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2010/5 塾ジャーナルより一部抜粋

セミナーレポート 上野塾から学べ!

 

上野 義行 さん
[ 上野塾(岐阜県岐阜市) 塾長 ]

平成17年4月、岐阜県山県市で母親が営んでいた縫製業の作業場を教室に改造し、開塾。4月で丸5年になります。塾生たちが大人になって過去を振り返った時に、「上野塾、厳しかったけれど、今の自分に生きているな」と思い返してくれて、私が子どもたちの前で話したことを、自身のわが子に伝えてくれるようなことがあれば、上野塾の存在意義があったのだと思います。今年50歳になりますが、地域への感謝の気持ちとこの仕事への誇りと自信を持って、与えられた塾教師人生を歩んで行きます。[ 血液型:A型/趣味:教室現場の掃除、ICHIROのコレクション ]

 
     

人口過少地域で生徒数200人 アイデア次第でここまで可能

 商圏内でメインとなる中学校の全生徒数は約120人。この地で開塾を決めたとき、周囲はそろって反対した。それから5年、上野塾の生徒数は190人を数え、目指す200人にあと一歩と迫っている。「入塾予約」、「1年契約」といった制度を導入し、生徒増と退塾率抑制に成功。受験が終われば退塾する生徒の意識を改革し、不安定になりがちな春の売り上げ安定化を図っている。人口過少地域で、次々とアイデアを絞る上野塾塾長の上野義行さんを取材した。

生徒、保護者、塾、三者に メリットある仕掛けづくり

 JR岐阜駅からバスで30分。降りたバス停前のビルに上野塾の芥見(あくたみ)校はある。周囲500メートル四方に大小10の塾が点在する過密地域だ。2005年の開塾当時、生徒数はわずかに26人。赤字を補うべく塾長の上野義行さんは、家賃のかからない自宅にさらに1教室、本校を開くことを決めた。

 だが、それを知った塾仲間はそろって反対。芥見校よりもさらに人口が少ない地域で、生徒が集まるはずがないというのが理由だった。何しろ、本校近くの中学校は全校生徒数が120名という小規模校だから無理もない。ところが1年足らずで生徒は2教室で100人以上に、さらに1年後には150人まで増えた。

 もちろん、何もしなかったわけではない。生徒募集でまず始めたのが、「1ヵ月無料体験」の実施と本校での小学4〜5年生の授業料無料化(教室維持管理費千円のみ徴収)だ。「自分が育った地域にお礼を込めて」と上野さん。その思いが通じてか、6年生になっても、引き続き通塾する生徒は少なくない。

 次なる策は「入塾予約」を取ることだった。2〜3月、高校受験を終えた生徒を送り出してから生徒募集を始めても、時すでに遅し。上野塾では、前年12月20日までに入塾予約すると、1ヵ月分の授業料を免除するという特典をつけ、在塾生の兄弟、友人関係を中心に予約を受け付けている。

 芥見校のスタッフ控室には、入塾予定者の名前がずらりと張り出され、彼らがいつ見学に訪れてもきめ細かな対応ができるよう、職員の意識に常に訴えかけている。

 だが、予約を取ったからといって、確実に入塾するとは限らない。毎年4〜5月は生徒数が安定しない。このことに頭を痛める塾も多いだろう。そこでこの時期、一気に生徒数の落ち込み解消のためにとられた策が、高1生を対象とした4〜5月限定特別授業。その名も「高校への架け橋」である。
上位校に進学した生徒が、入学当初の授業でつまずき、一気にやる気をなくすケースは珍しくない。「最初の中間試験で納得のいく成績を収めれば、あとはロケットスタートできる」と上野さん。この説明が、中学とともに塾は卒業するものという生徒、保護者の意識改革となりつつある。

 売り上げ安定を図りたい塾と、好調な高校生活のスタートを切りたい生徒の双方にとって「高校への架け橋」は有用で、ヒットの期待大である。そして、限定特別授業を受けた生徒が4〜5月以降も授業を希望した場合、提携する京大個別会の本格的高校コースを設けている。いわば、高校コースへの架け橋でもあるのだ。

●経営のポイント

  1. 生徒募集は先行予約で12月中に。
  2. 一般的に退塾時期ととらえられている生徒保護者の意識を改革する。

消費者心理をつかんで生かす

 塾が過密する地域では、いきおい退塾率も上がるものだ。こちらでダメなら、あちらがあるという感覚が生徒、保護者に働くからで、その対策に苦慮する塾も少なくない。この点でも上野塾は有効な対策で、年度途中の退塾に歯止めをかけている。

 「うちでは1年経つと、生徒はいったん全員退塾することになっています。その上で、翌年も継続して通塾する場合は、継続申込書を提出してもらっています」と。継続申込書を提出することで、生徒、保護者の側に“一定の覚悟”を問うているのだという。1年契約したという意識が生徒、保護者の側に生まれるからだろうか、結果、退塾は大幅に減っている。

 もっとも、継続申込書を提出しない生徒もいる。「ある生徒は中2まで通っていましたが、中3の春から家庭教師に切り替えるという理由で退塾しました。それでも1年契約という感覚がその生徒にも保護者にもあるので、年度末まではきちんと通ってきました」と。

 そして、退塾する生徒には年度末に「頑張れ」の言葉とともに拍手で送り出すという。決して不満を抱かせたまま、退塾させてはならない。「今後の評判のためにも」と上野さんはつけ加えた。

 話を聞くうち、いかに上野塾が消費者心理をつかんで、対策を立てているかが伺える。それは日々の生徒に対する動機づけにも見ることができる。いくつかを次に紹介する。

  1. 魔法の赤ペン 単語や漢字を覚えるとき、書き取り用に使うペンを配っている。インクがなくなると新しいペンと交換。その際、塾が使い終わったペンを生徒別に保管する。1年後、使い終わったペンをビニール袋に入れ、リボンをかけて「頑張った証」としてプレゼントする。
  2. 塾通知表 塾内では「教師の波動」と言う。8月、1月、4月の年3回発行。学習理解度を伝えるとともに、塾での様子を所見欄に記す。保護者に学校よりも丁寧に子どもを見ているという印象につなげる。
  3. 英雄伝説 学校の定期考査で5教科450点以上をとった生徒、または5教科で90点以上伸びた生徒を歴代英雄として表彰、紹介し、オリジナル図書カードを進呈する。漢字検定や英語検定の合格者も同様。
  4. 満点カード 小学生向けの企画。15枚で1万円相当の商品と交換可能だが、15枚集めることは難関。次年度の継続申し込みにつながっている。

●経営のポイント

  1. 退塾対策として予防線を張る。
  2. 退塾する生徒の不満を塾外に持ち出させない。

●指導のポイント

子ども受けする企画名で学習への動機づけを行う。

●運営のポイント

小学生、中学生、保護者と対象ごとにオリジナル企画を立てる。

積み重ねこそただひとつの道

 上野塾本校にほど近い中学校の生徒数は120名と既述したが、今ではそのうち約70人が上野塾に通っている。今後は芥見校での生徒獲得が課題となるが、それ以上に教室展開する気持ちは上野さんにはない。今ある2教室で「地域に根差したダントツの塾」を目指すという。

 そんな上野さんの名刺に書かれていた言葉。「夢をつかむことというのは、一気にはできません。小さいことを積み重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道だと思います」。上野さんの好きなイチローさんの言葉だそうだ。

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