順調な生徒募集
人気の要因は、面倒見のよさ
記者が純真を訪れるのは3回目だが、緑豊かな自然環境にはいつも目を奪われる。敷地内には医療系大学や短期大学が併設され、生徒たちは充実した教育施設の中で“純真生”を育む。高台に立つキャンパスからは福岡の市街が一望に見渡せ、未来の自分に思いを馳せるにふさわしい環境だ。
ここ何年間の同校の生徒募集は順調に進み、校内は活気にあふれている。米山和広総括教頭は今年の募集状況を「定員230名に十二分に充足した形で入学してきてくれました。」とにこやかに語る。米山教頭は数ある私学の中で純真が選ばれたのは、伝統の「面倒見のよさ」だと分析をする。
「普通コースのキャリア教育プログラムCATの開講も、ある意味面倒見がいいことになります」。
加えて、進路面においても普通科に進学コース今年度よりを新設した。そして看護科看護5年一貫コースの再募集だ。地域の方々からの熱い要望で3年前に復活した。以上のように、進路の多様性が相乗効果となり募集につながったといえる。
CATで将来の自分さがし
複合講座でより多くの適性を
職業観育成を目的としたCAT(キャリアアドバンスタイム)が普通科普通コースに導入されたのが2年前だ。大津茂浩教務部長に開講の意図を聞くと「同コースの多くの生徒はまだ将来の目標は定まっていません。適正や資質を見極める一つのきっかけになれば」と語る。
専門学校に進学しても、自分の適性と合わず中途退学をしてしまう学生が全国的に多い。そこで専門学校などの協力を仰ぎ、多様な講座を開設しているという。
講座の内容は多彩で1年の基礎基本講座を入れると約25講座が予定されている。1年の間は勉強の姿勢を身につけるため、主要教科を中心とした基礎基本を勉強。2年になると併設の大学・短期大学や専門学校との連携で生徒が希望する講座を受ける。
受講する講座は保育士・幼児教育、看護講座・動物看護(ペット学)、ゲームクリエーター、漫画・アニメーション、理学・作業療法士、キャビンアテンダント、パティシエ、武道・護身術、自動車エレクトロニクスなどといった講座だ。
生徒は前期後期と月水の6、7限合わせて90分の講義を受ける。例えばキャビンアテンダントだと、専門学校に出向き実際の機内を模した座席を使って、乗客との対話や心得などを学ぶ。ただ、90分の講義は内容が深まりすぎるため、専門学校からの提案でより多くのものを体験するという意味で、複合した講座が開講される。複合講座を一つ受けることで3つ受けることができるのだ。
「現在の高3生がCAT開講の1期生ですから、彼らが卒業してはじめて、この講座の成果がわかるでしょうね。早くその声をききたいですね」と大津教務部長。
CAT受講後の高3男子に聞く
── A君は幼児保育講座を受けたんですね。
A君 キャンパス内に併設している純真短期大学にこども学科があるんですが、そこに出向いて授業をうけました。
── なぜこの講座を。
A君 小学校の先生志望なんです。理由は自分が小学校のときに憧れの先生がいたので、将来は絶対にあの先生のようになるんだと決意をしました。 |
── どんな授業でしたか。
A君 こどもたちとの触れ合いはなかったですが、虐待などの現状やこどもを理解するための基礎基本を学びました。役立ちますね。
── B君は美術の講座ですね。絵が好きだったのですか。
B君 いえ、苦手だったので、うまくなれたらいいかなと希望しました。インターネットで調べて絵を描いたり、ペーパークラフトもやりました。おかげで克服できましたし興味もでました。
── 二人とも進路はきまっているのですか?
A君 はい、県内の大学に進みます。CATはおもしろい講座があり、自分が何に向いているかがチェックできていいですね。後輩たちにはできるだけ多くの講座を受講することを勧めます。
B君 志望校は決めていますが、まだどういう職業につくかは決めていません。CATで考えようと思っています。
※記者の質問にも素直に答えてくれた男子生徒のお二人。大学名は密かに教えていただいたが、照れながら掲載はノーだと。純真生としてのプライドと可愛さがみえた瞬間でもあった。
今年度よりソンファン高校と、友好交流事業がスタート
純真では今年度より韓国・天安市のソンファン高校と提携し、交流事業をスタートさせた。両校の生徒が行き来し、授業交流やホームステイを行っていく。4月には本校の生徒が、5月には韓国の生徒が学校交流をした。ソンファン校には看護科があり、5月の学校交流では看護科の生徒が11名来日。病院の視察や、本校で書道の体験や看護実習をした。
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