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2010/5 塾ジャーナルより一部抜粋

2010年度 入試を終えて
(地域の入試分析)〈北海道・東北〉

  調査・編集:塾ジャーナル編集部
調査協力:全国の学習塾関連団体・学習塾
調査時期:3月1日〜4月16日
調査方法:アンケート用紙による書き取り調査
回答数:54団体(別途18塾)
 
     

新年度の活動内容全国の塾長が分析
北海道〜沖縄までの入試結果

学習塾関連団体の数は大小を問わず、増加傾向だ。社団法人、組合、NPOなど設立の主旨は違うが業界を活性化するという意味では共通している。今回も全国の塾から元気な声が届いた。
2010年入試結果は47都道府県を網羅、地域の特色が浮かび上がった。
※ご担当の先生には春期講習真っ只中、アンケートにご協力いただきましてありがとうございました。

●アンケート内容

  1. 団体名
  2. 連絡先住所
  3. 代表者役職名・氏名
  4. 連絡先電話番号
  5. 会員数
  6. 活動内容
  7. 平成22年度入試を終えて
    (全国の入試状況)

■北海道

塾ジャーナル調べ:
北海道公立高校は、学区大幅緩和により、全道で受験可能になった(推薦入試除く)。一般入試は各校募集定員の70%が内申点と学力検査点を同等に扱い、残る30%は内申重視・学力重視で各々15%ずつを選抜。推薦は専門学科と総合学科、4割の普通科で実施。内申と推薦書、面接だけでなく、自己アピールや英語リスニングなどを含む場合も増えている。
一方、中学受験は私立の函館ラ・サールが偏差値67が合格ラインでトップ。国立の北海道教育大附属各校はそれに次ぐ難易度だが、附属高校が存在しないため、北嶺や立命館慶祥中などの私立中高一貫の人気も高い。


■青森

青森県学習塾協議会:
平成18年度入試より導入された県立高校の前・後期入試制度だが、5年目の今年、後期入試に国・数・英の3教科筆記試験が初めて課された。難易度は前期と同様だが、国語では聞き取り・作文、英語ではリスニングが除外された。また、前期入試では一般選抜のほかに新たに特色化選抜(前期定員の10?30%)が導入された。高校ごとに特色化選抜の方法が異なり、受験生にとっては分かり難い入試制度となった。さらに、前期合格発表から後期願書提出までの期間が短く、発表当日に後期受験校を決定しなければならない生徒が出てくるなど、まだまだ過渡期と言わざるを得ない。


■岩手

株式会社エムシーエス学習センター:
公立高校入試は、合格者平均点でみると、18.4点下がった昨年から、さらに4.8点下がり、5教科合計247.9点と平成以降の最低点となった。英語が特に難しいのは昨年同様だが、今年度は理科が大幅に平均点を下げた。知識を単純に問う出題が比較的少なく、一方記述問題はやや増加している。各高校の倍率は、上位進学校では概ね横ばいであるが、不来方高の人文理数学系が1.62倍と目立って高く、また盛岡商業高や盛岡農業高の食品化学などの実業高校で倍率が高かったのが特徴であった。中学入試では、2年目を迎えた一関一高附属中が倍率2.19倍となり、初年度から0.65ポイント下げはしたものの一定の人気を保った。岩手大学附属中では、倍率3.00倍と昨年度から0.59ポイント上昇した。問題が全体に易しくなったこともあり、ボーダーラインが上がる結果となった。


■秋田

塾ジャーナル調べ:
秋田県の公立入試は前期・一般・後期の3回実施。前期は推薦入試に相当、後期は面接や調査書で総合的に選抜される。どの試験でも全県1学区に編成された影響が大きかったのか、秋田市内の高校に人気が集中した。中でも東大・京大への実績が高い秋田高校が人気トップ、秋田南・秋田中央がそれに次ぐ。私立では特進コースを持つ明桜が人気。中学は県立の大館国際情報学院、横手清陵学院が中高一貫で人気。適性検査は4教科横断的な問題が出るので、これに対応した受験対策を各塾が行っている。また、3年制だが秋田大学教育文化学部附属中学校も高い人気を保っている。


■山形

塾ジャーナル調べ:
公立高校は一般と推薦がすべての学校で実施。一般選抜は調査書と学力検査の総合得点で、合計得点の高い上位の者から選抜。推薦は面接・作文・実技も推薦書や調査書の評価と統合して選抜される。最難関の山形東高校は合格偏差値が68と非常に高く、その後も60をラインとする高校が9校ひしめき合う状況だ。私立では日大山形特進コースが最難関だが、公立指向が強いため、ハイレベルの公立校との併願受検者が多い。中学は山形大教育学部附属が偏差値61、日大山形中が58とレベルが高く、中学受験塾もこの2校に絞って情報を公開している場合が多い。


■宮城

宮城県私塾協同組合:
仙台圏を中心に、大変動がみられた。1つの要因は仙台圏での県立中学校(二華中)の開校。今1つは中学生の高校全県一学区、共学完成という制度改革による。公立高校入試問題は一層易化したが、選択問題で難易差が拡大された。来年度も激動が続く見込み。
高校入試では、全県一学区、共学完成という制度改革により、仙台圏を中心に大変動が起こった。県北地区は、既に制度改革は終えているので大きな変化なし。入試問題は、中位層に易しく取り組みやすいものとなった。推薦入試の見直しを含め今後の変化が、地方にも波及するのは来年度から。
(あるふあゼミナール)


■福島

会津学習塾連盟:
県内唯一の中高一貫校、会津学鳳中学の適性検査は、4教科他・音楽・家庭科からも出題。設問に難易度の差が大きく、基本問題をいかに取りこぼさないことがポイントとなった。また、作文や聞き取りの問題は例年並。倍率は2.22倍(昨年は2.79倍)ボーダーは昨年より20点弱(100点満点)下がる。力を養うために読む力・考える力・解く力はもちろん、60分間の集中のための粘り強さも普段から習慣づけることが求められる。(※高校入試は福島県学習塾ネットワークを参照)

福島県学習塾ネットワーク(Fj-net):
国語は大問が6つ、語句や漢字の知識、韻文、古典、小論文、作文と例年と変わりない出題形式。古文はそれほど難しくない。論説文は定番の問題が出題されていたが、現代ではあまり使われていないボキャブラリーが用いられていたため、受験生には難解となった。
数学、全体的な難易度は例年と大差はない。しかし、各問題の難易度の差は激しく、得点できる問題とできない問題がはっきりしていた。受験生が苦手としている問題の出題数が増えてきている。特徴は文章題が二次方程式だったこと。

〈関東〉

■茨城

茨城県学習塾協同組合:
@公立高校入試は、数学以外は易化傾向にある。推薦入試の廃止案も高まりつつある。公立志向が強く、過去10年間で一番の高倍率である。
A第2次高校再編計画では、県立2校に医学進学コースが23年度より新設される。


■埼玉

埼玉県私塾協同組合:
埼玉県では、今年度公立高校入試制度の大改革が行われた。従来の自己推薦方式による前期入試を撤廃し、前期学力型入試(募集枠:普通科75%、商業・工業・芸術・体育・綜合科100%)へとシフトした。後期入試が、普通科25%枠ということで、後期に回った受験生にとっては、かなりのプレッシャーとなった。合否の判定基準も学力点と調査書等の相関方式を改め、学力点(前期5科500点・後期3科300点)に調査書・特別活動の記録・その他諸々の得点を加える加点方式を採用した。ある意味透明化された入試となったと言えるが、学校ごとに1次選考・2次選考(中には3次選考)があり、選考ごとに係数が異なる選抜基準を持っているため、受験者の目からは、不可視の部分も残る。一方、受験者の動向はといえば、公立高校授業料無償化の法案をにらんでか、公立志向の強い入試となった。倍率は、前期普通科1.68倍、後期普通科で1.88倍となり、受験生にとっても学習塾にとっても厳しい入試初年度となった。その要因の一つは、県下受験者数が昨年より2,300人多いことが挙げられる。高校側も40学級1,200人増員で対応したが、結果的に溢れた分が倍率に影響を与えたと捉える事ができる。


■千葉

塾教育研究会(JKK):
(千葉県公立高校入試)
特色化入試と一般入試という形態は今年で終わり、来年度から一般入試だけを前後期の2回に分けて行われる。学力低下という世間の声を反映したもので、面接と作文だけとか実技だけという学科試験なしの入試は幕を閉じることとなる。今年の入試は昨年とあまり変わらず、平均点はやや上がる見込み。500点満点中230点ぐらいか?以前よりかなり難化していることには変わりない。
(私立高校入試)
渋谷幕張を筆頭に、東邦大東邦、市川、昭和秀英といった上位4校は相変わらず厳しく、専大松戸や芝浦工大柏、八千代松陰が続く。女子では国府台女子高の人気が年々高くなり、難易度もあがってきている。その他の私立では、全体的にはレベルが低いものの、1クラスだけ特待生を中心とした「特進科」といったクラスを設けている学校が増えているが、それら「普通科」よりは難易度が高くなってきている。

千葉学習塾協同組合:
県内トップ校に併設される中高一貫校として全国的にも注目されている県立千葉中学の3年目入試(適性検査)が実施され、引き続きの高倍率となっており、検査問題もかなり難易度の高いものであった。
千葉県の公立高校入試は、中学3年生の人口増加に伴い県立高校の募集定員増をしたが、定員増よりも中学3年在籍数のほうが多かったため、各校で高倍率となり受験生にとっては厳しい入試となった。一般入試では、一昨年からの傾向を引き継ぎ、思考力・読解力・表現力・資料分析力に重点を置いた試験であり、千葉学習塾協同組合の予想では、今年も昨年同様に235点前後になるのではないかと思われる。また、今年は移行措置の範囲からの出題も目立った。
来年からは「前期入試・後期入試」という制度が導入され、すべての高校で前期・後期ともに5科目の学力検査が必須となる。全県統一の問題を全員が受験することになるのだが、前期では一科目50分、後期では一科目40分と試験時間を変えているため、出題傾向がどうなるのかは注目するところである。また、普通科は前期で定員の60%、専門学科では前期で80%まで枠があるので、実質入試日程の繰上げになってしまうのでは?という声があがっている。
私立高校の「前期入試」「後期入試」という方式は完全に定着し、公立高校と併願するほとんどの受験生が前期入試に集中した。また、奨学金制度や特待生制度などの学校独自の制度をアピールする学校も増えたため、公立高校の高倍率を避けて私立を第一志望にする受験生も増えた。上位校の人気は相変わらずであった。


■栃木

株式会社開倫塾:
2010年度入学生の人口が多くなったことから、いくつかの県立高校で定員増となったこともあり、ほぼ例年通りの県立高校入試であったと考えています。ただし、栃木市・小山市を中心とした「下都賀学区」が例年に比べてやや難しかったようです。
私立高校については、國學院栃木高校に「特別進学Sコース」が新たにできたほか、若干の変更は各高校であったものの大きな変化はなかったと考えています。
むしろ、来年度入試で佐野地区を中心に大幅な県立高校再編があり、受験生の動向が気になります。また、推薦入試の見直しの方向性が出るのでそれに注目しています。


■群馬

群馬学習協同組合:
群馬県公立高校入試は、学区制廃止4年目と経済的な落ち込みの中、公立志願者が増加したようだ。特に前橋高校を始め進学校に人気が集中した。公立中高一貫校では、例年並に人気が集中したようだ。私学では桐生大学附属中学校(仮称)が創設され23年度生徒募集の予定、近隣の白鴎大学足利中学では1クラスを中高一貫に23年度から移行する予定。


■東京

大井町から教育を考える会:
(中学入試)レベルを一段下げた特待生入試。公立中高一貫の志望者が増えたと思われる。
(高校入試)圧倒的に公立受験が増加したが、私立高第一志望という根強い人気も見られた。併願推薦が無くなったが、然程受験には影響がないと思われた。

木谷塾:
公立高校入試では、東京は地域格差が大きいので調査書の評定値と合格基準との差が顕著になったと思われる。つまり、評定のみの推薦入試は、各種検定準2級以上の合格者や生徒会役員など「+α」が必要となっているのが現状ではないだろうか。

社団法人教育振興連合会:
私立中学入試は、2極分解の傾向があるようだ。(人によっては3極分解)高校入試の公立高校の2極分解が顕著に。名門校の復活も受験生には朗報か。公立の中高一貫校に対しては、賛否両論あるようだが。

東京私塾協同組合:
本年、都立中高一貫校が4校増え合計10校になった。一般枠の倍率は10校平均で7.14倍になり、10校の一般枠と特別枠の応募者数は9,989人で6校だった09年度より2,853人増えた。千代田区立九段中学も加えると9人に1人が都・公立中を受験するという新たなる状況が生じた。

日本教育ペンクラブ:
高校受験では、都立志向が固定した感のある入試であった。倍率が上昇しても、都立のみ受験という生徒が増えている。また、学力:内申の比率を7:3にした高校に志願者が集まった。中学受験では、今年も都立中高一貫校の人気が高く、倍率もすさまじく激戦となった。問題形式も変化なく相変わらずの難問であった。


■神奈川

神奈川県私塾協同組合:
例年のように公立高校は、前・後期制にて入試を行いました。進学重点校の独自入試も従来通りです。また、県立の中高一貫校の適性検査も初年度ほどではないですが、あいかわらずの人気です。私立中学入試についても、景気の割りには、それほど落ち込んだとは言えないと思います。

神奈川県西部学習塾連絡会:
公立高校入試は、前期選抜(推薦入試)の実質倍率が下降傾向になっていたのに対し、後期選抜は高倍率になっていた。県内の後期選抜の平均実質倍率は1.41倍だが県西部の旧3学区では、平均で1.24倍を下回った。県立志向の強い学区だが、他学区への流出も多くなっていると考えられる。また中堅校の倍率が低く、上位校・下位校や総合高校の倍率が高くなっていたのも特徴的だった。私立高校は昨年以上に併願受験が多く専願が低迷しているようだった。

社団法人かながわ民間教育協会:
私立中学受験では、大学付属化や大学との教育提携が話題となった学校、入試回数を増やした学校、大学進学実績を伸ばしている学校が応募者を大幅に増加させた。
公立中等教育学校は予想通り昨年より競争率は下がった、というより初年度の昨年が異常であったと判断すべきだと考える。
公立高校受験では、前期・後期とも「学力向上進学重点校」への多い応募者数や高い競争率等から、そういった高校への期待感が感じられる。前期の競争率トップは新設の昼間定時制高校の相模向陽館、応募者数最多はクリエイティブスクールの釜利谷、他のクリエイティブスクールも多数の応募者を集めている。
私立高校受験では、神奈川の場合、12月に行われる内申点などで行われる入試相談で受験校が決まり、併願推薦がなくなった状況下では相談で合格が決定されているといえそうだ。ただし、横浜北部や東部、川崎のように東京に隣接する地区では、東京の難関私立を含めた私学を実力で受験するケースが多くあり、その一つの現われが公立高校の志願取り消しなどに出ている。


■山梨

塾ジャーナル調べ:
山梨の高校入試は前期と後期の2回制。前期は中学の推薦不要な自己推薦型で、学力検査は実施されない。後期は内申と学力検査の2つが同等に扱われるが、一部では傾斜配点を取り入れている。公立指向が強く、甲府南(合格偏差値68)・甲府第一(同67)などは進学実績も高い。私立は日本大学明誠の偏差値44ラインが最難関。中学受験は山梨大学教育人間科学部附属が人気で、偏差値も60と高く、卒業後は公立高校を受験する生徒も多い。次いで駿台甲府中学が58、山梨学院大学附属56と続く。

〈中部〉

■長野

長野県高校入試統一テスト会:
長野県では前期・後期選抜が実施されて数年たっておりますが「前期選抜をどうするのか?」と議論が持ち上がっておりました。つい最近に「高校一任」という決定がなされ、来年度から前期実施校が減る見通しです。今年の後期選抜の特色は、競争率が非常に低かったことです。


■岐阜

志門塾:
今年から、特色化選抜の募集人員の上限が定員の50%に変更になったため、ほとんどの高校で特色化選抜で定員の50%、一般選抜で定員の50%の募集となった。このため、特色化選抜の倍率が下がり、問題の難易度もやや下がった。また、一般選抜では調査書と学力検査の比率が5:5になったことに加え、3年生の内申が2倍に加味される変更もあり、内申アップが合格のかぎをにぎる受験となった。

志道館学園:
平成22年公立高校入試より、特色化選抜(2月)と一般選抜(3月)の定員割が普通科・職業科問わず、全て5:5になりました。(昨年までは職業科のみ5:5で、普通科は2:8)
特色化選抜での合格者が増加した一方で、不合格者に去来する一般選抜への不安心理は想像以上でした。さらに特色化選抜合格者数は中学校によって偏りがあり、本来ならば私立推薦合格者も含めると2月時点で半数以上の進路が決定しているはずなのに、それを大きく下回った中学校もあるようです。


■石川

有限会社 学習会:
金沢市は小学生の英語特区ということで、小学生から英語の授業が行われ、6年生で中学1年生の教科書のUnit5くらいまで学習しています。中学3年生の2学期には中学3年生の教科書が終了し、金沢市独自の教科書と並行して学習しています。ただ現状は、中学生になると筆記についての文法・単語についていけず、中学2年から二極化に入り、中学3年生では完全に分離しています。平均点は60点ありながらも、その周辺の人数は少なく、上位と下位の二極化が激しくなっています。(下のグラフはある中学3年生の学年全体の得点分布)早期(小学生から)の中学校教材を使っての英語教育は疑問に思われます。

塾ジャーナル調べ:
高校一般選抜は学力検査と面接・適性検査などが2日間に渡って行われる。ただし、学力検査と内申書の比重は非公開で、双方の結果を相互関係を考慮して審査されることになる。推薦では学力検査は無し。面接と学科やコース独自の小論文や実技などで選抜される。国立の金沢大教育学部附属と金沢泉丘では合格偏差値ラインは67と65で大差はないものの、倍率では国立の方が圧倒的に高い。中学では唯一の県立中高一貫校の金沢錦丘が金沢大附属と人気を二分。ともに合格偏差値は62前後と、その他の受験校を圧倒している。


■新潟

立心ゼミナール:
昨年同様、公立高校は推薦入試と一般入試による選抜方法(一部の学校は除く)である。推薦入試は定員の15?70%で主に内申点・作文・面接にて判定される。推薦入試の倍率に特に変化は見られない。一般入試は各高校にて内申点と当日の学力検査を3:7から5:5にて配分、総合点で合否を判定される。進学校の倍率は例年並みであったが、一部の専門学科に集中する傾向があった。一般入試の出題レベルは、ほぼ同じとみているが、特に数学の難易度が他の科目と比べると高かった。


■富山

塾ジャーナル調べ:
高校受験の一般選抜では、学力検査と内申点は基本的に同等。ただし、どちらかの成績が上位10%以内ならもう一方の成績に関わらず合格になることも。推薦入試では全員に面接を行い、内申書などから総合的に合否判断する。人気が高いのは4学区でトップの高岡や富山中部。私立は富山大一と国際大附属が健闘している。中学では、片山学園(合格偏差値61)と富山大教育学部附属(同57)が人気を二分。育英模試で上位を独占している片山学園がわずかに人気をリードしている。


■静岡

協同組合静岡県私塾連盟:
静岡県での公立高校入試は、普通科の倍率がやや上がり商業科・工業科の倍率が下がる傾向があった。私立高校は、公立人気の高い県内では公立不合格者の受け皿としての入学者が多いのが現状です。また、私立中学では、一部の中学を除き大幅に定員割れを起こした。

しずおか私塾会:
全体的には一昨年と変わりないが一部地域では、公立2番手校の受験者が激減した。これは、公立高校が圧倒的に人気がある静岡県の状況の中で、その地区の私立高校がよく健闘したのだと推測される。
また、公立入試問題について基礎力をはかる問題が増え、以前のように少々奇をてらすような問題が少なかったのは、良いことだと考える。


■愛知

愛知県私塾協同組合:
景気の停滞や「トヨタショック」の影響を受け私立中・高校入試は厳しい状況が見られた。私立中学校入試では受験校数が減少し、中下位校は志願者が減少した。公立高校授業料無償化の影響はさらに大きく、私立高校の推薦入試志願者の減少と公立中・下位校の倍率の高さが目立ち、今後もこの傾向はさらに進展すると予想される。

愛知県進学研究会・鹿島塾:
公立無償化予定で入試動向が注目された高校入試だが元々、公立人気が高く、私立の学費が安い愛知県では影響は軽微であった。とはいえ中堅私立校は推薦で獲得しきれなかった生徒数のしわよせもあり、一般が易化。2次募集も多くあった。来年以降も流れは続くと見て注意が必要だ。中学入試では、一部に難易度の変化は見られたものの大きな変化はなかった。高校入試では、公立無償化に伴い私立中堅下位校にて歩留りの低下が起こり、2次募集を実施した私立が目立った。公立トップから中堅に大きな変化はなし。

私塾協議会・名進研:
愛知県の中学入試は、より確実に私立中学に進学したいという志向が高まったため、中堅校の志願者数が増加、上位校は横ばい傾向にあったが、成績上・中位の生徒はこれまでと変わらず上位校を受験しているため、入試難度に変化はなかった。また、女子校では初めて愛知淑徳中と椙山女学園中の併願が可能になったことから、女子の併願パターンに変化が見られ、特に椙山女学園中は志願者が大幅増となり、入試難度があがった。来年度以降も女子の入試日程がどのような形になるのか、注目される。愛知県の高校入試は、全体としては大きな変化はなかったものの、上位校に受験生が集中すること、また今年定員増となった名東、昭和などの高校の人気が高まる傾向が見られた。例年大学入試結果を見ると、一握りの上位校でしか東大、京大、名大には合格することができない現状から、来年度以降も、旭丘、明和、一宮、岡崎などの上位校に学力の高い受験生が集まり、高校入試が易しくなるといわれる中で、難関レベルの厳しい入試になるのは間違いないと予想される。

名古屋進学塾連盟・杉浦塾:
中学受験者数は、ほぼ昨年並み。一部の中学校の入試日程変更で、学校によっては大幅な追加合格者が出た模様。高校入試は、愛知県は特に不況の影響が強く、公立高校の授業料無料化もあって、公立の下位校への受験者が増加。それに伴って私立の中・下位校が募集に苦労していた。定員確保した中位校も来年以降の入試に危機感を募らせている。


■福井

福井県私塾連盟:
例年通り、トップ校に人気が集まり、中堅校は地域によって倍率に差が見られた。近年、学区の廃止・定員の削減・推薦入試制度の変更・中高一貫校の創設など、様々な変化がおきている。

二重まる学習塾:
福井市の藤島・高志の両校に、上位層の人気が集中する傾向が何年も続いており、今年もそうなった。県内全域から受験者が集まる両校を受験するには、5科目ムラのない学力が必要となる。今年の入試は理科が難しく、理科の点が伸ばせなかった生徒にとっては厳しい受験となった。


■三重

社団法人全国学習塾協会三重県地区会員協議会:
公立の地域トップ校は少数精鋭型の入試倍率で推移している一方、周辺の二番手校は高倍率が続いている。特に理数科などの倍率が高い。私立高校ではコースや類型で各校工夫を凝らしており、受験生に選択の幅を与えている。

〈近畿〉

■京都

京都私塾連盟:
5教科各40点(計200点満点)で、それぞれ40分が制限時間である。中学で学習する基礎的な内容が多く、資料・図表をもとに総合的に判断解決する力をみる検査である。公立では専門学科が人気を集め、優秀な受験生が増えている。私立では勝ち組み負け組?が顕著になった。

関西私塾の会:
京都市内の公立高校は学区改編、選抜方法の変更から2年目の入試を迎え人気校、不人気校の差がいっそう明確になってきた。各塾ともこの結果にしたがい次年度の進学指導をすることになるので、早晩ランキングは確定的なものになるだろう。公立高校無償化の影響を私学は戦々恐々として待ちかまえていたが、今年については専願者を増やした私学もあり、影響は少なかったといえる。しかし大阪府知事が私学の助成について早くから言及してきたこともあり、大阪から京都への受験者が減少した模様。大阪から入学者の比率が高い学校では特に影響が大きかったようだ。府県によって私学助成の所得基準に差があれば、この先も府県をまたいでの私学同士の綱引きが厳しいものとなるだろう。中学入試はのべ受験者数は減少したが、受験料の節約や安全志向のために受験校を絞り込んだ結果とも考えられ、実入学者数はそれほどの落ち込みはないかもしれない。今春開校の京都橘中学は200名を超える志願者を集め、入学者も定員を若干超えた模様。中学受験の人気は衰えていないようだ。また、京都府立洛北高校附属中学、京都市立西京高校附属中学の六年一貫生が初めて大学を受験したが、両高校とも京大を始め難関国公立大学への合格者を大きく伸ばした。来春入試ではいっそう人気が出てくることが予想される。


■滋賀

滋賀県某、塾:
全県一区制・特色選抜導入から5年目。導入当初、人気校では5倍?10倍近くになっていた「特色選抜」。近年では、2倍?5倍程度になり落ち着きを見せるようになっている。これは、第一志望の高校に2度チャレンジすることができると考え、積極的に出願していたのが、高倍率であることや成績上位者が受験することがあるため出願をひかえる傾向が見られるようになったことが影響していると考えられる。
出願倍率については、例年、一部の人気校を除くと、前年度に倍率が高かった学校がやや敬遠され、逆に倍率がそれほどではなかった学校に出願が集まるという傾向がある。昨年、一部の学校に人気が特に集中していたが、今年の特徴としては、経済状況を反映してか安全志向が高まったようで、各地域のトップ校・中堅校への出願が増加して倍率が軒並み上昇した。
入試問題については、特色選抜が各校オリジナルの問題による選抜というふれこみで始まったが、近年は各校オリジナル編集の問題となっている。一方、一般選抜では例年と比べて英語・国語・社会ではこれといった変化は見られなかったが、数学・理科においてはクセのある問題から基本的な内容を問う問題が中心になり難易度がずいぶんと下がるといった大きな変化が見られた。
さいごに、今年は指導要領の改訂にともなう移行措置期間初年度。入試での扱われ方に関心が集まったが、特色選抜・一般選抜ともに、移行措置内容が出題された。来年度以降も、出題される可能性があるので、しっかりとした対策をしておくことは必要となるであろう。

滋賀県某、塾:
(高校入試)今年の滋賀県高校入試は非常に易しくなったというのが感想です。全県一区になり特色選抜が各学校(上位校のみ)で行われて5年目で方向がはっきり見えたように思います。上位3割を特色選抜で選び、残りは一般選抜でということになっています。中下位校は推薦で同じく3割をとっての一般選抜です。難しい問題では差がつきにくいから問題が大幅に易しくなったと考えられます。
そうしますと塾の存在理由というものがしだいに薄れてくると思います。今までは数学が難しいから塾へ行くという層も多く見られましたが、通塾率が下がると考えるのは考えすぎでしょうか。高校受験メインの塾は今後5年くらいで非常に厳しい状況になるでしょう。滋賀は京進のひとり勝ちの地域なので特にそう思います(談話)。
(中学入試)例年と変わらずです。しかし浜学園が草津に新教室を出すということなのでこれから大津、草津を中心とした地域は中学受験熱が上がると思われます。しかし週4?5日の通塾になるので湖東地区からの通塾は限られると思います。滋賀で塾をこれからやっていくには中学入試か大学入試に特化する必要があるとひとりで説いているのですが、あまり聞く耳をもっていただけません。小規模の塾が高校受験塾で生き残っていくのは非常に厳しいと思っています。補習塾としてしか道はないように思います。小さい塾は教室展開や大規模な塾を目指すべきではないと思いました。いくらチラシや説明会で大手塾が煽ったとしてもいずれ入試が簡単であることは知られてしまうでしょう。中学入試より簡単な高校入試の問題っていうのはどういうことでしょう?それはもう対象とする層が全く違うことを意味しています。小学6年生が公立高校入試の問題を見てその易しさに驚いていますからね(談話)。


■大阪

関西私塾教育連盟:
中学校の卒業生数が増加したことに加えて経済状況も考慮して、公立高校の募集定員が過去最大の増加となりました。また、公立高校の授業料実質無償化の影響も大きかったように思われます。私立高校の専願率は若干持ち直しましたが、併願受験者を含めても不合格者を多く出した高校はほとんどありませんでした。公立高校前期入試(専門学科)では、理数科や単位制などで高い競争率となった高校がみられました。経済状況を反映してか、レベルを下げてでも公立高校の前期入試で合格を目指す生徒が見られました。後期入試(普通科)は募集定員の増加に伴い競争率は例年より少し下がりましたが、安全志向で受験校を選ぶ例が多くみられました。

大阪府民間教育ネットワーク(金岡学習サークル):
公立高校の定員増や高校無償化の影響を受け、前年以上に一般層の公立志向が高まる。私立の募集人員は男子校、女子校ともに前年比を下回るが、共学は学校の施策の成否で2極化する。府下の共学校のうち8校は募集人員に対する専願充足率が100%を超える結果となる。

泉州私塾連合会:
今春より公立高校の授業料無償化が実施されるにも関わらず、大阪府では私立専願者が少し増える結果となった。景気の低迷と先行き不安の状況の下で、子どもの将来を私学に託そうと考える保護者が増えたのだと考えられる。ただ、全体としては公立志向が強く、一部の公立高校(特に前期入試)に受験生が集中する傾向が顕著に見られました。
中学入試は、長引く不況の中で大幅な受験者数の増加は見られず、学校によっては定員を下回るところもあり学校間の志望者数に開きがありました。大阪南部では、和歌山の私立中学を受験する生徒が比較的多い。

NPO塾全協西日本ブロック:
公立高校授業料無償化の影響で、競争率が高くなることが心配されていましたが、府下ほとんどの高校が定員増となったため、昨年より入りやすくなった高校も多くありました。


■奈良

奈良県学習塾連盟:
公立特色入試、一般入試ともに平均競争率は安定方向にあります。
◎公立特色、一部人気校を除いては、ほぼ例年並でありました。
◎一般では競争率が前年より若干上昇しました。公立大人気の流れを予想するも、全体としては、公立人気は何とも言えない。時勢の流れで公立進学希望者が増えてはいるが、個性ある私学に人気が集中する傾向も出来上がってきています。


■和歌山

和歌山県私塾協同組合:
公立高校入試において平成21年度より実施された前期後期を一本化した公立高校入試は、3月10日に行われました。尚、今年度より導入されます公立高校の授業料無償化により公立志向が若干増加し競争率も高校によっては高いところも見受けられましたが、混乱なく終了したと思われます。県立中学入試、私立中学高校入試は、例年と差異がなかったと思いますが、各校とも特色のある学校づくりに最善を尽くしています。


■兵庫

塾ジャーナル調べ:
公立入試は16学区制。単独選抜・複数志願選抜・総合選抜・推薦選抜・特色選抜・単位制・総合学科と非常に幅広く、公立高校の複数受験も可能な場合も多い。主に学力試験が中心で、内申重視校は少ない。合格偏差値は各学区トップ校で55?69となっているが、合格実績では全国でも有名な私立進学校である灘・甲陽学院・白陵が東大・京大現役合格者数で圧倒。ただし、有名私立は南部に集中しているため、県全体の進学率は公立指向が強い。中学受験もやはり合格偏差値77の灘の人気が高い。ただ、交通の便を考えてか、一校集中ではなく地域ごとに人気が分散しているのも特徴である。

〈中国〉

■岡山

岡山私塾連盟:
高校入試は、公立中高一貫校の新設や中3受験生の増加に伴い、中高一貫校以外の定員増も志願者増で難化傾向に。入試問題は、各教科とも記述問題や文章量の増加で難易度UP。来年度の入試に向けて、単なる暗記だけでなく、総合的な判断力、応用力をつける必要あり。中学入試では、公立中高一貫校(岡山大安寺を含む)が3校に。既存2校の倍率(4?6倍程度)も前年とほぼ同じ。公立中高一貫校の人気は、依然高し。


■広島

広島私塾連盟・むげん塾:
公立高校の入試は、選抜Tは調査書点を重視、小論文・面接による加点により合否を判定。選抜Uは、調査書点と学力検査点を同等にして合否を判定する。学力検査問題は、数学の難易度が他の4教科と比較して高く、数学においては学力の差が表れにくいという問題点は去年より継続されている。


■鳥取

鳥取私塾の会:
今年度の、鳥取県の県立入試は、2年間難化した問題が易化した。全県一区の中で東部は、例年通りの競争率、中部は、進学校が定員割れする競争率、西部は、近年にない厳しい競争率であった。


■島根

あべ塾:
島根県の高校入試は、多少高校別に競争率は上下するものの、ほとんど無競争の全員合格で隠岐の島でも不合格の者は皆無です。この為、中学生には入試に対する緊張感はなくほとんど勉強しないのが現状です。

塾ジャーナル調べ:
島根の高校受験は推薦入学と一般選抜の2種。一般選抜は第2志望の高校まで出願可能で、学力検査は5教科500点満点。ただし、内申書と学力検査の比率は40:60?80:20(各高校により変化)と内申書重視の割合が大きい。また、推薦は、学校によってスポーツ特別枠や文化特別枠を実施。受験倍率では、公立トップの松江北(合格偏差値64・倍率1.15倍)を押さえ、松江農林(同42)が1.5倍と一番人気となった。中学では島根大学附属が偏差値61で人気がトップ、その後開星(52)、松徳学院(54)と続いている。


■山口

塾ジャーナル調べ:
高校推薦入試は入学定員の50%以内で、残りは第一次募集受験での選抜となる。ただし、普通科体育コースでは推薦で70?75%の定員充足が認められている。公立の人気校は合格偏差値65の下関西、次いで宇部(62)山口(61)が人気が高い。私立では慶進、サビエル、梅光女学院、宇部フロンティア大付属と、ほぼ合格偏差値順に人気が高い。中学受験は山口大学教育学部附属に人気が集まっているが、宇部フロンティア大付属も東大現役合格者を輩出するなど、人気が高くなっている。

〈四国〉

■愛媛

愛媛学習塾連盟:
県立中高一貫校(県下3校)の入試状況は、各校160名の定員に対して、松山西中等教育学校(倍率2.69倍)、宇和島南中等教育学校(1.52倍)で、志願者数は、昨年より増加し、今治東中等教育学校(0.86倍)で、定員割れの状況で、県下での地域差がみられます。今年度も私立中高一貫校への関心は、依然高く特に松山地区は、中学受験の激戦区となっています。今後も中学受験者は増える傾向にあると思われます。県立高校入試においては、推薦入試への志願者が県立高校定員10,465人対して、2,627名、推薦内定者は、1,778名でした。その結果、推薦不合格で県立一般入試を受験する生徒が多数いました。
県立高校一般入試の最終倍率は、昨年同様1.01倍となりました。しかし、定員割れが全116学科のうち55学科ありました。県内有数の進学校、松山東高等学校が、定員割れとなりました。これには、2003年度から導入された、2段階方式(第1選抜では志願者の調査書点の上位順に定員の9割を選び、さらに学力検査で7割に絞り込む。残り3割は第2選抜で、学力検査の成績、調査書点の各教科の学習の記録以外の記録並びに面接及び実技テストの評価の得点を用いて決める)が浸透した結果と思われます。調査書が合否に大きく影響するため、3年生になって成績が伸びた生徒でも、志望校のランクを下げる傾向になっていると思われます。


■香川

香川進学研究会:
1.香川は私学保護の観点から公立高校の入試倍率を1.25前後に毎年設定しています。
本年度の最終競争率は1.23倍でした。ただ県内の中学校で実施している「学習の診断テスト」(入試と同じ5教科、各50点の250点満点)の今年の難度が高く、上位生徒の得点が上がらなかったため、上位校への出願が比較的低くなる傾向でした。また実業系高校は例年通り倍率が高く、3校で2倍を上回りました。
2.国立高専は本年度より高松高専と詫間電波高専が合併し、香川高専と名称変更。1クラス40名の定員減となったため詫間キャンパスの難度が大幅に上がった模様。


■徳島

徳島県私教育協同組合:
高校入試は前・後期制が今年で最後になり、来年度から一回限りの勝負になります。受験に対する危機意識が全般的に低かったのですが、少し改善されそうです。中学入試は、他県に比較して、中高一貫校の人気が高く、逆に私学は大打撃を受けています。これは公立高校で核となる学校が不在のため、私学の中高一貫校並みの期待を公立中学校に寄せているからでしょう。また、大学入試でも公立の中高一貫校が東大合格トップに立つなど実績も上げつつあります。ここ数年どこが突出した実績校となるか注目しています。

徳島県学習塾協同組合:
平成16年の高校入試から採用され、様々な問題点が指摘されてきた「前期・後期制選抜」は今年が最後の年となった。来年度からは部活動などの活動面を重視する「特色選抜」と「一般選抜」が実施される。県教委が唱える、「確かな学力」を重視する入学者選抜、「生徒の個性」を生かす入学者選抜となるかどうか。

とくしま塾教育研究会:
市内の普通科6校は、徳島市立高校が新校舎になったため、人気。各校、様々な取り組みをしていますが、全般的には低調な印象です。


■高知

塾ジャーナル調べ:
平成22年度より入試制度が変更。5教科共通学力検査が前期選抜で行われ、面接や調査書と合わせて総合的に合格者を選抜。後期では国数英内の教科の検査や面接、作文などから各校で指定する検査を実施する。前期で定員の約80%を上限としているため、後期定員が各校で大幅減となっている。私立指向が周囲の四国3県より強いが、公立トップの追手前と私立トップの土佐塾では合格ライン偏差値は62と65であり、そんなに変わりはない。中学は私立中学への進学率16.1%とかなり受験熱が高く、中でも中高一貫の土佐、土佐塾の人気が高い。

〈九州・沖縄〉

■福岡

英進館:
昨年、国語の難化により、大きく受験者平均点を下げたが(175点)、今年度もほぼ同レベルの難易度に落ちつきそう。移行措置範囲から「遺伝子の規則性と遺伝子」が出題された。
また、筑紫丘・明善・嘉穂高校の理数科に続いて、香住丘数理コミュニケーションにおいても、今年から数学の追加問題が実施された。

福岡学習塾連盟:
理数の難易度は昨年と変わりなし。他の科目では工夫された新傾向の問題もありましたが、全体的にみて昨年と変わらぬ難易度と思われます。これからは、「ゆとり教育からの脱却」から内容等にさらに工夫を加えてレベルアップされた問題を期待しています。


■熊本

早稲田スクール:
今年度入試制度の一部が変更になりました。県内を8学区に分けられていたのを3学区に改編し、さらに学区外からの受験枠が最大20%になりました。その結果、学区内受験と学区外受験の差が実質的になくなり、全県一区の受験に近い形になった模様です。また、熊本市内の普通科の競争率が今回も高くなり、その人気の高さを伺うことができました。
後期選抜入試の問題については、例年難易度の高い問題が出題されていますが、今回の入試では、社会・数学・理科などは例年より若干難易度が下がり、受験生にとっては扱いやすい印象を受けました。


■佐賀

佐賀県私塾協会:
佐賀県内私立高校は早稲田佐賀が加わり9校となり、募集定員は1,730人、志願者数9,632人で前年度より2,251人増、平均倍率は5.2倍。学校別では龍谷高(特別進学)が31.2倍、清和高(特別進学)が15.1倍。新設の早稲田佐賀は入試が高難度で全寮制だが、4.7倍で次年度は倍率が高まりそう。県立高校は前期入試に838人が志願した。三養基高・佐賀東高・唐津西高・白石高の4校平均倍率は2.49倍。一般推薦入試は1,639人が志願し、28校の平均倍率1.29倍。人気は鹿島(理数科)3.83倍、致遠館(理数科)2.0倍、有田工(電気)2.2倍、佐賀工(電気)2.0倍。3月9・10日実施の後期入試では高得点を要する佐賀西高が1.15倍、唐津東高1.24倍、鹿島(理数)1.43倍。佐賀工(電子情報)1.50倍、佐賀商(国際経済)1.68倍、牛津(生活経営)1.71倍(調理師)1.63倍、高志館(園芸工学)1.60倍、神埼清明1.56倍と実業高校の倍率が高く、就職氷河期だけに直接職業に関連している学科に人気が集中しているようだ。


■長崎

塾ジャーナル調べ:
長崎では内申書と学力検査が同等に評価される一般入試と、内申書と面接を基本に(作文や適性検査なども学校によっては実施)評価判定する推薦入試がある。合格偏差値ラインは私立の青雲学園が最も高く73。次いで公立の長崎西(67)、長崎北陽台(67)と並ぶ。中学受験は中高一貫に人気が集中し、合格偏差値は私立の青雲が68、県立佐世保北が61とトップ2校に私立・公立が並んでいるのが特徴だ。また、中学トップ人気の7校は長崎大学教育学部附属中学をのぞき、すべて中高一貫教育(併設型もあり)を実践しているのも注目されている。


■大分

塾ジャーナル調べ:
高校の一般選抜は学力検査対内申点が7:3?5:5で学力検査点がやや重視されている。推薦は選抜方法が異なる2タイプ。推薦書・内申書・面接により判断されるB試験と、これに適性検査を加えたA試験がある。人気は県トップの大分上野丘と大分舞鶴が二分。また、私立では大分東明が高倍率となっている。中学では県外のラ・サールを目指す生徒が多いが、県内では大分大教育福祉科学部附属が最も人気。私立は向陽や岩田、大分中などが高い倍率となっている。


■宮崎

株式会社 昴:
全県一区での入試の影響は今年も大きくは見られませんでした。全県では、宮崎市内の4校を中心に定員増(全県で230名増)がありましたが、合格者も全県で昨年比約350名の増加があり、全県平均では競争率減の傾向にあります。ただし、学科別に見ると宮崎大宮高校文科情報科の人気は昨年に引き続き高くなっていて、2.05倍の競争率になり、これまで宮崎西高校理数科に集中しがちであった成績上位生が文化情報科に流れる傾向が強まりました。これは宮崎西高校理数科に併設されている中高一貫の付属中から初めての内部進学生が出て、西高校理数科の定員が実質40名になった影響もあると思われます。問題レベルは例年と変わりませんが、記述形式の問題の割合は増加する傾向にあります。理数の移行措置内容からの出題は、理科の地学分野で過年度卒業生が解く問題と、今春卒業生が解く問題を別の問題にするという形で、2問出題されました。


■鹿児島

株式会社 昴:
鹿児島市内の上位高校と郡部の高校の競争率の差が、拡大する傾向がここ数年来強まっています。特に今年は鶴丸高校、甲南高校のトップ校の競争がアップし、上位校は激化の方向にあります。また、高校再編により鹿児島西高校と甲陵高校が統合して誕生した明桜館は初めての入試とあって、志願実況が注目されましたが、スクールバスの導入や総合選択制の採用など、新設校への期待感から、競争率は県内の公立高校で最も高い2.29倍(文理科学科)となりました。入試問題については、難易度は例年と差はありませんが、新指導要領の影響か記述(語句記述、文章記述)問題が増加しています。理数の移行措置内容からの出題については、理科で1問出題されたのみにとどまりました。


■沖縄

津田塾:
今年の入試は、応募状況・難易度についてはほぼ例年通りでした。県立高入試は一次募集で定員に満たなかった高校が二次募集をすることができます。受験生にとっては、一次で不合格の場合、二次募集をする県立高校と後期試験を実施する私立高校の中からよりベターな高校を選択できるので、最終的な不合格はほとんどゼロに近いシステムとなっています。当然ながら、一次では上位校に応募が集中し、下位校は定員割れという状況になります。しかし、上位校の不合格者が、二次で応募してくることを期待し、下位校が定員割れにもかかわらず不合格者を出すということが近年顕著になってきているのが大きな特徴です。

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