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2010/1 塾ジャーナルより一部抜粋

厳しい経済市場での上場は
日本の教育界を進化させる力となる

  株式会社 成学社 / 代表取締役社長 太田 明弘さん  
     
 開成教育セミナー・個別指導学院フリーステップをはじめ、大阪を中心に京都、滋賀など関西での学習塾事業を広く展開する株式会社成学社。2008年に株式上場を果たし、2009年には大阪の中心地に本部ビルを取得するなど、その進歩は大きい。さらに、「今後、日本の教育は欧米型からアジア型へとシフトする」という持論を持つ太田社長の目には、一世紀先の日本の教育がすでに映し出されている。

株式上場のメリットを 存分に活かして安定を

── 以前(2007年)からの再取材となりますが、当時との大きな変化を聞かせてください。

太田 最大の変化は、2008年8月に、ジャスダック上場を達成したことですね。サブプライムローン問題など、世界規模で不安定な経済状況でしたから、上場のメリットも低く、この時期の上場は希少性もあって、ビンテージものだ、とまで噂されたようです。確かに細かな規程が必須であり、準備する書類も高さにすると50cmを超えるほどの手間がかかり、増資などの資本政策も相当大変です。また、審査も厳しく、資金力や業績と同様に、いわゆるステークホルダーを含めて、属性上の問題を抱えていないことを証明するよう求められます。となると、及び腰になる企業があっても不思議ではありません。

── そんな状況の中で、なぜ上場を目指そうと思われたのですか。

太田 大きなメリットは3つあり、ひとつは個人企業からの脱却です。つまり、経営者が一人では、その人間の引退と同時に企業自体が縮小されることも少なくありません。上場することで企業は個人の手を離れ、社内の優秀な社員が将来トップに立って、利潤の追求や将来性のある活動を実践しうる環境が整いますし、継続性の高い経営基盤が確保できるようになるのです。信用度も高くなり、銀行などからの資金調達が以前より易しくなるでしょう。また、上場企業ということで、人材募集の際に応募数が増え、良い人材が入社してくるようになったのが2つ目です。最後に、上場したことで、名前を広く知られるようになり、情報の発信や収集が楽になった。この情報力が3つ目のメリットですね。

── 上場後、社員にも変化はありましたか。

太田 はい。現在、正社員は300人以上ですが、上場することで、労務面でも労働時間や休暇がきっちり就業規程どおり守られるようになりました。そういう面では、非常に良い環境での仕事ができるようになったと言えるのではないでしょうか。

── 経営面での安定はいかがですか。

太田 楽観はできませんが、経営方針として『卵をすべてひとつのカゴに盛らない』ことを心がけています。ひとつのカゴに盛られた卵は、何らかの拍子にそのカゴを落としてしまうと、すべて割れてしまいます。しかし、3つに分けておけば、あとの2つのカゴは助かる。経営でも同じことが言えるのです。成学社の場合ですと、教室展開のかなめを大阪北部・南部・滋賀、学年を小・中・高、事業を個別・クラス・家庭教師派遣と、それぞれ三要素から構成しておくことで、リスクを分散することができるのです。

── その経営の基礎となる生徒数も順調に伸びておられるのですか。

太田 全体の塾生の数は、12月1日に株式を全株取得した株式会社個夢(兵庫県明石市)を含めると、17,000人を超えますが、一教場の生徒数で考えれば、厳しいですね。昭和62年をピークに、子どもの数は4割近く減少しています。ですから、黙っていても生徒が増えた時代のことは忘れ、少ない生徒数でもしっかりと利益が得られる経営システムを構築することが、今後の塾業界に求められる運営方針と考えています。

本社移転と欧米からアジアへ
日本の教育の進化をリードする

── 移転間もない本社社屋(2009年10月・大阪市北区に設立)での取材ですが、こちらを選ばれたのはなぜですか。

太田 8階建てのビルを購入し、各ブロックの本部を統合することで、経理や財務をまとめ、事務作業をスムーズ化させるという目的がひとつ。また、駐車場も広く、会議などで大人数が集まるのにも便利です。何よりも、大阪の一大中心地である梅田にも徒歩十数分で行けるという環境ながら、ECC学園やワオ・コーポレーションさんといった教育関連企業も周辺に多い地域で、心強い気がします。それらの点を考えて、ここしかないと思ったのです。

── 本社移転で総務がスムーズに動くようになれば、教室展開や事業拡大もやりやすくなりますね。

太田 そうですね。しかし、そんなに大きな利益追求や急速な教室拡大は予定していないのです。FC展開も、利潤ばかりを求める参入者が増えることで、教育理念が崩れるのは本意ではありませんから、現在の法人2社以上に増やす気はありません。それよりも、現在の変動する日本の教育環境に合わせた動きを取る計画が、先行だと考えています。

── それはどのような動きですか。

太田 例えば、キリンの首が長いのは、高い所の植物を食べるためと言われていますが、それは自分の意志でそう進化したのか、それとも環境変化がそうさせたのか、という素朴な疑問がありますね。進化にとって大切な点は、意志の力か環境の変化かということです。観念論か唯物論か、と置き換えてもいいかもしれません。日本の教育は今、政権交代、人口の激減による人材不足、中国を中心としたアジアの勢力の増大という大波にさらされ、新しい時代に対応することを求められつつあります。今までの欧米をモデルにした教育から、アジアの一員としての位置づけを基底とした教育を考えていかなければなりません。そのためにも外部環境の変化を先取りし、基礎学力を充実させ、国際競争に負けない技術力を持つ人材の養成を積極的に行い、日本国としての意志の力を高めていくことが大切です。キリンの進化原因をどちらかひとつに求めるのではなく、双方の相乗作用の結果として見ることが、日本の将来を担う子どもたちの教育を考える上で大きなヒントになると思います。

── 成学社としても、その進化をたどるということですね。

太田 そうです。現在、個別指導とクラス授業は、だいたい半数ずつの生徒を持っていますが、そもそも個別指導を導入したのは時代の流れ、環境変化によるものでした。しかし、それだけに止まらずに、その環境変化を先取りして、指導力を進化させていくための努力を重ねてきたことが、当社としての意志の力です。一例として、この春からフリーステップ教育技術研究所を開設し、より専門的に指導力向上に取り組むことにしました。

── 来年度以降の取り組みをお聞きしたいのですが。

太田 今、お話ししたフリーステップ教育技術研究所の開設がひとつ。それと、来年度は高校部門に力を入れて実績を上げ、数年後には小学生・中学生・高校生の割合がすべて同じになるようにしたいですね。一方で、映像事業にも力を入れる予定です。現在、高校生を主体に広く行われているネット授業を小中学生にまで広げ、遠隔地や病気で塾を休んだ生徒にも、正規の授業と同じレベルの指導ができるよう、進めていきます。また、『厳しい経済状況の中で充分な教育を受けさせようと、食費を削って塾費を捻出する保護者がいる』という話を聞き、少しでも負担が減らせればと、学費を下げて対応を図るなど、保護者への対応も考えています。

── さまざまな計画が立てられているのですね。

太田 日本の将来を明るくするために、塾教育ができることは多いと思います。2011年には、大阪の上位10校が学区編成の枠を超えて、受験可能になる上、早晩公立高校の学区制もなくなる可能性もありましすし、少子化やデフレの影響などのマイナス要素はあるにせよ、塾は社会的に必要とされていますから。また、政府も所得による教育格差をなくそうと、子ども手当をはじめとする多種多様な政策を打ち出しています。我々塾側としても、教育立国としての日本の学力の底上げをしていけるよう、全力を尽くすつもりです。

── 今後のご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。

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