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2009/7 塾ジャーナルより一部抜粋

通信制高校 特集3
〜クラーク記念国際高等学校 横浜キャンパスに聞く
進学実績と生活指導の充実で生徒数を増やし続ける通信制高校 〜

     
 通信制高校のメリットを生かし、全日制に匹敵する授業数で進学実績を伸ばしているクラーク記念国際高等学校横浜キャンパスを訪ねた。生活指導の徹底が、安心して通える高校を印象づけ、120名の定員に対し、今春157人が入学してきた。週5日の授業の他に土曜の選択授業で理系教科の充実を図るなど、国公立大への進学指導にも力を入れている。開校から17年、「進学に有利な通信制」で、他の通信制高校をリードしている。
校 長: 三浦 雄一郎
住 所: 〒078-0151 北海道深川市納内町3丁目2-40
電 話: 0164-24-2001
学生数: 約12,000名 (2009.7.1現在)
ホームページ: http://www.clark.ed.jp
横浜キャンパス (他 全国55の拠点)
住 所: 〒220-0021 神奈川県横浜市西区桜木町4-17-1
電 話: 045-224-8501
交 通: 市営地下鉄「桜木町」駅・JR「桜木町」駅から徒歩5分
ホームページ: http://www.clark.ed.jp/yokohama/

全日制高校に代わる
新たな進学モデルとしての通信制高校

 全国に55のキャンパス、分室を有するクラーク記念国際高等学校。在籍する生徒は約1万2千人。開校以来17年、通信制高等学校のメリットを最大限に生かしたカリキュラムが人気を呼んでいる。近年では、公立の全日制高校が単位制へと衣替えをし、はっきりと進学校を標榜する学校も現れ始めた。こうしたケースは柔軟なカリキュラム編成が進学に有利に働くからだ。

 今年11年目を迎えた横浜キャンパスでも、昨春の入学者が157人と、定員の120名を大きく上回り、新たなニーズを証明する形となった。全日制課程に比べ、通信制はカリキュラム編成上の規制がゆるやかなことから、幅広い選択授業を展開することが可能だ。そのため、全日制高校から大学へというこれまで一般的だった進学モデルから、通信制高校から大学へという進学モデルにシフトする生徒が徐々に増え始めているのだ。

 同校横浜キャンパスでは、在宅あるいは週1日だけ通学する「単位型コース」と週5日通学する「全日型コース」を設けているが、圧倒的に全日型に生徒が集まっている。全校生徒数550人のうち、全日型に通う生徒は404人である。
これまで通信制に多く見られた年度途中の転入生は、年間、ほんの数人にとどまっている。昨年度は1年生の98%が4月に入学した。このことは、最初から通信制を目指している生徒が多いことを物語っている。

 同校キャンパス長の榮永昌宏氏は、「首都圏ではすでに、これまで私立高校全日制を選んでいた生徒の選択肢に通信制が加わった」と分析する。そうなると、生活指導面でも全日制と同等もしくはそれ以上のクオリティーが求められるわけで、「本キャンパスでは髪染め、ピアスなど厳禁。労力は要りますが、服装指導も徹底しています」と安心して通えるキャンパスを創り上げている。

厚みのある進路指導1年から授業で実践

 卒業生の進路に注目すると、大学進学50%、専門学校進学48%、就職2%となっている。そこで、力を入れているのが進路指導だ。全国の大学の指定校推薦は、その一覧が1冊の分厚い本になるほどの数を確保しているが、一般入試はもちろん、AO入試や面接試験への対応策も授業として取り組んでいる。

 1年次には「プレゼン」「小論文」の特別授業が各1時間ずつ行われる。中学時代に不登校を経験した生徒も、プレゼンの授業を通して対人関係を克服し、進学への意欲、自信をつけさせるねらいがある。小論文は大学のAO入試対策の一つとして、早めに取り組んでいるもの。また、キャリア教育の一環として、さまざまな職業体験や職業研究を授業に取り入れるのも1年次からだ。
2年になると、それらの授業に「進路」という授業が追加される。この授業では大学入試情報の詳細に実際に触れ、基本的な面接試験の受け方や、そこで問われることが多い社会常識も身に付けていく。
3年の「進路」では、最近、就職試験などで増えているブレーンストーミングや集団討論に慣れるための授業が行われる。取り組む時期が早いため、3年進学時点で進路が未定という生徒はいないという。

 授業外では、進路ガイダンスを年3回実施している。各大学や専門学校の教員、担当者を招いて学校情報の提供を受けている。「首都圏の一般的な全日制高校よりも進路指導に力を入れていると思う」と、榮永キャンパス長は自信を見せる。1学年150人と少人数のため、教員は一人ひとりの進路希望を把握しやすく、指導が行き届くというメリットもある。

通信制高校から国立大へ

 大学進学希望者が年々増え続けていることを受け、全日型・総合進学コースの中に、「難関大学現役合格専攻」というクラスを設けた。現1年生で同クラスに籍を置く生徒は25人。土曜も通学し、予備校講師による英語と国語の受験指導を選択授業として受けている。
受験指導もさることながら、通常の授業のクオリティーも重視している。そのために設けられているのが、教員全員が参加する研修制度だ。教員は毎年、各専門教科の学科試験を課せられ、模擬授業の審査を受けることになっている。模擬授業での観点は、正確さ、わかりやすさ、引きつけるトーク力、構成力など。万一、不合格の場合は、教員は教壇を降り、改善のための研修を受けることが義務付けられている厳格な制度だ。

 研修ではミドルリーダーと呼ばれる模範的な授業を行う教員(横浜キャンパスは4人在籍)によって、改善指導がなされる。全国のキャンパスのミドルリーダーたちが一堂に集まって、よりわかりやすく、魅力的な授業研究を行うための会議も開催されている。全国展開しているマンモス校だから可能な制度といえる。

 同校のさまざまな取り組みは、かつての「働きながら学べる通信制高校」の印象を大きく変えさせた。これまでの通信制の役割を堅持しながら、進学校としてのニーズに見事に答え始めている。
「今後は、国立大学を中心とした合格実績をあげていきたい」と意欲的に語る榮永キャンパス長。そのために理系科目を充実させる対策を練り始めるという。対策が一つ進むごとに、通信制高校への期待は今後も高まるだろう。

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