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2008/5 塾ジャーナルより一部抜粋

数学を学んで「知の財産」を貯めよう!

 

財団法人日本数学検定協会  松本 精一

 
 

今回は、第138回実用数学技能検定3級・4級・5級の共通問題と第139回4級・5級の共通問題を取り上げてみました。2題とも統計資料の読み取りに関する問題で、記述式になっています。

現在、中学校の数学では統計を扱っていません。数検財団では,高度情報化社会を生きる上で統計の学習を必要不可欠なものと捉えて、検定問題に統計の問題を出題し続けてきました。社会で扱われる表やグラフには様々なものがありますが、基本的なことが分かっていれば理解できるものばかりです。

問題1は、数多くある資料の中から必要な情報を見抜く力があるかを問う問題で、(2)がメインになっています。(1)は、(2)のヒントになるように,フランスの原子力による発電電力量を問う問題を設定しました。フランスの総発電電力量は5671億キロワット時(kWh)で、そのうちの79%が原子力による発電電力量ですから、5671億×0.79を計算すればよいのですが、この問題の正答率は表のようにかなり低いものになりました。

問題2(1)に同じような設問の問題を出題していますが、こちらの正答率のほうが高く出ています。問題1が円グラフからの読み取りであることと、もとにする量が総発電電力量であるということが受検者に分かりにくかったようです。(2)はじろうさんが割合と実際の発電電力量を混同しているという設定の問題です。日本の原子力による発電電力量は円グラフに表示されています。ですから、アメリカの原子力による発電電力量を求めて比較すればよいので、それほど難しい問題ではありませんが、(1)と同じ計算をしなければならないことから(2)の正答率はかなり低くなりました。発電電力量の割合を比較して、じろうさんの考えが「正しい」と答えた答案もありました。


問題2(2)は、表に示されている値から必要な部分を選んで、比較する問題です。設問自体は易しいのですが、「なにげに」、「1コ上」、「チョー」に関する3つのデータを的確に比較している答案が少なかったために正答率は低くなりました。自分の考えを正確に記述できるようにするためには、この問題のように比較的易しい問題に対処できるようにすることが必要であると思います。
日常生活の中には、様々な統計資料があります。このような社会で安全・安心な生活を送るには、必要な情報を取り出し、的確に判断する力が必要になります。統計資料には理解しやすくするための工夫がなされているため、学習した表・グラフとは異なる形式のものも多くあります。「数検」を通して資料の適切な読み取り方の基本を理解し、情報を上手に活用できる力を身に付けてもらいたいと思います。

 

 
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