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2010/5 塾ジャーナルより一部抜粋

教育費の低迷における塾費用の変化
授業料アンケートから見えてくるもの

     

 文科省の発表では、各家庭ともに中学受験対策をねらう場合の塾費用は、非常に高額に設定されている。また、私学・公立ともに通塾率は上昇。しかも、公立中学に通う73%の生徒が、塾に通う…。不況とはいえ、この結果は、塾には大きな追い風となることだろう。しかし、そうなれば競合する塾同士の生徒獲得合戦が熾烈となるのも事実。多くの塾が通塾生獲得に向けて、新たな取り組みを行っている。

 今回、塾ジャーナルでは、塾に向けて、授業料に関するアンケートを実施。189の塾(4月1日現在)から回答をいただくことができた。そこから見えてくるものを基軸に、現在の塾費用に関する塾の考え、一般家庭の意識がどうなっているのかを特集する。

景気回復まで試行錯誤か
最も多い『現状維持』の回答

 回答いただいた塾は、北海道から沖縄まで、ほぼ全国に及ぶ。

 全国的に見ると、一斉授業で小学生2教科、中学生3教科をセットで料金設定している塾は、1〜3万円が最も多く、授業は週2回。これに難関国公立への特別コースや選択科目として理科・社会を設定している。受験年度になると、科目や難易度に合わせた設定となり、平均して3〜5万円が月謝となる場合が多い。中には週に4回、月額8万円以上となる塾もある。個別指導ではさらに金額の設定が幅広く、週に何回授業があり、何教科受講するかを生徒や保護者が選択できる塾では、小学校で週1回8,000円〜、中学で1万2,000円〜となっている。しかしこの授業料、ホームページには掲載していない塾が非常に多い。掲載されていても、一覧にしてある塾は少なく、多くの塾が『〜円より』という表記になっている。チラシという地域に限った媒体とは異なり、ホームページは全国区での宣伝活動となるだけに、慎重になる姿勢がうかがえる。

 だが、各家庭における教育費の節約に対抗するため、地方を中心に、価格破壊の波は広がっているようだ。全国展開をしている秀英予備校は、講習会受講料数日間無料や兄弟割引プランを、広島を中心に中国地方で展開している鴎州塾は、一部の中学生講座を9,450円から1,050円に値下げするなど、大きな動きをしている。

 この動きに対し、同じように値下げを断行した塾は、「近隣塾に対抗するため」が最も多い理由だ。次いで「保護者の負担減」や月額費用を下げながら、無料のフォロー講座も開講など、苦しい経営状況の中で、少しでも生徒に還元しようという対応が見える。また、目につくのが、期間限定の入塾料金の値下げ、もしくは無料のキャンペーン。特に春の2〜3月に多く、4月からの新学年を先取りしようという塾側の思惑が見える。中には、2月に入塾すれば入塾金だけでなく、1ヵ月間の授業料も無料にするシステムを打ち出している塾もある。

 反対に値上げを決定した塾は、教務システムやサービス拡充で、保護者の納得を促そうとしたり、塾の実力をアップすることで、ブランド力を上げて、顧客を絞り込むという決定をした。

 ただし、最も多い回答は『現状維持』であり、今後の景気回復を静観して待つ塾がほとんどだ(※図1参照)。また、講師の人件費が高額で、授業料を下げることができない都市部では、「満点の教育サービス」や「実績あるプロ講師」などのうたい文句を前面に打ち出し、人気が陰ることのないように努力をしている。

 だが、まだ政府の不況対策がはっきりと打ち出されていないため、消費者の意識は非常に厳しいものとなっている。そのため、今は現状維持でも、『今後、授業料を上げる予定は』の項目に「ある」「検討中」との回答が出ているほど、どの塾も厳しい状況が続くと予想している。ただし、逆に下げる予定を検討中であると答えた塾もあり、運営にも試行錯誤が繰り返されている様子が垣間見える。

保護者サービスから新分野講座まで
付加価値は千差万別

 では、現状維持の塾は、どこで付加価値をつけているのか(※図2参照)。定期テスト前の無料講習や自習室開放などは、多くの塾で対応、また、安心メールの配布や母親の数学教室などの各種講演会開講といった、保護者に向けてのサービスを始めている塾もある。だが、やはり塾としては、授業内容で他塾との格差をつけたいのは当然のようだ。「講師の質の向上」「教室長を表彰することで意識向上」「どこでも質問ができるよう、受付にも高い学習能力を持つ学生バイトを配置」など、指導力アップに力を注いでいる塾が目立っている。ただし、「授業料は現状維持だが、授業内容を増やしたために、教材費の増加は避けられない」というサービス拡充が原因での費用アップをした塾もある。

 回答いただいた塾の規模は、通塾生100人以下から1,000人以上までと幅広いが、どの規模であってもこういったサービスは当たり前のように行われているのが現状であり、その分、塾経営が厳しくなっていると思われる。この4月から、東海から首都圏を中心に多くの教室を展開する佐鳴予備校が、小中学生対象の高等理系講座を開始するということが、先日、新聞紙上を飾った。また、栄光ゼミナール(東京)はパートナーシップを結んだ通信教育のZ会と共催で、低学年向けの環境問題を扱う実験教室を開催、進学塾WIN(大阪)では保護者対象教育情報誌を出版、成基学園(京都)では親にコーチング術を指導する『親力向上セミナー』開催など、高実績で有名な大手塾も、続々と付加価値を付けての通塾生増加をねらっている。

 一方で、消費者意識をくすぐることで、生徒獲得に挑む場合も少なくない。多くの塾が「奨学金制度導入」「塾への送迎徹底」「教材費無料」などのわかりやすいお得感を打ち出しているが、中には「塾を1年契約として、次年度継続するかを毎年決めることで、1年間きっちりと通塾させる」という、途中退塾しない工夫を凝らしている塾もある。(※表1参照)

「中1と小3は年間授業料無料」
新たな試みを成功させた進学塾WIN

 今回このアンケートについて、大阪を中心に教室展開を行っている進学塾WINの担当者にインタビューした。

 最近の高校受験では、塾に通い始める中学3年、しかもクラブ活動をやめる夏休み以降からの通塾開始という生徒が増えている。しかし、実力アップにはもっと早い時期から地道に努力する必要がある。この問題の対策として、WINでは5年前から中学1年の授業料を1年間無料(教材費は必要)にするシステムを開始、塾の窓口を広げている。近隣の塾と比較して、中学3年間で20〜50万円の差は大きく、塾生は増加したそうだ。

 「2年進級時になると、費用が発生するからやめるという保護者も実在しますし、クラブと両立する子どもたちの体力の問題などが理由での退塾もありますが、ほとんどの生徒は進級して受講する状態で、現在はほぼ順調に流れています。これを踏まえ、今回小学3年でも同じシステムを導入するつもりでおります」

 ゆとり教育の返上によるカリキュラムの変動・増加で、特に小学生の負担は大きい。その反動が出る前に、学習習慣を身に付けるのが肝心だ。知る喜び・解ける嬉しさを忘れず、勉強は楽しいものという認識を持つことができる最も早い時期である小学3年生を対象とした、この小3一年無料システムは反応が期待できる。

 塾生は10年前と比較すると絶対数が減っているが、それは少子化が原因であり、仕方ないこと。その数値にこだわるよりも、今いる子どもの学習力アップが今後につながっていくのだと、ひとりでも多くの子どもを育て続けたいと展望を語った。

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