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中学・高校受験:学びネット

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2007/9 塾ジャーナルより一部抜粋

生徒の学力低下より教師の学力低下こそ問題だ!
ガリ勉歓迎、勉強できることはかっこいいんだ!

瀧山 敏郎(たきやまとしろう)
大学講師(大阪工業大学、園田女子大学)・【衛星放送・スカイパーフェクトTV講師】・全国英語研究団体連合会理事・京都私立中学・高等学校英語研究会会長を経て、現在、東京・大阪を中心に教師を指導する教師として、教師アカデミーを主宰しその代表として活躍中。また大手塾・・高等学校(特に健全経営のための魅力あるコース作り)の顧問として、その経営と大学受験の指導にあたっている。
アメリカ・テネシー州名誉州民
著書 『英語長文の完全征服』【山口書店】・『滝山敏郎の入試英語に強くなる実況放送上下巻』【東進ブックス】・『滝山敏郎の入試英語ココから出る語法』【栄光出版】ほか多数
 

[入試で、なぜ点を取らせることが出来ないのか]

学力向上という言葉が新聞紙上でよくみられる。何を指して学力向上、学力低下といえるのか。子どもにとっては、大人の議論なんてどうでもいい。「どうしたら点が取れるのか」が一番の関心事なのである。

学力低下の要因の一つは最低必要な知識を詰め込んでいないのである。子どもは詰め込みを決して嫌がっていないのである。問題は教師の詰め込み方にある。日本の公教育の最大の問題点は、「禁止」と「命令」を武器にしてきたことだ。子どもにやる気を起こさせる勉強も、スキルもないのである。学力低下をいう前に教師たちの学力低下を問題視したほうがよいのでは。

学力を論じるとき顕著に現れるのは入学試験である。この入学試験を突破して初めて学力の証明になる。学校によってすごい格差がある。学内試験など無意味である。
もともと私は全ての生徒は点が取れると信じている。

「なぜ点が取れないのか」

1. 学校だけの勉強ですませていないか。

学校の勉強は入試に適した教材で教えていない。難関大学の英語の入試問題は原書そのもの、又は原書に近い。一方学校の教科書はRetold(書き直された)されたやさしいものになっているのである。いわゆる実践の英語に慣れ、親しんでいないのである。実力がつくわけはないのである。基礎学力は確かに大事だが、基礎学力だけでは優秀な学校には合格できない。

2.入試傾向をつかんでいない。

最近東北の県立高等学校の‘07年度の問題を入手してわかったことがある。平均点30.2(100点満点)だった。なんとも低い点ではないか。他の4教科は全て平均点50点を超えている。問題を作る教育委員会にも大きな責任がある。公立中学で習っている範囲で作問をすべきであるのに、逸脱している。しかも一番問題なのは、問題の出し方である。大学入試の問題の出し方をしている。おそらく中学ではやっていない未知の問題の出し方である。たとえば、ある単語をつかって、字数を制限して自由英作文を書かせる問題である。無回答が50%超えているのである。異常としか言いようがない。塾はここで差別化をはかって、この問題の攻略法を図るべきである。要するに、問題に対する訓練をどれだけするかである。

3.知識はあるが、問題の出し方をまったくつかんでいない。結果応用力がつかない。

知識が豊富にあったとしても点につながるとはかぎらない。知識は料理でいうなら材料である。その材料を使ってどのように料理するかである。材料は原形をとどめていない場合が多い。知識を即問う問題は出ないのである。次の単語を訳しなさいというばかげた問題は出ないのである。 一つの知識がどんな問題形式に変わるのかを教える側が熟知しておかなければならない。(私は入試英語が専門なので)英語でいうと、一つの単語が広がる問題のパターンは、(1)整除問題 (2)四択問題 (3)条件英作文問題 (4)同意語選択問題等である。「君は応用力がない」と生徒に言う教師がいるが、応用問題が作れない能力のない教師の発言だ。

4.量が圧倒的に少ない。

生きるために必要な最低の知識がいる。漢字、足し算、掛け算、英語の基本単語が決定的に不足している。今はそれすら教えていないのである。まして入試になると、話にならないくらい不足している。進学校、進学塾は、普通の公立校より、漢字、単語、数学の演習問題を2倍以上教えているのである。差がつくのは当たり前。私は「偏差で勝負するな、数で勝負せよ」と言っている。

5.基礎が出来ていない。

いったい何を指して基礎といっているのか?基礎の基準は小、中、高を通して学校の勉強が基礎と認定してもいいだろう。しかし、この基礎が出来ていないのである。教育の目標の最大は人格形成であることは言うまでもない。一方で、生徒にとって大きな関門は、受験である。受験の失敗で人格形成に大きな汚点を残す可能性がある。受験は避けて通れないのである。小学校では小5、中学校は中2、高等学校では高2で、学校で習う全てを終わるべきである。そして受験体制を作ってやることだ。

6.入試の準備の出発が遅い。

一般に進学校は入学したその日から受験である。 高校でいうと、進学校は高1から受験体制、公立高校は平均8ヶ月の受験体制である。太刀打ちできないのである。前述にも記したように、基礎を高1で終わってしまうのである。何もしないで、遊んでばかりいる生徒と真面目に一生懸命に勉強している生徒の差がついて当たり前。甲子園の野球などスポーツできるとやたらと新聞紙上で脚光を浴びる。勉強できることもかっこいいんだ。

7.勉強する環境があるのか。

進学校の最大の利点は、周りが勉強する体制の生徒だらけである。自分もしなければならない気持ちに勝手にさせてくれる。勉強すると白い目で見られる学校で教鞭を取ったことが私にもある。勉強する環境の第一は友人である。第二は受験のプロが周りにいるかである。進学塾、進学校の教師は生徒が優秀だから手が抜けないのである。自ずと、プロにならざるを得ない。生徒が教師を育てる構図になっている。進学校のダメ教師は生徒が審判を下す。賢い生徒、賢い親がいる。

8.本人のやる気・・・よって、たかって皆で支えよ。

もちろんやる気を起こさせるのもプロの教師の務めである。最後の最後は本人のクソ度胸である。このクソ度胸はどこから来るか? 私は家庭環境といいたい。特に親父の存在である。親父とお袋の役割分担をはっきりさせること。「父よ、言いたいことがあれば、はっきりいえ、母よいいたいことがあってもはっきり言うな」である。子どもは無限の力を持っている。それを引き出すのがわれわれ大人、教師の責務である。どんな手を使ってでも力をつけることだ。子どもたちが将来、社会貢献、人助けの人間になってくれたとき、われわれ親、大人、教師が子どもたちに勝ったことになる。

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