘の2校。偏差値40前半からそれ以下の学校群では、前年割れが多く見受けられ、特に偏差値39以下の学校群は23校あり、119人マイナスと大きく減らしている。この傾向は兵庫、京都にも共通する。

●大阪の2つのトピックス。

ひとつは、関西大学、関西大学北陽の2校が開校したこと。関西大学は定員108名に対して、前期志願者137人、後期志願者568人。前期の数値から、中学受験の親や塾は慎重だったことがうかがえ、後期の高い数値は関西大学への期待感の表れといえる。最終的に入学者は111人。関西大学北陽は定員120名に対して、前期志願者150人、後期志願者373人。最終的な入学者は121人で、当初発表したライン通りの見事な入試となった。京都では京都橘が新設され、近畿地区の新設3校とも定員を充足した。
もうひとつは、入試科目を選択制にした学校の志願者動向。志願者数を伸ばしたのは、大阪星光学院、高槻、清風南海、帝塚山学院泉ヶ丘の4校のみ。その他は兵庫、京都をあわせて前年割れという結果になった。中学入試で3科目選択というのは、「社会」を勉強していない男子が確実に増えているため、必要条件と思われる。しかし3科目にすれば、志願者が増えるかというと、そうではないことをこのデータが物語っている。

【兵庫】

 統一入試以降、順調に中学入試が右肩上がりに展開されていた地域だが、今年度の受験率は下がってしまった。入学者数の減少率は近畿地区で兵庫が一番高い。

 志願者が増加したのは、コース改編した滝川、コース改編して3年目になる雲雀丘学園、報徳学園の3校のみ。大半は志願者数を減らし、灘、六甲、親和、松蔭、甲南、賢明女子学院、武庫川女子大学附属なども減少した。

 初日の志願者数は、前年度と比較して89.6%でほぼ1割減。大手塾でも塾生が1割減少しているという話を聞いている。難易度でみると、偏差値39以下の学校が17校あるが、前年比78%と一番減少率が大きく、大阪府と同様の状況である。トピックスとしては、女子校を中心に入試日程に大きく変更があった。これについては後述する。

【京都】

 同志社、立命館の小学校で、内部進学が実施されたことが一番大きなトピックスであった。同志社中学校は定員288名から外部240人に、立命館中学校は定員214名から外部120人にと、大幅な定員減とした。

 この2校に対し、周辺私立中学校が活発な動きを展開した。東山は募集人員を100名から140名に増やした。東山、洛星は3・4科選択制を導入。大谷は3・4科選択制とコースを新設。京都産業大学附属は募集人員を70名から90名に、洛南高等学校附属も200名から240名に増やした。

 この結果、志願者増はほとんどなく、全体にマイナス基調となっている。増加したのは洛南高等学校附属、立命館宇治、花園、華頂女子の4校。初日の志願者は前年比81.1%で2割近く減少している。難易度でみると、とくに偏差値55〜59の減少が大きく、これは立命館の外部募集マイナスが反映したもの。45〜49が逆に122.9%と増加しているのは、新設の京都橘がここに入ってきたためだ。

 同志社、立命館は外部志願者数を減らしたが、内部進学という最も確実な入学者を確保した。京都女子、聖母学院、ノートルダム女学院は附属小学校があり、京都には自己推薦型入試がある。志願者が減少し、数字だけみると兵庫県より悪い状況との印象が強いが、入学者の確保では成果を上げている学校は多い。

志願者減少の2つの要因

●長期的な“経済不況”

中学入試で志願者数が減少しているひとつの要因は、長期的な経済不況である。現在の小学6年生は、小学4年次の頃から入塾者が少なく、個別指導塾からの中学受験も減少している。昨年度のリーマンショックの影響ではなく、もっと長期的な経済的不況、先行きの不安感が各家庭にのしかかっていると考えられる。偏差値39以下の学校群の志願者数が減少しているのも、そうした経済的要因が大きいだろう。小学4年次から中学受験をどうしようかと考える親が多くなり、そんなとき、ふたつ目の要因が作用する。

●公立高校の“復権”

脱ゆとり教育、公立高校の授業料無償化、さらに大阪府の公立高校では「進学指導特色校」、つまりトップ10改革が行われている。私立高校にとっては厳しい状況にある。
経済不況の中、中学受験を検討し直す家庭が、高校入試へとシフトしている。私立の先生方にとっては、公立高校とどう戦っていくのかが、大きな課題になると言えるだろう。

日程別志願者の推移

【大阪】

 大阪府は入試解禁日から4日目で受験者はほとんどなくなる。2日目は前年比で増加しているが、これは関西創価の700人規模の受験者数が入ったため。3日目も前年比増だが、これは関西大学と関西大学北陽の新設2校が加わったためである。4日間の短期集中のため、学校間のバッティングが起こる。そこで注目されるのが午後入試だ。大阪産業大学附属、常翔啓光学園、追手門学院大手前、樟蔭などが午後入試の代表的な実施校だが、特に解禁日初日の午後入試を行った大阪産業大学附属は、志願者83人のうち、午後入試のみは35人。そのうち11人が入学手続きを行った。手続率31.4%は決して悪い数字ではない。

【兵庫】

 兵庫県では後期入試で大きな変更があった。甲南女子は1日前倒しして、スタンダード10人募集、神戸海星女子学院は新設、親和が3日前倒し、武庫川女子大学附属も1日前倒しと、非常に混雑した日程になったことが、今年度の入試の大きな動き。その結果、甲南女子B入試は受験者数33人から116人と大幅増、神戸海星女子学院B日程は94人の受験者を集めた。前倒しした親和後期は、昨年度と変わらず142人、武庫川女子大学附属B方式は125人から75人と減少となった。

【京都】

 2日目の17日に東山、大谷、立命館、龍谷大学付属平安が実施。3日目にはノートルダム女学院、平安女学院、京都産業大学附属、京都橘、洛南高等学校附属、立命館宇治が実施し、受験者数はトータルで前年割れだった。6日目には京都女子が1日前倒しで前年比増となっている。2日目以降の受験者数は、昨年度5,040人から4,015人と、大きく減少している。

 後期入試でも、大阪、兵庫、京都ともに右肩下がりの受験者数となった。初日にできるだけ合格者を出そうという学校が増え、そのため2日以降の受験者が減るというスパイラルに陥っている。

 では、入試日程は早いほうがよいかという問題だが、あわせて手続き率も参考にしたい。日程別手続き率を発表している81校(約6割)のデータとなるが、初日は高い手続き率となっている。2日目は3割前後、そして後になるほど、結果がわかった上で受験するため、徐々に手続き率が上がっている。

奈良・和歌山・滋賀の
志願者動向

【奈良】

 全体では活発な入試が展開された地域である。まず、東大寺学園が704人から718人と受験者数を伸ばしている。西大和学園の3・4科は15人増の867人、3科は約120人減だが、6倍を超える厳しい入試となった。育英西は立命館コースが牽引車となって、大きく伸ばしている。昨年1期生の卒業生を出した聖心学園は、非常によい進学実績をあげ、受験者数は減ったものの競争率は1.5倍を超えた。智辮学園はやや復活したが、奈良カレッジは男女とも減少傾向が止まらず、入試レベルも約1ポイントやさしくなっている。帝塚山は進学色を前面に打ち出し、男子の受験者が増えている。関西大学のパイロット校の元祖である奈良育英は、来年度にコース改編を予定している。奈良学園(郡山)は、新コースに定評があり、アクセスがよくなったこと、きれいな新校舎などにより、大幅に受験者数を伸ばしている。かつて男子校だったが、女子が増えて、男女比6対4となった。C日程は難関で、昨年の受験者216人から303人と急上昇した。奈良学園登美ヶ丘は昨年よりやや増加で、安定した入試となっている。

【和歌山】

 奈良県と同様、元気な入試が展開された地域である。初日、2日目以降ともに昨年と同じく、あるいはそれを上回る受験者数となっている。初日に増加しているのは、近畿大学附属新宮、智辮学園和歌山、初芝橋本。とくに智辮学園和歌山は、後期入試が非常に高い競争率になっている。和歌山県は中高一貫校の入試が1週間後に行われたため、それらを含め、後期入試が盛り上がっている。

【滋賀】

 京都府と相似して、受験者数が13%減少している。立命館守山をはじめ、後期入試で大きく落ち込んでいる学校が多い。滋賀県の後期入試日程は、16日初日から1週間後の22、23、24日ごろ。今のトレンドからすると、1週間後は少し遅すぎると思われる。

【岡山他】

 岡山県は兵庫県の受験生にとって、「前受け試し受験」できる便利な地域。今年は昨年までの順調な伸びに比して、岡山中学を除き、受験者数が大幅に減少している。県外入試の実施校として、新たに広島の如水館が加わった。順調に受験者数を伸ばしてきた県外入試だが、今年は岡山入試ほどではないにしても初めて前年割れとなった。

定員充足状況と入学率

 関西地区全体では、145校のうち59校が募集定員を充足し、充足率は40.7%。前年度から13.5ポイントと急降下している。大阪府の場合、充足率は昨年の46%から32%に、兵庫県も64%から47%に、京都府も47%から37%に低下。和歌山県はほぼ横ばい。滋賀県は5校しかないが、充足したのは3校から2校に減った。

 では、定員を充足するためには、前期入試でどれほどの志願者を集めなければならないか。そこで、「募集定員に対する前期志願者の割合」をみると、割合が1.0、つまり前期志願者だけで募集定員を充足している学校は68校。そのうち定員割れとなったのは、わずか16校だった。逆に0.99以下の学校77校のうち、定員充足したのは7校のみ。しかもその7校は、附属小学校をもつか、後期入試で多くの併願受験生を集められる学校かのいずれかである。まずは、初日にいかに志願者を確保するかが課題といえる。

 さて、入学者数から読み取れるひとつの傾向がある。兵庫県では入学者数を249人減らしたが、そのうち女子が213人。京都府は男子が若干増え、女子が50人ほど減少して結果マイナス45人。近畿地区全体では、入学者数マイナス324人中、女子が260人を占めた。この数字から、女子が中学受験を回避しているのではないかと考えられる。また、これまでのデータから、コース制を導入すると志願者増につながるが、コース改編では募集につながる結果とはならないこと。共学化すれば、志願者が動くことも読み解くことができた。

 次年度の中学入試は1月15日(土)が解禁日。常翔学園の中学校新設や上宮・上宮太子の共学化など、大きなニュースもある。また厳しい状況が続く中、各学校ではさまざまな方策が検討されていると思われる。本日のセミナーがその一助になれば幸いである。

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