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2008/7 塾ジャーナルより一部抜粋

日本教育者セミナー姫路大会「ビジネスの心を学ぶ」

  2008年4月16日(水)・17日(木) /於 ホテルサンシャイン青山(兵庫県姫路市)
主催 日本教育者セミナー
 
     
全国各地の私学と学習塾が参加する日本教育者セミナーは、4月16日(水)・17日(木)の両日、姫路市において春のセミナーを開催した。このセミナーでは、毎回多彩なゲストによる講演が行われ、広い視野から教育事業を考える機会となっている。今回は「ビジネスの心」に焦点を当て、「ビジネスと倫理」や「人間の底力を養う」など、全4講座が用意された。会場には私学や学習塾関係者ら約50人が集まり、講師の話にじっくりと聞き入った。

【第1日目】

 姫路大会は、岡村寛三郎理事長の開会挨拶で幕を開けた。挨拶の中で岡村理事長は、「10数年前に大阪クラブという名称でスタートしたときから、全国に参加者を求めてきた。学習塾も地域に閉じこもることなく、ネットワークを広げて多面的に活動するところが強い。この機会に互いのノウハウを交換し合い、幅広く奥深く学んでいただきたい」と語った。

 セミナーの最初は、社団法人倫理研究所のスーパーバイザー・高橋邦明氏が「ビジネスと倫理」と題して講演した。社団法人倫理研究所は、文部科学省生涯学習政策局が所管する民間の社会教育団体。「純粋倫理」をベースに、教育や出版等の活動を通じて、生涯学習を推進している。

■第1講座「ビジネスと倫理」

社団法人倫理研究所 高橋邦明氏

 家庭や学校、職場における道徳の荒廃と倫理性の欠如。連日報道される目を疑いたくなるような事件の数々。いま私たちを取り巻く環境のすべてで、モラルハザードが起きていると言われています。住みやすい社会を築くために、今こそ身近なところから倫理性を確立していかなければなりません。
  私たちは経営にかかわっています。経営の「経」はお経の経と同じ。社是や社訓に当たるものですから、時代や場所が変わっても変えてはなりません。一方「営」は才能や行動です。時代や場所に応じて変えていくべきものです。経営には、この「経」と「営」の両方が揃っていなければなりません。

 才能や行動力に優れ、会社を大きくして利益を上げたとしても、徳がなければやがてすべてが水の泡になるでしょう。「才は徳に及ばず」という言葉があります。もし「経」と「営」のどちらかを選べと言われたら「経」をとるべきです。堅実に徳を積みながらビジネスを遂行していくことが大事です。

 一般的に、ビジネスには「人・物・金」が必要と言われています。しかし本日は、倫理の面からビジネスに必要なことをお話したいと思います。

 その第1は「言葉」。言葉は非常に大切です。私たちが発した言葉通りに、自分も周囲も変わっていきます。したがって、逆境のときほど、前向きの明るい言葉を使わなければなりません。言葉の中でも、挨拶は「人と人を結ぶ金の鎖」。大きな価値があります。「挨拶は上から下から心から」という言葉があるように、社長から社員へ、先生から生徒へ挨拶すると効果的です。自分から進んで挨拶していけば、家庭や職場が明るくほのぼのとしていきます。

 ビジネスに必要な第2は、「夫婦の協力」です。現在日本には約290万の法人が存在し、平均して1年間に1万2千社が倒産しています。ある保険会社が、倒産企業の経営者を対象としたアンケートで、倒産の原因を複数回答で答えてもらったところ、およそ80%の人が「夫婦の不仲」を挙げました。また、倒産から再起できた人の80%が「妻のおかげ」と答えたそうです。これは、経営と夫婦が密接に関係していることを示しています。夫婦が力を合わせて商売を発展させていけば、盤石の基盤を築くことができるでしょう。

 第3は「親への感謝」です。倫理研究所の創設者である丸山敏雄は、昭和26年の誕生日に、職員に対して次のように述べました。「父母はわたくしの生命の根源である。父母なくしてわたくしたちの生命はない。父の生命賦与の恩を思い、母の深い愛情に泣いて、人はまことの純情にかえり、その本性を現わし、個性を発揚して、もろもろの悩みやすべての不幸をも一掃することができるのである」。この言葉が浸透し、倫理研究所では、自分の誕生日を親に感謝する日と位置づける人が増えています。そして親に限らず、私たちは恩の意識を持たなければなりません。恩意識の程度が人間の程度です。

 また、丸山敏雄は仕事についても、「自ら軽んじる心を持つ働きを人が賤しいと思い、自ら重んずる職業を人が尊ぶのである」と述べています。どんな仕事であっても、社会に役立っているのだと思えば、周りの人がそのように評価してくれます。

 いま私たち中小企業の経営環境は厳しい状況にあります。しかし、親に感謝し、仕事に誇りをもって前進していけば、希望の光が見えてくるのではないでしょうか。人生は一度きり。二度とやり直しはききません。だとしたら、現在の仕事を天職と思って働いて、見事な人生を送ろうではありませんか。皆さまの事業がますます発展することをお祈りいたします。

■第2講座 「ベネッセと学習塾の提携」

 第2講座では、株式会社ベネッセコーポレーション義務教育事業本部の浅野剛氏による講演が行われた。

 ベネッセは2006年にお茶の水ゼミナールを、昨年6月には東京個別指導学院を連結子会社化し、学習塾との業務提携を進めている。浅野氏は、昨年8月にベネッセより東京個別に出向。提携業務を担っている。

 講演では、両社の業務提携によるシナジー効果を中心に解説した。今年1月、東京個別は中間決算説明会において「ベネッセとのシナジー施策」として、@「商品・サービスの強化」、A「顧客接点の拡大(営業力強化)」、B「ブランド力向上」を掲げた。

 第1の「商品・サービスの強化」では、ベネッセからの進学情報の提供や、ベネッセが全国各地で開催する「進学フェア」などのイベントへのジョイントがある。第2の営業面では、進研ゼミを途中退会した人へDMを送付。東京個別での学習相談会に来てもらうなど、新しい方法がとられ始めている。第3の「ブランド力の向上」としては、両社間での人材交流と東京個別の人事評価制度の見直しが挙げられている。

 その他、進研ゼミ高校講座の卒業生から個別指導の講師を募集したり、社員の採用をベネッセグループとして行うなど、さまざまな面で提携が進んでいる。さらに協業戦略のひとつとして、オリジナルLMS(Learning Management System)の開発・導入が検討されている。これは、子どもがいつ、どんなタイミングで、どのような勉強をしているのか、成果はどうであったかを記録に残し、次の指導に役立てていくというもの。子どもの学習管理をシステム化するという大きな取り組みである。
  最後に浅野氏は、「企業文化の違いを理解しながら、効果的に業務提携を進めていきたい」と意欲を語った。


【第2日目】

■第3講座 「私塾の役割・民間教育の心」

 研修2日目の最初は、株式会社エムシーエス生涯学習センター代表取締役社長・学校法人龍澤学館理事長の龍澤正美氏が「民間教育の心」をテーマに講演した。

 龍澤学館グループは岩手県盛岡市において、幼稚園や高等学校・専門学校・学習塾・予備校を運営している。

 講演に先立ち、龍澤学館が運営する盛岡中央高等学校の紹介ビデオが上映された。同校は1993年に特進クラスを開設し、学校改革を本格的にスタートさせた。2003年には、高校としては全国で初めて品質管理の国際標準規格ISO9001を取得。具体的な教育目標を掲げて、教育レベルの向上を図ってきた。

 現在では、岩手県内一の受験者数と在籍者数を誇る。今春は、2年連続で東京大学に合格者を出し、国公立大学に81人が合格した。

 ISO9001取得の動機を龍澤氏は、「高校というところは、みな自分勝手に授業していて、学習塾から見ると閉鎖的な部分がある。これを何とかしたいと思った」と語る。教職員が反対する中で、ISO9001の「顧客満足度」や「品質向上」など、それまで馴染みのなかった言葉は、生徒満足度や指導力の向上へと置き換えられていった。

 またISO9001取得のもうひとつの狙いとして、3年に1度実施される外部監査がある。学校の内部監査は信用できない。できない理由を探して、「一生懸命やったができなかった。仕方ない」で済ましてしまうからだ。しかし外部監査では、外部の人間から文句を言われ、言い訳は通用しない。龍澤氏は「これが最大のメリット」という。

 最後に龍澤氏は、「地方は保守的で官尊民卑。毎日のように役所や公立学校とのギャップを感じて腹立たしい思いがする。しかし、だからこそ気づくこともある。創意工夫と実行力をもってすれば世の中は開けていく。教育とは、伸ばすべきものはどんどん伸ばし、手をかけるべきものは広い目で見てやる。これが教育の心であり、民間教育でなければできないこと」と語り、講演を終えた。

 続いて第4講座では、財団法人松下政経塾において塾頭を務めた上甲晃氏が、松下幸之助氏の「人づくり」について語った。

■第4講座 「人間の底力を養う」

志ネットワーク・青年塾代表 上甲 晃氏

人づくりのキーワード

 私は1965年に松下電器に入社し、1981年から松下政経塾に出向して、現場の責任者として14年間務めました。

 松下電器は人を育てるのに熱心な会社です。昭和30年代には「二流三流の人を集めて、一流の仕事をさせる」と言われていました。松下幸之助は「知識や技術は道具にすぎない。道具を使う人自身が人間として立派でなければよい仕事はできない」という考えでした。

 松下幸之助が人を育てるキーワードは「自分の頭で考えなはれ」です。

 松下政経塾も人づくりの基本指針は「自修自得」。自ら問いを発し、自ら答えをつかむのです。そして、勉強の仕方は「万事研修」。自分で問題意識をもって何かをつかもうとすると、すべてが学びとなります。ですから、松下政経塾にはいわゆる先生は1人もいません。

 松下政経塾は全寮制です。私は松下幸之助から「365日、寮生と共に生活する覚悟がなければ人は育たん」と言われ、家族とともに10年間住み込み勤務をしました。

 松下幸之助は85歳のときに松下政経塾をつくり、当初は一晩泊まりで指導に来ていました。朝、寮生が朝刊を届けに行くと、「新聞を読んでくれ」と言われる。どこを読むのか尋ねると、「君が一番大事だと思ったところ」。明くる日から新聞を届ける係は大変です。朝早く起きて新聞を全部読み、自分にとって一番大事な記事は何かを考えなければなりません。日常生活のあらゆる機会に自分の頭で考えさせる。これが彼の教育の基本でした。

 あるとき、松下幸之助は秘書に「今度ハーマン・カーンという人が来る。どんな人か知ってるか」と尋ねました。秘書も一通りのことは知っていましたので、アメリカの未来学者だというようなことを答えました。すると翌日、また同じことを聞かれたのです。秘書は、てっきりぼけ始めた(笑)のだと思い、同じ答えを返しました。そして3日目の朝、また同じ質問です。そのとき、はっと気づきました。松下幸之助は自分の答えに満足していないのだと。そこで図書館で調べ直し、新刊書を徹夜で読み、その内容をテープに吹き込みました。そして翌朝、テープを持って出勤しました。案の定、同じことを聞かれました。このとき秘書は初めて違う答えを返し、テープも渡しました。

 次の朝、松下幸之助は秘書の顔を見てニコっと笑い、生涯忘れられない一言を言ったそうです。「君、なかなかいい声してるな」(笑)。

 なぜ、生涯忘れられないのか。それは自分自身で気づいたからです。おそらく私なら、秘書が気づく前に「そんなことは知ってる。図書館で調べるなり…」と言って、教育しているつもりで、考える力を奪っていたでしょう。

 「待つことは愛である」という言葉があります。相手が自分で気づくことを信じて待つ。待つだけでなく、気づかせるためにどう仕掛け、どうもっていくかを考える。それが愛だと思います。

 自分の頭で考える人を育てるには、まず自立させることです。

 松下政経塾の卒業生約220人のうち、現在70人が国会議員や知事、市長など政治家として活躍しています。

 選挙にはお金がかかります。塾生たちは、当初は松下電器の支援を当てにしていたと思います。しかし松下幸之助は、教育には70億円を投じましたが、選挙には一銭も出しませんでした。松下電器からの選挙応援もありません。

 人間が一番力を発揮するのは、どういう心構えを持ったときでしょうか。それは、「誰も助けてくれない。自分で何とかするしかない」と自覚したときです。

 自立させるための教育指針は、愛情をもって「不便・不自由・不親切」を与えることです。この三つを与えると、相手は自分で考えざるを得ません。

 例えば、現在私が主宰している「青年塾」は、いつも不便なところで研修を行います。案内文も「4月6日午前11時 明智町・大正ロマン館」という不親切なもの。すると次々と問い合わせの電話がかかってきます。「どうやって行ったらいいんですか」。返答は明快。「自分の頭で考えなはれ(笑)」。

 あるとき、親切心でいろいろな時刻表を載せたことがあります。が、感謝の言葉の代わりに、「バスの時間が抜けてます」と言われました。人間は与えれば与えるほど、足らないと文句をいう。現代の国民病です。私たちは愛情もって不親切にし、苦労させて、自分でつかむ力を育てなければなりません。

真理は平凡のなかに

 松下政経塾のカリキュラムはユニークでした。松下幸之助が最初に語ったことは「諸君には立派な指導者になってもらいたい。ついては、明日から誰よりも早く起きて、身の回りの掃除をしっかりしいや」。

 政治学や経営学は教えない。自分で勉強してください。大事なことは政治家にふさわしい人間になること。その一番の柱が、掃除だというのです。

 これは、受験勉強をかいくぐってきたエリートたちには、理解できません。雑用する暇などないという訳です。夜中に何人かの塾生が私を訪ねてきて、「毎朝掃除しろとやかましく言われるが、掃除することの意義と効用についてお聞きしたい」。私は勇気をもって答えました。「掃除するのに難しい理屈はいらない。2つの『き』があればできる。ほうきとやる気だ」と。

 掃除ひとつでどれだけ苦労したことか(笑)。しかし、苦労の中で発見がありました。それが今では、私の教育信念となっています。

 人間の心は目に見えません。見えない心を何とかしようとするから苦しくなるのです。ですから、まず目に見える環境を整える。そうすればおのずと心も整います。これは特別に難しいことではありません。平凡なことの中に大事な真理がある。これが私の教育信念のひとつです。

 もうひとつは「流汗悟道」。額に汗を流せば大事なことがわかる。逆に言うと、汗を流さなければわからない。人間には知識も大事ですが、心を育てる勉強も大事です。心の勉強のための一番の方法が、この「流汗悟道」です。自ら体験して、苦労して、初めて他人に対する思いやりの心が育ちます。人のために自分の力を発揮できる人を育てたい。そういう松下幸之助の思いに気づきました。

 当たり前のことをしっかりできるのが人間の基本です。皆さんの仕事は、子どもに知識を身につけさせることです。しかし同時に、人間としての基本を教えることも必要です。これからは、「子どもが人間的に立派になる塾」が求められる時代になってくるのではないでしょうか。

 この後、閉会式が行われ、日本教育者セミナー姫路大会を終了した。次回は11月19日(水)・20日(木)、大阪市において開催される。


「ハーベスト医療福祉専門学校」見学

 セミナー終了後、姫路駅前に今年4月誕生した、ハーベスト医療福祉専門学校の見学会が行われた。同校は、播磨高等学校を運営する学校法人摺河学園が「心と技を兼ね備えたスペシャリスト」の育成を目指して設立した。理学療法・介護福祉・保育の3学科がある。「専門性はしっかりした人間性の上に成り立ってこそ輝く」という教育理念のもと、心の教育を重視している。野田昌義校長は「地域を支える専門士、社会貢献できる人材をしっかり育てていきたい」と意気込みを語る。5階建ての校舎は「多様な彩り」をコンセプトに、カラフルでモダンなつくり。各学科の実習室には最先端の設備が整い、見学者の関心を集めた。

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