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2009/11 塾ジャーナルより一部抜粋

私学開催の塾対象説明会
アンケート結果

     

 受験生やその保護者が進学先の相談を行う対象として、学校だけでなく、通塾先の塾長や講師などに相談するというケースは、現在では普通に見られる光景である。それだけ、進学に関しては、塾と学校の差がなくなってきていると言えるだろう。この流れを組み、ここ10数年前から、全国の私学で塾対象の学校説明会が実施されるようになった。

 そこで、塾ジャーナルでは、全国の私学が開催する塾対象説明会の実態をつかむべく、塾と私学双方に向けてアンケート調査を行った。5年前の2004年にも同様のアンケート調査を実施しており、その時から比較してどのような動きが起きているのかも同時に考えたい。

 

アンケートから見えてくるもの気合いの入る説明会

 塾長対象説明会についてのアンケートに回答した塾は全部で270塾。その100%、つまり全塾から塾長対象の説明会は必要という意見がそろった。内容に関しては、多くの塾からは学費や大学合格実績、合格基準となる偏差値などについて詳細に教えてほしいとの声が上がっていたが、中には『他校との実績を含めた比較や、入試における得点基準など、保護者説明会では伝えにくい部分を知りたい』『入学後の成績優秀者や不振者への対策、不登校生徒が出たときの学校管理者の対応などを知りたい』という具体的な要望も多く、どの塾もただ塾生を合格させるだけでなく、その後の情報までを把握し、保護者へ報告するように心がけていることがうかがえた。

 配布された資料は、学校案内のパンフレット、過去問や大学実績、ポスター、DVDなどのデータ、ボールペンなどの文具や図書カードなどの粗品の他、通常外部には出てくることのない合格基準偏差値や成績などの情報も渡されることがある。しかし、それでも学校側からは『十分な資料を配布しているのに、これでは不足なので、もっと多様な資料が欲しいと言われた』『相談内容がバラバラで、参加者全員の要望に応えにくい』という意見が出ていた。ただ、これはひとつでも多くの情報を保護者や受験生に提示したいという塾側の希望であり、ひいては、その学校へ進学を希望する生徒に、最後まで責任を持ちたいという塾の姿勢の表れである。

 一方、私学側で今回のアンケートに応えてくれたのは、全国230の学校。その中で、説明会を開催したのは199校。全体の約86%の私学が塾対象説明会を開催しているという結果が出た(下表参照)。5年前の調査(約75%が開催した)と比較しても、私学受験に対して、保護者や生徒だけでなく、私学自身も塾を重視していることがうかがえる。

 説明会の内容はパワーポイントなどを使用した学校説明や受験解説が中心だが、これもかなり多様化している。『塾から送ってもらった生徒がどのような学校生活を過ごしているのかを、入試の合格基準や偏差値とともに報告する』といった生徒の生活重視のパターンもあれば、関西のある私学では『一般の説明会では生徒の学校生活を。塾長対象では受験のプロが聞かれているため、偏差値などを公表、気合いを入れた開催をしている』と受験内容や実績をベースにした説明会を行っている。特に同校は、15年以上にわたり塾長対象説明会を開催している学校だが、それでも、毎年気合いを入れる必要があるほど、塾対象説明会は重視されているのだ。

秋に集中する開催時期
普段付き合いのある学校へ参加を優先

 説明会の開催時期はやはり秋に集中しており、9月が80校、10月が58校と、この2ヵ月で全体の60%を占めている(複数回答あり)。これはこの時期に生徒が進路を決定することが多いためであり、5年前の調査時期にも同様の結果が出ていた。注目すべきは6〜7月の開催が増えたことであろう。全体の31%を占めるこの夏の説明会開催は、生徒の進路決定時期が早くなったという理由だけでなく、早くから少しでも多くの情報を塾に渡すことで、私学を深く知ってほしいという私学側の要望の表れでもある。特に年度内に複数回説明会を開催する私学では、最初の説明会では学校案内に重点を置き、受験が近くなると、実績や受験説明を重視する構成を行っている。そのため、複数回の開催にもかかわらず、毎回100人を超える参加者となっている私学も少なくない。ただし、その開催時間は千差万別で、土曜・日曜日の朝から開催する場合もあれば、平日の夜に開催している学校もある。

 一方、塾側の回答では、開催時期としては6月(29%)や9月(20%)の参加が最も多く、8月は参加した塾関係者がいない。これも『8月は夏期講習や合宿で参加しにくい、別の月にやってほしい』というのが塾側の本音であろう。また、アンケート調査を行った時期が初夏だったため、10月以降の回答は奮わなかったが、実際に参加したある塾長のスケジュールは、9月〜10月のほとんどが塾長対象の説明会で埋めつくされており、休日は全くない状態である。しかし、この時期はどうしてもバッティングするため、講師陣で分担して参加するが、人数が足りない場合は、付き合いのある学校を優先してしまうこともある。説明会当日だけでなく、普段から塾に対し、コミュニケーションを多くとっているかが重要となるという結果が明らかになっている。

場所の広さや説明会内容で多様化する開催場所

 開催場所の最多は私学校内で全体の69%。ホテルでの開催は27%と低かった。塾側のアンケート結果〔Q.参加場所はどこでしたか〕でも、学校とホテルは45%と41%でほぼ互角。塾説と基調講演を同時に開催する場合もあり、説明会の内容によって学校とホテルを各々使用していると思われる。

 昨今では塾のほうから『学校の雰囲気や卒塾生の姿を実際に見たい』という意見が多く、学校での開催に重きが置かれているようだ。事実、学校で開催し、生徒たちの学ぶ場所を見たり、授業参観ができたと、塾側から感想をもらった私学も少なくない。ただ、来場者の数や駐車場の確保などを考えると、決してどちらのほうが良いとは一概には言えない。地域によっては、大型施設のほうが便利であることも、校外での開催を決める要因となっている。

 そんな中で、校内での開催ということで、生徒が説明会に登場したのだが、これが思わぬ好評を得たと語る私学があった。その学校とは異なるが、毎年受験パンフと同時に学校案内を作成しているある私学では、学校案内に塾長と在学している卒塾生の対談を載せている。どの年度の生徒も、塾長の前に座ると砕けた雰囲気になり、自分の今を一生懸命話している。これからもわかるように、受験という子どもたちにとって最もつらく厳しい時期を共に過ごしてきた塾と塾生との間には、かなり強いつながりが存在する。

 私学としては、塾が単に生徒を右から左へ送り出す機関なのではなく、生徒一人ひとりを大事に育ててきた教育者から、その育成を引き継ぐと考えなければならない。そして、その考えのもと、説明会を開催すれば、どの時期にどのような内容で、どういった情報が必要とされるのかが自ずとわかるのかも知れない。

塾と私学双方がコミュニケーションを取れる説明会を

 一度の塾対象説明会に参加する人数もまた、地域や時期により多様である。しかし、最も多かったのは101人以上(45%)であるという結果からも、私学への関心の高さが読み取れる。新政権が確立したところで、政府そのものの根本が揺れている現在の日本では、目の前の問題を回避するので精一杯であり、ゆとり教育の改善に早々手が回るとは思えない。改革が行われるのは、早くとも数年後になるだろうという諦めに似た状態が、多くの保護者や生徒に現れているのが原因だ。

 一方で、私学自体もさまざまな特色を打ち出し、生徒の将来の選択肢を広げる努力を進めている。だが、こういった努力は広く知られないと生徒獲得にはつながらない。また、塾も年々変化する私学界が、現状どのような対策を打ち出しているのかをリアルタイムで情報確保する必要がある。塾対象説明会はその相互の欲求を満たす情報の交換場所であり、普段はあまり顔を合わせることのない塾と私学関係者との良い交流場所であるとも言えよう。

 しかし、公立進学熱がかなり高く、私学は昔ながらの【滑り止め】の感性が根強い地域もある。中には『塾は公立校合格者の増加しか考えていない。そういった塾を対象にした説明会は、私学にとって益が少ない』という辛辣な意見もある。ただ、少ない来場者のために説明会を開くことはしないが、『塾関係者は一般説明会に来ていただきますが、要請があれば、塾舎に出向いて説明を行う』という私学の意見にも見られるように、生徒のことを第一に考える姿勢は、塾も私学も同じだ。

 今年度説明会を行った私学のうち、告知をDMで行った私学は全体の51%。それに次いで多いのが、直接訪問(36%)である。多くの私学が、数多くある塾を一件一件訪問して、告知と参加につなぐという努力を行っているのだ。また、『朝9時半では早過ぎると指摘された』『土曜の朝10時半は失敗、平日の遅い時間にすべきだった』『時間が長過ぎたり内容が悪いと、即批判が出るので、慎重に検討している』と、開催時間においても細やかな配慮をしている私学は少なくない。内容に関しても、『中学と高校で一緒に説明会を行った際に、別々にしてほしいとの要望があり、今年度はそうした。が、来年度はまた一緒に、という意見もあり、検討中』『姉妹校3校合同の説明会を開催したので、単独よりも多くの方に来てもらえた』『塾によって求められる説明内容がさまざま。どう対応していくかが今後の課題』などの意見から見られるように、塾が参加しやすい工夫が凝らされている。

塾対象説明会がもつ大きな役目

 これだけの数の塾長対象説明会が行われているため、トラブルや反省点も種々様々。『入試説明に時間を取られ、学校案内が不十分に終わった』『費用がかかり過ぎて、他の広報費を圧迫した』『最寄り駅からの道案内や会場内での電源などのトラブルが起きた』などの声が聞こえた。ただし、これは私学側だけの責任とは一概に言えない。塾側に当初駐車場がないことや参加申し込み時期を通達してあったにもかかわらず、『申し込みのない当日参加者が多く、結果、会場が狭くなった』『車を止める場所がないと苦情が出た』という意見も少なからずあるのだ。これは、いまだ塾側は生徒を『私学に紹介する立場』であり、私学は『生徒を紹介していただく立場』という概念が抜けないことが、こういったトラブルの原因のひとつである。塾と私学がもっと連絡を密にし、互いに受験生を導く存在であることを考えるなら、こういう問題はある程度減っていくことになるだろう。中には、『塾の連合の会議と日程が重なり、参加者の数が予想を大きく下回った』という意見も出たが、これもまた、塾側との連携が取れていれば、防げるミスだったと思われる。

 塾が私学の生徒募集に大きな役目を果たしているのは、今回の調査結果でもはっきりと出ている。開催した私学の72%が『説明会は生徒入学に効果あり』と回答し、残り28%は『まだわからない』という回答。効果がないと答えた私学は一校もなかった。また、来年度以降は、未定ながらも開催予定があると答えた私学は全体の97%。今年度開催していないが、来年は考えているという私学も見受けられた。

 『塾対象の成果はとても大きい。特に小学6年生への入学勧誘は、塾の先生の進路へのアドバイスによるものが大きいのです』という意見からも見られるように、塾が受験生に与える影響は大きい。その塾と私学との交流の場として、塾対象説明会は、なくてはならない場となっている。私学側では塾との個別相談の時間も取り、『毎年来てくださる塾関係者にも満足してもらえる説明会を企画立案している』『塾に少しでも多く情報を提供しようと、開催日を早めて、塾側に歓迎された』という前向きな意見が多い。結果、多様な企画構成で興味を引くよりも、純粋に自分の学校を知ってほしいという願いを持った私学の多くが、説明会を成功させているようだ。私学と塾が相互にコミュニケーションをうまくとり、生徒たちをより良く導いていくことができるような場として、今後の説明会が開催されていくことを期待したい。

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