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2010/1 塾ジャーナルより一部抜粋

フォーラム
挑戦する私学 期待されるこれからの私学教育

  2009年9月27日(日) 於 国立京都国際会館  
     
 京都府私立中学高等学校連合会主催のフォーラム『挑戦する私学』をテーマに基調講演やパネルディスカッションが、9月27日(日)に国立京都国際会館で開催され、私学関係者のみならず、マスコミや生徒・保護者が集う盛況な会となった。

 大会議場で行われた開会式では、主催者である京都府私立中学高等学校連合会の山本綱義会長が壇上に立ち、「戦後60年、69万人の生徒を輩出してきた私学界が、長引く不況の影響を受け、危機の時代を迎えています。社会から受けているその重要性における信頼に慢心せず、明日の私学教育をどのように伸ばすのかを考える有意義な議論の場として、本日のフォーラムを役立てていただければ光栄です」と語って、開会を宣言した。


基調講演
『真の生きる力を育むために』 〈我々の世界〉と〈我の世界〉と

第5期中央教育審議会委員(文部科学省)
兵庫教育大学長・文学博士
梶田 叡一氏

 政権が交替し、激動する日本では、教育も大きな変革を迎えています。最大の変化は、ここ10年の間行われてきたゆとり教育の終わりでしょう。

 戦後、車開発の先進国と言われたアメリカを抜き、日本は世界のトップに立ちました。これは、日本人の知恵と努力の結集で、車だけでなく、多種の分野で発揮され続けてきました。しかし、90年代に入り、ゆとり教育が始まってからの教育で、このままでは日本全体が国際社会に生き残れないと政府も気付き、昨年1月に文部科学省へ基本的な新指導要領案が提出されたのです。

 今回の指導要領でも、同じ『生きる力』が重視されていますが、以前の『勉強以外のゆとりの中で、生きる力を育む』のではなく、『学習を積み重ねる中で、生きる力を育む』ことに変更されました。これは、豊かな心と健やかな体を持ち、多様な体験と言葉の力を踏まえた、確かな学力を与えられた生徒が持つ『力』です。

 学校とは、有能で責任感を持ったプロの教師が、生徒一人ひとりの『生きる力』を身に付ける場所です。世の中に出てから使える能力を身に付けた上で、どこに進学し、どういう会社に勤め、どのようにして生きていくかを考える力を育成するのです。人間の最終的な目標は、充実した人生を送ることなのだから、学生時代にいろいろなことを感じ取れる力を養って、社会に出てから実践すれば、幸せな人生を送れるでしょう。それを身に付けさせることができるのが、プロの教師だと私は考えます。

 私立学校と公立学校の差は、本来その母体が学校法人であるか、教育委員会かという違いだけです。しかし私学には、公立にはない建学の精神や教育理念を持っています。私学では、その理念に基づく教育を、先程述べたプロの教師たちが実践することで、生徒たちに生きてきたことが良かったと思える人生の土台作りを行ってきました。次は、公立がその教育にチャレンジする番であり、私学はさらに新しい可能性に向かってステージを上がっていかなければなりません。こうして、公立と私立双方が共に切磋琢磨し、絶妙なバランスを取ることができれば、日本の教育は良い方向へ進み出したと言えるのではないでしょうか。


パネルディスカッション
教育は私学から、過去・現在・未来

子どもたち自身が誇れる母校を作る

京都府知事
山田 啓二氏

 京都は東京都と並び、全国的にも私立高校への進学熱の高い地域で、現在も約4割の生徒が私立高校へ進学しています。その中で、中高一貫を取り入れているのが、ほぼ大学附属系の24校。また、宗教を教育に取り入れた学校は41校中23校で、古式ゆかしい街ならではの全人教育を行っています。

 私自身も中学からは私立の中高一貫校の生徒でした。その学生時代、自由な校風の中で自分の個性と力を引き出してくれた先生方は今も尊敬しておりますし、そんな教師と教育理念を持つ自分の母校に誇りを持っています。このように、教員だけでなく生徒一人ひとりが自分たちの学校を作っていくのだと意識し、誇れる母校として成長させていくことが、これからの『選ばれる私学』に求められているのだと考えます。

私立ではなく「共立」で
互いに成長する人間育成を

同志社大学 教授 社会学部長
沖田 行司氏

 私立とは、明治以降の学習制度により作成された新しい言葉です。しかし、どちらかと言えば、学校を運営する人間と学ぶ人間の双方が共に学ぶ、「共立」と言うほうが正しいでしょう。

 江戸時代以前、学習教室は『寺子屋』と呼ばれ、元々、武将の子が兵法や政治などを学ぶ場所としていたものが、一般的に広がったものでした。その学習方法は、個人の能力を引き上げ、互いに助け合う精神を磨くもので、落ちこぼれなどはなかったのです。それが戦後になり、教育基本法が制定された中で一斉授業が始まると、勉強についていけず、置き去りにされた子が現れたのです。まさにここに、私学の生き残る力が存在しているのです。

 一人ひとりの生徒に合わせた指導で、互いに助け合える豊かな人間性を育成する共立の精神。それが私学に求められている人間教育だと思います。

芸術に触れながら育つことで
飽きない学びを得る教育を

第4回 韓国国際版画ビエンナーレ優秀賞受賞
銅版画家
山本 容子氏

 私は中学から中高一貫制の女子校へ進学、そこで洋の東西を問わず文化に触れ、現在の自分の基本となる感性を育みました。また、年齢も出身国も異なる大人の教員が耳を傾けてくれることで、人前で筋道を立てて話すことを覚え、自分が何を主張したいかを考えるようになったのです。こういった情緒面の育成による自己探求は、私学ならではだと思います。

 今の教育現場はよく把握していませんが、勉強することは自分を探すことであるのは変わりません。そして、そのための道具として、さまざまな文化や芸術に触れながら、『飽きない』学びを体験する。これが人を成長させる要因であり、私学にしかできない教育であると私は考えています。

目標へ向かってブレのない教育を

元シンクロナイズドスイミング日本代表
(バルセロナ五輪銅・世界選手権広島アジア大会金)
スポーツコメンテーター
奥野 史子氏

 シンクロナイズドスイミングの選手は、学生時代に水泳部へ入部して体を鍛える生徒がほとんどです。私の入学した私立高校では、その意志を汲んで、水泳部を創設、指導に対応してくれました。この細やかな心遣いが、私自身を成長させてくれ、後に一人で生きていくときにも心の中で強い力を出し続けています。

 こう、と決めたらそこからブレない指導で、生徒をまっすぐに伸ばしていく教育。公立・私立を問わず、日本の若い芽を成長させるためには、それが必要なのだと感じています。

勉強だけでなく底力を鍛えるプラスαの指導を

京都光華アスリートクラブ所属日本陸上競技選手
(3000m障害日本記録保持者)
光華女子学園職員
早狩 実紀氏

 女子校で学んだ経験から、日本古来の女子教育を受けられるということがどれだけ重要かを知っています。そして、その指導の中で、自分のできることややりたいことを叶え、伸ばすには、自身の底力を強くすることも必要と知りました。私学は勉強だけでなく、プラスαとしてこの底力をフォローできると考えます。

 現在、多様な学習メニューを生徒に提供している私学が多くなっていますが、このメニューの内容充実こそ、生徒の底力をアップする鍵となり、生徒を満足させるよい私学へのきっかけになるのではないでしょうか。

公立と私立の学費差を埋めるのは
建学の精神に基づくよりよい教育

日本私立中学高等学校連合会 会長
富士見丘中学校高等学校 校長(東京)
吉田 晋氏

 現在私立校は日本全国に2,000余り。そのどれもが、同じ教育機関でありながら、異なった建学の精神を持って、独自の教育理念に基づいた指導を行っています。生徒自身がその中から自由に選択し、自分の成長に合った学校へ進学できる。それが私学の魅力です。

 私立と公立では、ひとりの生徒に対して、保護者の負担の差は大きい。この差を埋めさせるのもまた、建学の精神に基づくより良い教育です。現在、この差を認め、私学に通っている子どもとその保護者には敬意を表し、彼らの期待を裏切らないよう、私学全体が一層の努力を続ける必要があるでしょう。

生徒が安心して実力を伸ばせる場所であること

(司会)
大谷中学高等学校 校長
真城 義麿氏

 私学が私学であるためには、公立にはない私学の良さを、保護者や生徒にアピールすることが重要です。では、それは何か、そう聞かれたとき、多くの私学関係者が、建学の精神と教育理念と答えるでしょう。私学に携わる者全員が、この2つをしっかりと持ち、その上で生徒が安心して教育を受け、自分に自信を持って、実力を発揮できるような私学であれば、現在の危機を乗り越え、伸びていけると私は信じております。

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