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2008/7 塾ジャーナルより一部抜粋

数学を学んで「知の財産」を貯めよう!

 

財団法人日本数学検定協会  松本 精一

 
 

 今回は、第143回実用数学技能検定3級〜5級2次:数理技能検定の共通問題を取り上げました。数学の教科書で扱うような問題ではなく、理科(生物)との関連問題です。検定会場で初めて問題に触れ、その場で内容を理解しなければなりません。
表の中に多くの情報が与えられていますが、問題を解くために必要なのはそのうちの一部です。情報化社会ではインターネット等を通して、無数の情報が流れています。これらの中には必要な情報もあれば必要でない情報もありますし、また正しくない情報もあります。このような社会を生き抜くためには必要な情報、正しい情報を選び抜く力が不可欠です。

(1)は最終生存率を求める問題です。最終生存率の計算方法は問題文に提示されていますので、問題文を読み取り、必要な情報を表中から選び出して計算式に当てはめれば解答が得られます。4級・3級の正答率は70%を超えています。受検者の多くが問題文を正しく読み取ることができました。

(2)は記述式の問題です。計算結果を判断の材料として、自分の考えを説明することが必要です。(1)は計算式に代入するだけで答えが得られますが、(2)では最終生存率の意味を理解するとともに、生物の繁殖についてもある程度の知識がないと、正しい解答が得られません。つまり、科学的な知識と考え方が必要になります。この問題の正答率は5級・4級・3級ともに20%を下回っています。これらの階級としてはかなり低い数値です。誤答としては、1000個の0.2%が正しく計算できない。つまり、0.2%を小数にしていない、あるいは小数にするとき正しく0.002となっていない。また、1000個の0.2%を2匹と求められても、この2匹から卵が1000個生まれるならば初めの状態と変わらないことまで考えが及ばず、2匹、4匹、8匹、…と増えていくと結論付けている答案が見られました。

教科書、参考書でよく扱われている問題は、その問題に慣れてしまえば問題文を細かく読まなくても何を問われているかが分かるようになります。しかし、今回の問題はこのときの検定のために作られた問題ですので、説明を十分に読み取らないと設問の意味が理解できません。

数学を科学技術の基盤であるととらえるならば、数学を活用するために、数学の知識と他の科学の知識を融合することが必須です。環境問題は地球規模の問題ですが、これらを解決するためには科学を総動員しなければなりません。数検財団では、「数検」を受検することによって、新たな知識を得られるような問題が必要であると考えていますので、今後も物理(工学)、化学、生物、地学等科学と関連した問題を出題していきたいと思っています。

 

 
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