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中学・高校受験:学びネット

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広島県瀬戸内高等学校

 
  歴史的な学校改革に大きな収穫
新体制で生徒たちの目標が明確化
広島県瀬戸内高校が創立110周年を機に学校改革を発表したのが2年前。コンセプトは生徒一人ひとりの夢をかなえるための確かな学力の養成だ。そのための目標設定として新コース制が導入された。広島県では初の「公務員コース」と「看護医療進学コース」を同時に新設。既存の「特別進学コース」は単独募集へと踏み切った。
現場の教員が中心となりボトムアップで改革を推進してきただけに、特色のある学校に変化してきた。今年の1年生は女子の比率が45%となり、さらに明るさが増した。

校 長: 神垣 憲雄
住 所: 〒732-0047 広島市東区尾長西2-12-1
電 話: 082-261-1296
交 通: JR広島駅北口より徒歩約14分、広電バス府中方面行・曙営業所下車徒歩約4分、広島バス(大内越峠経由)戸坂・東浄行(27号)または寺分・小河原行(29号)三本松下車徒歩約1分
学生数: 1,134名 (2013.9.1現在)
ホームページ: http://www.setouchi-h.ed.jp/

 

しつけと規律の
徹底指導は健在

 広島県瀬戸内高校はJR広島駅から徒歩14分、バスでも2駅とあってアクセスは抜群だ。平地に建つことや小中学校が隣接し、好環境といえる。改革後の本校を尋ねたのは7月の中旬、放課後だ。校内は部活や帰宅を急ぐ生徒、先生と談笑をしている生徒など、普段のありのままの姿があった。「明るい笑顔」が印象的で自然と出てくる挨拶には、基本的な生活習慣が身に付いていることが伺える。

 神垣憲雄校長は「現場の先生方が熱心に対応してくれていますので、生活目標が徹底できています。そのため学校が非常に落ち着いてきて、その影響もありここ2、3年女子生徒が増えてきています」と話す。

 校長が話す生活目標は5つあるが、一部紹介すると、「大きな声でこころを込めて挨拶します」「時間を大切にし、遅刻をしません」「真剣に授業を受け予習・復習をします」などだ。

 高校生にとっては当たり前と思われるかもしれないが、世間ではこういった基礎が徹底できる人間が求められている。また本校では生活目標を徹底して指導してきたことで、生徒たちの生活も落ち着き、勉強への取り組みも前向きになっている。今年卒業した卒業生たちも「瀬戸内高校は規律が厳しい学校なので、礼儀正しさが身につき人間的に成長できた」(大分大学経済学部合格)、「常に感謝の気持ちを忘れないことを瀬戸内で学びました」(高知大学教育学部合格)などと話しており、「しつけと規律の指導のないところに教育はない」という本校の基本理念が浸透していることがわかる。

新コースの導入で女子生徒も増加
国公立や難関大への合格率もアップ

 今年各コースに改革2期生が入学してきた。特に広島県唯一の「公務員コース」は、将来の目標設定が明確なのもあり、人気となった。特長は他校の授業では学べない一般知能分野(数的推理、判断推理、資料解釈など)を学べることだ。また実際に公務員試験で出題された問題を授業で扱い、実践力を育成する。

「全教科の先生が自分で公務員試験の研究をして授業をやってくれています。自分たちで決めたことなので一生懸命です。」と校長。

 実際に22年度の公務員の試験問題を見ると、四角の中に数字を入れて上下斜め同じ数にするには・・・といったクイズ感覚のものもある。「普通の勉強とは違っていて、生徒たちは楽しく授業を受けています」と入試広報の櫨木先生はいう。公務員の試験は3年生の6月から始まるため、2年生たちは「現役で合格を目指そう!」を目標に勉強に励んでいる。

 また1年全体の45%が女子となった要因のひとつが「看護医療進学コース」だ。近年多くの大学が看護・医療系の学部を開設していることでも分かるように、男女ともに人気なのだ。特徴としては理数系科目を充実させ、医療系の大学への進学を目指すもの。授業時間数は3年間で数学720時間、英語720時間、理科1040時間と県立高校の理数科と比較しても大幅に多い時間数となっている。また病院や大学で医療体験も実施される。

「先日も提携している広島国際大学に出向き講義と実習を受けました。本校に来てもらうこともあり、年間6回ぐらい行っています」と入試広報の高野先生。

 単体で募集をスタートした「特別進学コース」では、早朝・放課後補習の実施や習熟度別での夏休みの補習。加えて勉強合宿や少人数制授業、早期からの小論文指導の実施など豊富な内容だ。兼ねてからこのような取り組みを実施してきたことで偏差値のクラス平均が入学時から卒業時までに7ポイント上昇、国公立や難関大学への合格者推移も大幅に伸びた。

 その他「一般進学コース」は2年次で文系・理系の他「情報デザインコース」「スペシャリストコース」から幅広く選択できる。幅広いコース設定には生徒たちが将来の目標を柔軟かつ自発的に選択できるという意図もあり、例えば1年次に「看護医療進学コース」に在籍していても2年次に「特別進学コース」に編入することも可能となっている。そのために1年次のカリキュラムは本校独自のものが作られている。

強豪部活による相乗効果

 一方、瀬戸内高校というと強豪クラブが揃っていることで有名だ。全国レベルのクラブが多く、野球・サッカー・ゴルフ部は「強化クラブ」として特待制度を設けている。

「良い環境と良い指導者に恵まれて、生徒は思う存分力を出してくれています。野球とサッカーの両方が全国レベルでの強さという学校は少ないんじゃないでしょうか。ゴルフ部にも今年優秀な女子が入部してくれましたし、女子のバスケやテニスも力を付けてきて楽しみです。学習面との相乗効果で学校全体が明るい話題に包まれています。」と校長はにこやかに話した。

記者より一言

 学校改革の難しさは教員の意識だといわれている。その点、広島県瀬戸内高校は現場の先生方が中心となりボトムアップで改革を押し進めてきた。それだけに学校内が一丸となっている様子が感じられた。若い先生方が多く、今回の取材でその力強さが見せ付けられた思いだ。選ばれる私学として今後も楽しみな学校だ。

 
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