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2006/1 塾ジャーナルより一部抜粋

『新時代の教育の担い手』

反町 勝夫
LEC東京リーガルマインド大学 学長。
1965年東京大学経済学部卒業。会社勤務を経て、1970年公認会計士第2次試験合格。1978年司法試験合格後、株式会社東京リーガルマインド(LEC)を創立。2004年4月構造改革特区制度を利用して、日本初の株式会社大学「LEC東京リーガルマインド大学」を設立。
現在、株式会社東京リーガルマインド代表取締役社長。LEC東京リーガルマインド大学学長。弁護士。
 
私どもは、内閣府の構造改革特区制度を活用し、日本で初めての株式会社大学を設立いたしました。LEC東京リーガルマインド大学(以下、本学)は、学生がこれからの「知識基盤社会」を支え、リードしていくために必要な知識・技術を修得し、これにふさわしい職業倫理を身につけることを目指す、キャリア教育専門の大学です。このような大学は、現在、そして今後どのような産業が発展し、どのような人材が必要とされるのかといった、社会のニーズに敏感な株式会社だからこそ可能なものです。この点で塾業界とは非常に共通するところがあると考えています。

本稿では、「社会のニーズに応える」という観点から、新しい教育のあるべき姿の一つを示してみたいと思います。

1.初等・中等教育の問題点

近年、若者のニート・フリーター化や七五三現象と呼ばれる早期離職の問題が頻繁に取り上げられ、早い段階からの職業意識啓発・醸成の必要が叫ばれています。これに応じて小中学校での職業体験など、義務教育の中で職業教育を行うところも増え、「キャリア教育」への関心が高まっています。

しかし、現在の初等中等教育段階における「キャリア教育」は、単に子どもの頃から様々な職業に触れる機会を設けるといったような、単発的・イベント的な職業体験が多く、社会のニーズに即した知識・能力を身につけさせたり、子どもたち自身のキャリア形成力を育てたりといったところには及んでいません。どんなに立派な目標・夢を掲げたとしても、実社会に役立たない知識や能力だけを持っているのでは、職業人としてうまくスタートを切ることができず、以後の職業生活にも重大な影響が出ます。現在の若年者雇用・就労に関する問題の一端はここにあるのです。

2.キャリア教育とは何か

今若者には何が必要なのか、その原点に立ち返れば、「キャリア教育とは、社会のニーズに即した知識・能力や個々人のキャリア形成力を身につけさせるために、学校教育のあり方そのものを見直し再編成する取り組みである」、そのように、とらえ直す必要があると思います。

キャリア教育は、今日の日本の企業・産業界の緊急課題に応えるものとしてスタートすべきです。これからは、物量ではなく知識資産の大きさこそが競争優位となり、この知的資源に基盤を持つ産業が重きをなす社会となっていきます。そこで最も重要なのは、知的活動を支える存在、すなわち「人」です。知的活動をリードするだけの専門的な知識と素養を有する人材なくして、今後のわが国の発展はあり得ません。すなわち、実地と理論の双方を重視し、職業人としての基礎能力と将来設計力・意思決定力とを兼ね備えた人材を育てることがキャリア教育であると考えます。

3.塾に求められているもの

1)「塾」に求められるキャリア教育

教育現場における新たな展開を踏まえて、塾の経営者として何をなすべきかがここでの課題となります。新たな教育の方向性は、要するに教育の利益の受け手である保護者や生徒のニーズに即した教育を提供することにあります。これまで消費者ニーズに立脚した塾の経営を推進してこられた皆様にとって、戦後最大のビッグチャンスの到来です。公立の教育機関においても、かつてのような上からの統制、学習指導要綱による指導が緩和されています。すでに学校運営協議会や株式会社による学校経営など民間活力の利用が推進されています。教育の本質について、人的資本論の考え方が主流となりつつあり、この見地に立つ塾の経営は今後いっそう有利な展開となるはずです。人的資本論とは、教育にお金をかけるのは、教育によって習得した知識を社会における仕事に適用して、教育を受けなかった人よりも効率のよく、生産性の高い成果を出すためであり、それによってより高い報酬や地位を享受するためであるという、教育経済学の代表的な理論です。自らの子どもを塾に通わせて教育を受けさせるのは、その子どもの現在の学力にかかわらず、塾の教育によってより一層高い能力、すなわち社会適用能力を習得させたいというのが保護者の本音です。単なる教養としての教育であれば、情報化社会の今日、電子手帳一冊、百科事典一式、大学・公立図書館への入館カード一枚で、満足できます。教養こそ実践に直面して鍛えるべきものであり、知識としての教養であれば、大学で学ぶ必要は必ずしもありません。21世紀の知識基盤社会(よりレベルの高い知識が社会共通の財産になっており、この知識を理解し利用できることが社会の一員としての資格であること、あたかも運転免許証の所持がモータリゼーション基盤社会の共通財産となっているように)においては、この社会を構成する共通の財産である専門的能力の習得が必要です。典型的には、企業の中で通常利用されている実務能力資格である、簿記、法律実務、パソコン技能、国際言語です。これらの最小限度の能力をさらに具体化したものとして、日商簿記3級、ビジネス実務法務検定3級、初級システムアドミニストレータ、TOEIC470点が挙げられます。これらの実務技能は、もはや所持していることが前提で、その所持の善悪を議論することに意味はありません。

このような実社会の企業の職場環境が変化している以上、いずれ高校・大学を卒業後、どこかの段階でこれらのライセンスを身につけることが必要となります。塾の経営においても、このような教育における人的資本論的発想を根底において、生徒の進路指導および日々の学習指導を進められることが望ましいと考えます。
現在、フリーターやニート対策が学校・職場・マスコミで毎日議論されています。わが子をフリーター・ニートにさせたいと思う親はいません。今や議論の時ではなく、実践の段階です。わが子の長所を発見し、適性を伸ばす人的資本論的教育を施し、グローバル化社会・知識基盤社会を生き抜く実践能力を身につける教育が求められています。これらを達成するために、小中高校の生徒が、大学およびその先の社会へ進むにあたっての橋渡しをする役割こそが、新時代の塾に求められる「キャリア教育」なのです。

2)保護者と生徒に対するアクション

(1)保護者について

まず、保護者には、情報提供、教育方法のアドバイスが必要です。保護者は子どもの進路決定に大きな影響を持ちます。本学では、大きな目標を掲げ頑張る学生にとって保護者の協力は欠かせないとの観点から、月に一度学生の出席状況や成績を保護者宛に郵送し、年に2回の保護者会を実施しています。塾においても、保護者に対するサービスとして、大学・その先の就職に関するセミナーや面談を実施することが有効であり、これらの実施は塾にとっての大きな付加価値と言えます。例えば、保護者を対象とした「キャリアセミナー」の実施です。保護者との面談などとの連携も含めて、保護者の教育に対する不安を解消することが重要です。

(2)生徒について

次に生徒には、キャリアカウンセリングが必要です。大学に入った途端、自己責任という名の下に放置され、行き先を見失ってしまう学生がいます。本学は、学生が目標を達成できるように万全のバックアップ体制を敷いています。1クラス30人に一人の担任が付き、学生の生活面・出欠管理などをきめ細かくフォローするとともに、進路に悩む学生には資格を持った経験豊かなキャリア・コンサルタントが相談に乗り、勉学面では、チューターが勉強の仕方から専門的な質問までカバーしています。塾でも、進路指導を小中高校にすべて委ねるのではなく、実社会につながった教育機関としてできることを実施すべきです。例えば、塾だからこそ可能である、明確なビジョンを示した生徒対象の継続的な「キャリアガイダンス」の実施です。現在の学習の意義、そのための進路と将来に向けた現在を認識させることが重要です。

(3)「塾」と大学の協同

塾が大学と組んでキャリア教育を実践していくことは、社会の大きなニーズであり、塾の顧客満足度を上げる一助となると考えます。また塾が大学と協同し、大学の持つキャリア教育を実践することによって、大学は、(1)自大学の情報の提供、(2)塾と連携したキャリア教育の推進、(3)キャリア教育に関する様々な情報の提供などが可能です。そして、このキャリア教育の実践や研究を再び教育の場にフィードバックすることができます。
私どもは、官製ではない新しいスタイルの教育が模索され、新しいニーズにあった教育が構築されていくことを期待します。教育もまたサービスである以上、社会のニーズと学生のニーズの上に成り立つものであり、一般の株式会社による経営行動と変わるところはなく、その原則に立ってこそ教育という分野自体のさらなる発展を望むことができるものと考えます。

 
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