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2008/9 塾ジャーナルより一部抜粋

塾の日フェスティバル2008 in 東京

  開催日:2008年10月12日(日) / 会場:ヒルトン東京
主催:社団法人全国学習塾協会 / 後援:経済産業省
 
     

1998年、塾業界初の公益法人として設立された社団法人全国学習塾協会。これを記念して10月9日を塾の日とし、毎年「塾の日フェスティバル」が開催されてきた。2008年の今年は、設立20周年記念大会。300人近い参加者が集まり、華やかな式典となった。

 第1部の「塾の日記念式典」は永年勤続職員や優秀塾生を表彰、読書作文コンクールでは優秀な成績を収めた塾生たちの栄誉を称えたほか、「功労者特別表彰」もあった。第2部は「音楽と写真で綴る2つの“J”の20年」をテーマにオーケストラによる演奏と、特別企画「スーパー講師3人による授業公開」。さらに「授業において大切なもの」と題し、玉川大学文学部・山口榮一教授の講演も行われた。

第1部「塾の日記念式典」
会長式辞
社団法人全国学習塾協会会長 伊藤 政倫氏

 社団法人全国学習塾協会は誕生しまして、本日で満20年になります。20年前、学習塾の社会的地位向上を目指して、実に多くの先輩方が崇高な精神をもって、協会の設立を果たされました。当時のことを考えますと、先生方は強い情熱の心を持って、産みの苦しみを味わわれたことと思います。

 本日お越しのとりわけ若い塾の先生方は、大先輩の砂を噛むような努力によって、私たちの現在が築かれていることを忘れてはいけません。全国津々浦々の学習塾で日夜戦う先生方、塾を営んできた先人の努力。それがなければ、この20年の歴史はなかったと思います。この「塾人の魂」を、今後は私たちが若いなりに受け継いでいきます。

 最後に、当協会は皆様によって育てられ、日本の教育界と共に成長してまいります。

 日本の伝統的な「教育力」は世界に誇る財産です。今後、学習塾はこの教育力を他の教育機関と連携しながら、次世代に伝えていきたいと思います。

第2部 stage1
「音楽と写真で綴る2つの“J”の20年」

 日本の歴史の“J”と、塾の歴史の“J”の年譜を、映像と音楽で振り返った「音楽と写真で綴る2つの“J”の20年」。

 過去50年の日本の変遷と、当時の塾を取り巻く環境、時代のうねりに苦悩する塾人の努力。それらを映像で紹介しながら、聖徳大学レディースウインドオーケストラが時代時代にマッチした曲を熱演。「ふるさと」を会場全体で歌うシーンでは、眼頭を熱くしている先生方の姿も見られた。

第2部 stage2
授業公開! スーパー講師をめざして

 三人の選抜された学習塾講師が、ライブ授業を展開したstage2。学習塾にとって「授業は命」。合格させることは大切だが「子どもたちの人間性を育てること」も求められている昨今、学習塾にとって一番重要視される「授業」をライブで行うという画期的な企画だった。講師は舞台上で中学3年生の生徒たちと向き合い、リアル感あふれる展開になった。

 社会を担当したのは学習塾講師歴35年、都内の中学・高校の講師を歴任してきた長原昌弘氏。暗記の多い社会の問題を「どれが出題されるか、されないか」を明確に分析。生徒への受験に対する不安を和らげるような言葉掛けが印象的だった。また、降水量や気温に関する問題の解説をしながらも、「こうした問題を通して、水の大切さ、日本の水資源についても考えてほしい」と締めくくった。
  理科担当は鈴木幸広氏。講師歴は25年。電流の実験についての設問に「実は理科の問題は問題文がとても長い。まず何を言っているのか理解することがポイント」と解説。短い時間ながら多くの生徒に質問をし、復習の大切さを伝えていた。

 国語担当は酒井智枝美氏。古典「徒然草」を取り上げた現代文を読み解く問題を、テンポ良く進めた。また、選択肢に迷ったときの解決法も明快に説明。古典の混じった文章を読み解くキーポイントとして、「古典はいつ、どんな時代に書かれたかを思えば、理解しやすい」と、時代背景を含めた考え方も提案した。

子どもたちが語る「ぼくたちにとっての塾」

のびのび学習教室 Aさん
  この塾に入っていいなと思ったことは2つあります。ひとつはわからなかったことをすぐに解決してくれること。特に数学は、私の苦手科目なので助かりました。もうひとつは、社会の状況や身近なことを話してくれることです。私にとって勉強は、知れば知るほど、理解すればするほど、楽しいものになりました。これから受験勉強に入りますが、私はあまり不安を感じていません。塾でピンポイントのところを教えてくれるし、安心して勉強できます。この塾でよかったと思います」
 
学習プラザのBさん
  「最初から、勉強をしても将来の役には立たないと決めつけていた私は、塾なんか勉強ばかりで、楽しくないと思っていました。しかし、塾と出会い、その考えは180度変わりました。先生方のわかりやすく面白い授業は、勉強に興味を持つことができ、自然と頭の中に入ってきました。毛嫌いしていた数学が好きになれたのも、この塾と出会ったこと、熱心に指導してくださる先生方、よき友であるクラスのみんなのおかげだと思います」

武蔵野実践学園のCさん
  「私が塾に通っていてよかったと思うことは、学校で教わらないことも教えてもらえるということです。また、家ではやる気が出なかったり、自分ではどうしてもわからなかったりした時に塾に行って、先生に教えてもらえるとよくわかります。
  塾は自分の知識を広げようと思っていけば、とても面白いところです。私はこれからも知識の向上のために頑張っていきたいと思います」

「授業において大切なもの」
玉川大学 教育学部 教授 山口 榮一氏

 「授業において大切なこと」と問われば、私は「やる気とReflection」を高めることだと答えます。ReflectionとはPISA(OECDの学力評価プログラム)の目的とするところで、「正しいかどうかを自分で確かめること、与えられた公式や方法を応用するだけでなく、変化に対応し、経験から学び、批判的に問い直しながら思考し、行動すること」と定義されていますが、私は「よさや正しさを納得できるまで問い直す」ととらえています。

 Reflectionを高める意義は、学習への3つのアプローチとの関係で考えるとわかりやすい。N. Entwistleによれば、1つは「Surface Learning」(現在の課題を何とかこなすことだけを目的とする)、2つは「Strategic Learning」(現在の課題をできるだけ効率よくこなし、よい結果を得ることを目的とする)、3つは「Deep Learning」(現在の課題を手掛かりとして、より深く理解しようとする)です。子どもたちばかりでなく、大学生でもどう勉強をしていいのかわからない者が少なくありません。そうした子どもや学生はSurfaceのレベルにいるのです。

 成績の向上を目的とする学習塾の授業は一般に「Strategic Learning」を志向していると言えるでしょう。勉強の仕方もわからない学生や子どもをStrategicにすることは、意味のあることです。しかし、本来は「Deep Learning」を目指したい。学校も塾もそれは同じです。点数をとりにいくStrategicな志向を目的としない学校の授業はDeepを目指していますが、Surfaceなレベルに留まっている子どもたちが少なくない。一方、塾の授業はStrategyを教える意義はあるけれども、それにとどまっていることが、結果として「教育的ではない」という批判を受けるのです。私はStrategicでありながら、「もっと深くわかりたい」という意欲を期待することが、塾の目指すポイントがあるように思います。

 やる気(motivation)を高めることの意義は、勉強に必要なSelf Controlを左右する点です。自分をコントロールすることによって、ターゲットへの集中力が上がれば、結果もよくなります。「できた」という経験は、生きる自信(Self Esteem:自分を価値あるものとして認める)につながります。また、Self Controlは、自分の学習をチェックすることも含んでいます。「自分が正解に向かっているか」をモニターすることはReflectionの働きの重要な側面です。Self Controlという認知的な側面と、Self Esteemという情意的側面は、勉強を通して深く結びついています。

 私は研究と教育で、学習困難な子どもたちを教える一方で、算数オリンピックに出場するレベルの『できすぎる』子どもたちを観察しています。この2つのケースは、普通の子どもたちの両極にあって、どちらも学校ではなかなか対応しきれない事例です。算数オリンピックレベルの子どもたちは、Self Controlがきわめて高いことは言うまでもありません。彼らはとにかくよく考え、ヒントも求めず、自分で答えを導くことができます。一方、やる気の低下している学習困難な子どもたちのケースも興味深いです。ある子どもの例ですが、漢字の学習成果が上がらなかったので、お絵描き歌のように学ぶ方法をとろうとしました。すると、絵を描くことが好きだったその子は、「自分に描かせてほしい」とイラストを描き始めました。その結果は目覚ましいものでした。自分が主体になれたということが、Self Controlを上げ、結果を向上させたのです。学習者のニーズに対応することが教育の基本です。こうした子どもたちに必要なのは、そのニーズに応じた教育ですが、現状の学校ではなかなか困難です。外部の学習塾や個人指導の社会的な役割は少なくありません。

 PISAが提唱することで、Reflectionは目新しいものとなりました。体験を重視するような方法が強調されることも少なくありません。しかし、教育では目新しいものではありません。私たちの従来の授業を問い直すことで、改善が可能です。算数オリンピックの子どもたちが、体験重視の学習で生まれたわけではありません。彼らのニーズにあった学習と彼らにあった教材が彼らのReflectionを高めたのです。漢字の学習に困難をもつ子どもも同じです。自分で考えるように動機づけられている子どもたちはreflectiveなのです。

 PISAの背後には、知識ベースの社会の構築があります。ここでは、「情報」と「知識」の違いを理解することが大切です。「情報」の目的は「役に立つかどうか」であり、認知的には「覚える」ものです。一方、「知識」の関心は「正しいかどうか」であり、「理解する」「探究する」といった行為を必要とします。覚えたことは忘れてしまいますが、探究したことは忘れません。知識化社会と情報化社会は異なるのです。

 したがって、やる気とreflectionを高めるために求められるのは、第一に、学習者のニーズを理解することであり、第二に、彼らがおもしろがって取り組めるような教材を用意することです。教材のおもしろさを通して、解くことへの興味を高め、勉強を「やらされている」状態から、主体的な取り組みに変えるのです。子どもたちの中にあるStrategic が、Deep へと変化するのは、こうすればこうなる、というわけにはいかないとしても、知的な興奮をもたらす教材は、その手がかりとなるはずです。

 塾が授業を通してSurfaceな子どもをStrategicに変えるだけでなく、Deepな子どもを作ることを期待します。

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