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中学・高校受験:学びネット

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広島工業大学高等学校(全日制課程)

 
  学校改革で“工大高ブランド”を強化
今春、共学化を果たし、次なるステップを目指す
1956年(昭和31年)の創立。地元では「工大高」の名称で知られる広島工業大学高等学校。長年、電子工業科、機械科、建築科など工業系の科が主体だったが、1994年に普通科を設置。現在は普通科のみで、進学に強い学校として実績を積んでいる。2011年より学校改革に着手し、その成果がこの春、大きく花開いた。定員(320名)を遥かに上回る586名もの新入生が入学し、募集人員の1.8倍という数字に学校側も驚きを隠せない。また、国公立大学への合格者もこれまで最高の20名を記録して、広島の教育界から注目を集めている。7年目を迎えた改革の現状を取材した。

校 長: 玉田 康荘
住 所: 〒733-0842 広島市西区井口5-34-1
電 話: 082-277-9205
交 通: JR山陽本線「五日市」駅より徒歩10分/広島電鉄宮島線「修大附属鈴峯前」駅より徒歩3分
学生数: 1,191名 (2017.7.1現在)
ホームページ: http://www.kodaikoko.ed.jp/zennichi/

 

段階的に取組んできた学校改革
特進SSコースは44%が国公立大へ

 「正直に申すと、ここまで入学者が増えるとは思っていませんでした。これまでは8クラスでしたので、急きょ6つの教室を設置し、14クラスでスタートしました。ここに至るまでには定員を下回る時期もあり、どうすれば生徒が来てくれるのだろうと思案したこともありましたが、学校が一丸となって取り組んできた改革を保護者や中学の先生方、塾の先生方に認識してもらえた結果だと思っています」

 こう語る玉田康荘校長は、今年で就任7年目を迎える。就任初年度に学校改革に着手して以来、段階を踏んで取組んできた。

 「校長に就任して早々、全国校長会で岐阜県へ行きました。そこで学校改革に取組み、20年かけて一変した高校の事例を聞いたのです。本校も変えていきたい、変えていかねば!と考えていましたから、刺激になりました」

 広島工業大学の付属校なので工業科だと思われがちだが、学科は普通科のみである。現在、「特別進学類型」と「総合進学類型」の2つの類型があり、特別進学は「SSコース(スーパーセレクション)」と「AS(アドバンストセレクション)」に分類。総合進学は、広島工業大学への進学を目指す「HITコース」と、中堅私大、短大などを目指す「LAコース」に分かれている。「HITコース」からは、学内推薦で毎年100名から150名が広島工業大学へ進んでいる。コース替えは、進級時に成績によって判断される仕組みだ。

 2011年に始めた学校改革では、まず特別進学から着手した。週3回7時間授業を行い、英数国を重点的に指導していく。週末には学んだ内容をしっかり定着させる課題や演習を行い、長期休暇には進学特別講座を実施していった。その成果が徐々に出て、2010年には2名だった国公立大合格者が、2014年には16名に急増。そして今春は阪大、広島大、岡山大を始め、20名が合格を果たしている。

 「SSコースでは、実に44%の生徒が国公立大へ合格しました。来年はそれを25名に、近い将来には50名になるよう目標を掲げています」

 続いて、2016年には総合進学の教育システムを変えていった。読む(Reading)、書く(Writing)、計算(Arithmetic)、英語(English)を重視する、独自の「3R s+Eシステム」を導入。英検、漢検、数検の検定試験を必須化し、すべての生徒が準2級の取得を目指す。授業でも検定試験の対策を教えており、試験結果は成績にも加算されている。

 「生徒は資格を取ることで達成する喜びが感じられ、授業がより楽しくなるだろうと考えて、このカリキュラムを導入しました」

女子が入ったことで大きく活性化
秋には最新設備が整った新校舎も誕生

 そして今春、次なるステップとして男女共学化を果たし、制服もリニューアルした。その結果、初年度は153名の女子が入学した。

 「当初、女生徒は60名ぐらいかと予想していたのですが、なんと153名も入学してくれました。しかも女子以上に男子も増えたのです。女子が入って来て、とにかく活気が出ました。女子は一期生ですので、自分たちが率いていこうというフロンティア精神に富んでいます。受験時に“なぜ本校を選んだのですか?”というアンケートを行ったのですが、男子は、クラブ活動を頑張りたい、設備が整っているという回答が多く見られました。しかし、女子は教育の中身が1位。我々がやってきたことを評価してくれているのはうれしいですね。女子は学校をシビアに見ているので、こういった生徒に何を提供できるかが、これからまた勝負です」

 そして、この8月には4階建て、各フロア9教室分の広大なスペースを持つ新しい校舎も誕生する予定だ。「ALC(アカデミック・ラーニング・コモンズ)」と名付けられた2階部分は、パソコンやタブレット端末を設置した「ICTエリア」、グループワークなどに活用する「アクティブラーニングエリア」、海外からの来校者に日本文化を伝える「国際交流エリア(和室)」を始め、図書館、プレゼンテーション、自学自習など多方面に活用できる機能を備えている。

 規模の大きな学校なので、設備面も充実している。校内のスポーツセンターには、屋内ランニングコースや最新のマシンが備わったトレーニングジムがある。他にも大小2つのアリーナ、人工芝のサッカー場、野球専用のグラウンド、陸上競技場、柔道場、剣道場、弓道場、テニスコートなどがあり、授業やクラブ活動で活用されている。

 強化クラブに指定されている野球部、バレーボール部、サッカー部、柔道部、陸上競技部を始め、弓道、馬術、ボート、吹奏楽など、多彩なクラブも大規模校ならではだ。

教員自らも研鑽を積んでいく
攻めの姿勢でさらなる躍進を

 新校舎の完成で学校改革は一段落するが、ここがスタートラインであると校長は話す。

 「次なる改革は、教員です。本校は熱心で素晴らしい先生ばかりですが、さらに学校を盛り立てるためには、先生自らもステップアップをしてほしいのです。私は常々、教員に3つのことを話しています。まず、熱い思いで生徒一人ひとりを大切にしてほしい。一丸となって教育を実践してほしい。そして、自らも研鑽することを怠らないでほしい。これらをもっと盤石にしていくのが、これからの課題です」

 こういった方針に沿って、教員達は次々と外部の研修や勉強会に参加。その成果を授業へと還元しようと動いている。何より“攻めの姿勢”で邁進してほしいという校長。今後の成長が大いに楽しみな学校である。

《 29年度 オープンスクール 》

7月8日(土)
場所:広島工業大学高等学校
8月20日(日)
場所:広島工業大学
10月21日(土)
場所:広島工業大学高等学校

※詳細はWEBサイトでご確認ください。

 
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