「もっと広報に力をいれるべきだった」
古本:
本日は女子校の広報・渉外担当の先生方にお集まりいただきました。
まず、今年度の生徒募集の状況について、各校からご報告ください。
小板橋:
今年度は学則定員を下回る結果となりました。要因は、広報活動が十分でなかった点にあると思います。
本校は2006年4月に臨海副都心の有明北地区に移転し、共学化を実施します。学校の形態や通学条件が大きく変わりますので、もっと広報に力を入れてアピールするべきだったと反省しています。
羽田野:
高校は昨年並みで、中学の方は悪いながらも昨年を上回ることができました。しかし、本校も学則定員に届いていません。一昨年度末に急に校長と教頭が替わったため、体制づくりが遅れました。
辰巳:
昨年と同様の人数に終わりました。受験者は多かったのですが、歩留まりがよくありませんでした。本校の良さを知ってもらえず、偏差値だけで判断されてしまいました。
小林:
応募者・受験者数ともに昨年を下回っています。これは、本校の偏差値が年々上がってきているのに、まだ進学実績が伴っていないためだと思われます。それに併願が多いため、試験日によって歩留まりが左右されています。
ただ、説明会に参加した生徒は受験してくれていたので、その点はよかったと思っています。
宮崎:
今年度は中学が成功し、高校はやや失敗でした。
中学の方は、6年前ごろから毎年50名ずつぐらい減っていって、2年前には150名にまで落ち込みました。それからは増加に転じ、今年は260名と、4年前の水準を超えることができました。説明会の内容を変更し、校長・教頭の話を短縮。できるだけ本校の「生徒の顔」が見えるように、生徒インタビューなども採り入れたことがよかったと思います。
「ようやく希望の光が見えてきました」
桑原:
数年前から学則定員よりマイナスが続いています。それでも現在は、どん底から抜け出して、ようやく希望の光が見えてきました。学校訪問してくれた生徒の歩留まりが高く、昨年に比べて入学者が増えています。広報担当者がここ数年、地道な活動を続けてきた結果です。
本校は立地条件にも恵まれていないので、進学実績をさらに上げるなど、内容のレベルアップを図らないと後がありません。
上前:
本校こそ、もう後がない状況です。今年度の入学者は中学・高校とも2桁台でした。不振の原因は、この5年間でトップが何度か交替し、基本方針が揺れたからです。あるときは生活指導一辺倒になり、また別のときには学習指導に偏ったりしていました。その上、広報活動も弱く、塾の先生方とのコンタクトもとれていませんでした。
現在は特色を打ち出すために、自分たちが実践していることを総点検し、まとめているところです。今年から生徒に対して「3つの約束」を掲げ、能力全般を育成するプログラムを設定しています。
金子:
昨年度の落ち込みから少し戻ってきました。学校内部の体制も整ってきましたので、来年度に向けて教育内容・募集活動ともに強化していきます。
丸山:
今年は人数的には、成功したといえます。しかし、説明会の時には参加人数が多くても、その生徒たちが出願してくれるのか、合格した生徒が入学してくれるのかと、常に不安がつきまとっていました。なぜなら、本校を第1志望とする生徒が少なかったからです。今後は「トキワ松が第1志望」という受験生を増やすことが課題です。
水澤:
中学が微減で、高校は昨年度より増えました。減少が続いていた時期から少しずつ戻ってきていますので、ほっとしています。
千葉県は男子校がなくなり、女子中学は本校のほかに2校しかありません。共学校人気が高く、女子中学から外部の共学高校へ進学してしまうケースもあります。
女子中学・高校には、共学校にない良さがありますので、説明会や体験授業で生徒・保護者に女子校の長所を訴える作戦です。
三本:
私どもの場合は、入学者15名前後という状態からスタートしましたので、少しでも増えればいいと、広報などは積極的に、怖いものなしでやってきました(笑)。それがよかったのか、少しずつ増えてきています。
校舎が新しくなったことも、新しいイメージを伝えるのにプラスに働きました。また、ここ数年は教職員の定年退職が続き、リストラせずに一気に若返りました。まだ経験が足りませんので、説明会なども全員で取り組むなど、汗を流しています。 |