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2006/1 塾ジャーナルより一部抜粋

さらなる難化が予測される首都圏の中学入試

樋口 義人
首都圏模試センター代表取締役。
中学受験界に足を踏み入れて30年余、日能研常務取締役・東京本部長・公開模試事務局長などの役職を歴任し、日能研の経営戦略を責任者として指揮する。私立中学受験の大衆化に尽力し、日能研を四谷大塚と並び凌駕するまでに牽引した。日能研退社後、ENA副学院長を経て、現在首都圏模試センター代表取締役。ソフトな語り口の中にも経験と実践に裏打ちされてきた厳しい提言は中学受験界の"良心"として多くの指示を得ている。
 

ブームが続く中学入試

一昨年末のツナミ、昨夏にはハリケーンのように、大規模な自然災害が起きた。
今春の中学入試が、この冒頭のような言葉で比喩しても決してオーバーではないような、大きな波が受験生諸君を襲ってくるのではないかと思われる。
それ位、かつてこの業界で経験したことのない厳しい入試が到来すると予測されるのである。12才という、思わぬアクシデントが起こる恐れのある受験生がさらにもみくちゃにされ、そして吹き飛ばされてしまわなければと、危惧されるのである。

今年度の首都圏での小学校の卒業生が、昨年度より約3,000人多いこと。昨秋の中学入試のための模擬テストの受験生の合計が、4.7%も増加していることなどがその予測の一つのデータである。この模擬テストの受験生の合計とは、3大模試(四谷大塚・日能研・首都圏模試)への11月度の参加者を集計したものである。(別表T)
しかし、このデータから受ける感じよりもさらなる盛り上がりを見せているのが、受験生とその保護者の、私立中学校への志望の動向である。

例えば、上位校への進学志向とともに、安全校(中堅校)への志望が例年以上に多いのである。従って、中途半端に下げたすべり止めでは止まらない可能性さえ出てくる。
結果的に、これだけ強い、私学進学志向にもかかわらず、涙ながらに公立の中学校へ進学させられる生徒が、昨年以上に、それも数千名という規模で発生する恐れがある。
出来るだけ多くの生徒に、合格が得られるよう祈るのみである。

2005年の中学入試結果

今春の大学入試では、「新学習指導要領」で学んだ初年度生が受験する。おそらく、大学合格実績の公・私間格差が今まで以上に拡がると考えられる。
これは、一般の保護者もうすうす感じているところであり、これがこのような中学入試ブームを呼んでいるのである。

この5〜6年一貫して、受験率(推定受験生数÷卒業生数)が上昇しており、2005年入試では、16%に肉迫していた。また、受験生数も、4年連続の増加を見ており(都立一貫校受験生を除く)、いかに、私立進学熱が高まっているかが、見てとれる。(別表U)
「新学習指導要領」が施行されたのが2002年であるから、この私立中学入試ブームの高揚とほとんど軌を一にしている。

マスコミも、教育学者もその多くが伝えているとおり、学力低下は進行しており、その現状たるや修復不可能と言えるほどである。「学力」について、「何が学力」かを議論すべきだと言われているが、今やそれ以前というか、以下の問題として認識してほしい。
最近は、あちらこちらで「学級崩壊」が進んでいる。これについては、まだ、マスコミが取り上げていないが、早晩話題になってくるだろう。学級崩壊が起こると、生徒は、一コマもノートに書いてこない日が続く。これが、今憂うべき公立の小学校の現状である。ここから、これらの保護者たちは、公立の学校に幻滅して、私立中学校受験へと走らされているのである。しかし、今さら始まったことではない。右のことは、中学入試ブームに拍車をかけているのであり、底流には、左の東京大学教授苅谷剛彦先生が「大衆教育社会のゆくえ」(中公新書)で論じられていることがある。いささか長くなるが、引用させていただく。

「文部省は、1993年の高校入試から、業者テストと偏差値とを公立中学校から排除した。(中略)高校入試から偏差値がなくなっても、一向に影響を受けない人々がいる。私立の中高一貫校に学ぶ生徒たちだ。彼らの中学受験に、元来公立小学校はほとんどかかわっていない。公立学校の外部で偏差値に基づく厳密な進路指導が行われている。彼らは東大をはじめ「一流大学」の進学に有利な存在であり、大都市部を中心とした富裕な階層の出身者である。(筆者段落分け)

受験教育からの公立中学の聖域化は、大都市部での公立中学離れに拍車をかけないか。その結果、一部の階層に有利な状況の助長、さらには大都市と地方との教育格差の拡大が進行しないか。教育選抜の低年齢化が進むことも、特定の社会階層出身者に有利にはたらくだろう」。しかるに、現5年生が受験する来春は、この中学入試がもう「爆発」すると言っても過言ではない。その一つに、在籍生数が、現中1生比約15,000人(5.4%)増で、これが比例的に推移しても、受験生が2,000人以上増えて、全体の難化は、予測出来る状況でなくなる。

その二つ目に、学年の生徒数が多いからか、競争に強く、むしろ難問に挑戦することを楽しんでいる節があるぐらいであり、非常にたくましい学年である。中学入試にすこぶる熱心であり、対策に余念のない学年でもある。

武蔵中で塾説明会

周知のとおり、男子ご三家の一校であるこの伝統校が、昨秋第一回目の塾説明会を開催した。今まで、塾説明会開催の偏差値上のトップは海城中であったが、今回の武蔵中の開催は、業界で話題になった。

昨4月に着任された、校長山崎先生から、小さな改革の一つに、「情報の開示」を進めるがあり、その一環として開催したと説明があった。

大きな方針、つまり建学の精神(例えば「リベラル・アーツ」の精神)などは、全く変えないし変える必要はない。しかし小さな改革を行い、よりよい学校にしていく。大学への進学についても、注視していくなどと、述べられた。

私立中学校の情報開示が進んでおり、保護者対象・塾対象の説明会が数多く開催されている。その中でも、今回の武蔵中の塾対象説明会は、スマートであり、時機を得ていた。

最近の塾対象説明会の開催で感じることは、以前に比べて簡素化されてきた。土産品とか交通費、さらには飲食のことである。これら目当ての参加者が居ることは業界でも、反省しきりである。

常盤線の女子中学校で、10数年前の開校記念塾対象説明会に少なくとも100名以上の参加があった。しかし、この中学校は今や募集を停止している。つまり、参加者数の多少が
その学校の発展を約束しないのである。

塾説明会の土産品などが簡素化され、資料が充実してきていることを歓迎する。先の武蔵中の塾説明会では、卒業生が進学している塾対象ということで、参加者を絞られたことと、資料とお茶(ペットボトル)が配られた。

保護者対象の説明会

中学入試の過熱化、ブームを反映して、私立中学校の一般保護者対象の説明会への参加者が、どこもかしこも大変な数で盛り上がっている。気の弱い母親は、この段階で戦意をなくしてしまうほどである。

保護者の報告の中で、人気があるのは、幹部の特に校長先生の話し振りが面白く、明るく、そして前向きな発言が聞けた時である。

20年以上前の話で恐縮であるが、森繁久●氏が私学協会の研修で、先生方対象に講演していた。全私学新聞に、その講演録が掲載されていたのである。

「先生方の話は、真面目で退屈である。聴衆者を引き付ける話し方をお伝えするので参考にしてほしい。まず、演壇に登場し、自己紹介ないしは、時候の挨拶をする。そして、その次の、"2行目"でユーモアに富んだ話題を用意しておき、聴衆の笑いを得ること」と。

栄光学園の元校長の故富田先生(神父)が、受験生の保護者対象の説明会で、ほのぼのとした笑いに包まれていたことを思い出した。

「今朝早く、サイクリングの朝トレで、近所を走っていたら、牛乳配達のおじさんから"(絶)校長ですね"と話しかけられて、びっくりした。私の顔はそんなに、知られている筈はないのに。しばらくして、あれは"絶好調"ですねと言われたことに気がつきました」。(笑)

同じく神父で、広島学院の元校長のブルックリン先生の、外人独特の強烈な落とし込みで、聴衆は爆笑した。静岡聖光学院に招かれて、在校生、受験生の保護者相手に行った記念講演でのことである。

大きな体躯は、ほとんどプロレスラーという感じの先生だ。「私が広島学院のブルックリンです。ところで、私は静岡の皆様に大いなる不満があります。(恐い顔をして)それは、"広島カープ"への応援が物足りないということです」。(大爆笑)

最近では多くの皆様がご存知のとおり、早稲田中高校の副校長の中村秀眞先生の説明会での講演は、寄席に出られても十分勤まると思えるほどに、面白くて卓越しておられる。ぜひともご参考に。

 
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