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中学・高校受験:学びネット

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2006/1 塾ジャーナルより一部抜粋

だから顧客の「不満」を常に知る必要がある

武田 哲男
(株)武田マネジメントシステムス 代表取締役。
(株)服部時計店(現・セイコー(株))入社。銀座・和光勤務後退職。以後一貫してCS(顧客満足)・サービスの品質管理・サービスマネジメント・サービスマーケティングに実践的に取り組んできた。現在まで500以上の業種・業態(企業数ではない)に関する理論と実践のコンサルティングにより「業績=顧客の支持率」を達成し多くの企業から評価され現在に至る。『顧客不満足度のつかみ方』『クレーム対応ここがポイント』など著書多数。
 

時代の推移を見よう

大量生産・大量販売の量を求める時代からアイテムを求める時代、質を求める時代、感性を求める時代、そして満足を求める心の時代と提供側の論理から顧客を中核にしたサービス提供の時代へと市場は変化してきている。

それに伴って教育の場も大勢の子どもたちに教育を行い、内容の充実を図り、感性・センスに焦点を当て、提供側の論理から選ばれる時代へとニーズに応えた対応をしてきている。現在はすでに発表されたとおり想定より早く少子化に移っている状況にある。

いよいよ人々から選ばれる学校・塾と見放されてしまう学校・塾に二極化する環境に至っているところである。そのポイントは人々から求められる以下のサービスを構成する質に、的が当てられている。

  • 教育プログラム(商品サービス)
    • プログラム・メニューそのものの内容
    • プログラム・メニューそのものの質
  • システム(システムサービス)
    • 教育システム
    • 子どもたち(教育を受ける本人)・母親・父親などが求める成果の上がるシステム
    • 一人ひとりの能力・要望に応じた1対1のコミュニケーションシステム
    • 顧客(本人・母親・父親など)の要望をキャッチし、なおそうした人たちとの接点を担っている顧客接点担当者(組織内の顧客)に対するサポートシステム
  • 設備・施設(設備・施設サービス)
    • 教育を受ける場としての快適な環境
    • 最新の機能の伴った設備・施設
  • 人的サービス
    • 電話対応や、顧客との接点を担うご案内・各種の情報提供などにおける対応
    • 教育を受ける本人・母親・父親たちから求められる講師の人間性と・質・サービスマインド

まずは強い意思決定を!

顧客ニーズは多様化・細分化し、なお『マス』から『個』に移っている。
まことに手がかかり、厄介なことと言わざるを得ないと考える組織や事業体ならびにそこに所属する人たちが増えている。今までは主として自分たちの都合が優先してきた習慣がついているからである。習慣とは主として上記に挙げたサービスを構成する各要素が提供側の論理になっていることを意味する。

時代は明らかに顧客主導型になっているのは頭ではわかっているつもりだが、実際には相変わらずの自分たち中心主義なのである。従ってまずは本当に顧客主導型で時代対応をするのかどうかの強い意思決定が大切である。

顧客の不満を知ることが正否を決める

その上でCSの理論と実践に従った具体的な取り組みに関して組織を挙げて学ぶことが必要である。

次はいよいよ実践であるが、その前に顧客が今どのような状況にあるのかに関して心の底に潜んでいる要素を知ることが必要である。そのためにまずはどのような不満を抱えているのかを調べる必要がある。これを定点観測として毎年実施し、前年のデータをベンチマークとしてその推移を見ながら展開するのである。

なぜ顧客不満(本人・母親・父親など)を調べるのかというと、不満がわかれば求めている要素が明確になるが、顧客の求めている要素を調べようとしても、目先のことしか浮上しないため目先の対応しかできないからである。

こうして「顧客『不』満足度調査」から得た顧客の「要望」「困っていること」「不満」を知ることから、顧客の深層心理が見えてくるからその内容を基盤にしてこれからの在り方を構築する方法が多くの企業で成功を収めている。

※ 「顧客『不』満足度調査」とは当社が開発し現在、多くの企業が密かに採用の上(アメリカ・ヨーロッパでも採用が進んでいる)成果を上げている調査手法である。10年以上のロングセラー拙著「顧客不満足度のつかみ方」シリーズで現在は「完全版・顧客不満足度のつかみ方」PHP研究所刊を参照ください。

1対1のコミュニケーションシステムを構築

生徒も大きく分けると二極化している。例えば学校の授業のその先を行きたい生徒、学校の授業そのものについて行けない生徒などである。

ここに塾の大きな役割がある。授業のその先を行きたい生徒に関する対応、授業について行けない生徒に対する取り組みである。資料1でもおわかりのとおり、時代は正にカスタムメイド・オーダーメイドに目が向けられ、なお、『心』の時代に移り、この分野にかかわる企業は成長し続けている。但し、このやり方は一朝一夕にはなし得ない。

今までとは違うノウハウが必要だからである。従って、初めはとまどいもあり、また手間がかかり、費用対効率も悪い状況に直面することもある。しかしその諸問題点をクリアーすることにより独自のノウハウができ、それを手に入れた企業・組織が大きく羽ばたき、業績向上につなげているのである。

学校では当然のことながら1対1(ワン・トウ・ワン)の教育は難しい。ここを捕らえるのがまさしく塾であり、そのためにも早急にワン・トウ・ワンのカスタムメイド・オーダーメイドのノウハウを構築する必要がある。さらに言えば、これからの企業は先に挙げたサービスの項目、特にシステムに関しては素晴らしい内容を構築し続けている。

ところが多くの企業が困っていて、これからますます難題となるのは『心』とりわけ『サービスマインド』『人と人とのコミュニケーション構築』の問題である。少子化で大切に育てられる子どもたちは自分が常に中心で主役のため、人と人とのコミュニケーションが苦手となるためである。

ところが時代はさらに質の高いコミュニケーションやサービスマインドを求め続ける。ここの要点こそ学校と塾がともに提供できる機能、役割分担をしてほしいところである。 時代はまさに心のサービス化がますます進行する方向に向かっているからである。

 
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