入学前教育、フレッシュマンスクールで基礎学力アップ
JR博多駅から快速で13分。「福工大前」駅に直結という交通至便さでありながら、緑・水・光あふれる自然環境にある福岡工業大学。最先端の設備と自然が共存した美しいキャンパスは、平成17年度に、福岡市都市景観賞、花と緑の福岡県づくりコンテストの県知事賞をダブル受賞したほど。
本学には、工学部(電子情報工学科、生命環境科学科、知能機械工学科、電気工学科)、情報工学部(情報工学科、情報通信工学科、情報システム工学科、システムマネジメント学科)、社会環境学部(社会環境学科)の計3学部9学科がある。
前田 洋教務部長(情報工学部情報通信工学科教授 工学博士博士(工学))は、本学のスローガンの一つとして、丁寧な教育を挙げた。「最近の例では、工学部・情報工学部の8学科のうち7学科で行っている入学前教育があります。これは、推薦入試の合格者に対する基礎学力支援で、webを利用(利用できない場合は冊子)し、入学前に自宅で高校の数学の学習に取り組んでもらうというものです。他の2学科も独自の教材で入学前教育に取り組んでいます」と詳細を語る。一方、一般入試のすべての入学生には、入学直後に数学(社会環境学科は国語)の学力テストを実施。その結果、大学の授業についていけないスムーズに入っていけないと判定された学生は、フレッシュマンスクールと称する通年の課外授業で高校までの復習をすることになる。前田教務部長いわく「早期発見早期対応」で、脱落を防ぐのが狙いだ。
全学的なことでは、本学にはFD(Faculty Development)推進機構という組織が設置されており、教育内容や方法を改善・向上するための取り組みを行っている。これも、丁寧な教育のための活動の一環である。
また、少人数教育も本学の特徴。例えば、10〜20人という少人数ゼミナールを行って
いる学科が多数ある。さらに、卒研も学生8〜10人につき、教員1人が指導という面倒見のよさである。
手厚い就業力・就職支援で、高い内定率
本学のもう一つのスローガンは、「就職支援日本一」。“就職は教育の一環である”という認識の下、就業力育成と就職支援に努めている。
「就職課のサポートが非常に綿密です。卒研の教員も就職指導に力を入れており、内定を得られるまで就職課と協力して指導します。さらに、各学科に専任の職員を配置。学生の就職活動の状況がすべて把握できる体制となっていますので、活動が鈍い学生には、卒研の教員を通じて連絡をとり、相談に乗ったりしています」と、前田教務部長。特筆すべきは、関西や関東へ採用試験のために出かける際にかかる学生の往復交通費の全額支給(2回まで)。これら精神的・金銭的な手厚い支援が奏功し、今春の卒業生の就職内定率は95.0%(590名/621名中)と、厚労省発表の全国四大平均93.6%を上回る。
就業力育成の取り組みも就職内定率アップに直結していると見受けられる。「『4つの力』育成によるキャリア形成支援」と名づけており、平成22年度文部科学省「大学生の就業力育成支援事業(就業力育成支援GP)」に採択された。本取り組みは、就業力を@志向する力A協働する力B解決する力C実践する力の4つに分け、正規の必修カリキュラムの中に組み込んで履修することにより、育成を図るというもの。ちなみに、本学の中でも先駆けて、Aの協働する力の一部であるコミュニケーション教育に取り組んでいた電気工学科では、就職の内定が特に早く決まる傾向にあるという。
また、本学では各学科の特徴を生かしながら、資格取得を推進している。そのため、企業から即戦力としての期待度も高く、就職内定率を引き上げる一助となっている。 |
|
格付Aを取得。全国トップクラスの低学費
福工大の経営上の特徴は、中期・短期計画を立て、それに財政計画をからめ、すべての取り組みについてPDCA(Plan,Do,Check,Action)サイクルに基づいた経営管理を行っていること。つまり、計画的な予算管理と予算執行、チェックが行われ適正な黒字を出しながら経営しているというわけだ。前田教務部長は「本学は、財務評価の会社(R&I)から高く評価され、格付Aを取得しました。これは、西日本鉄道さんや都市銀行さん並の経営の健全性を保っているということになります」と自信あふれる笑顔で語る。だからこそ、採用試験にかかる学生の交通費支援も可能なのだ。しかも、全国トップクラスの低学費。平成24年度の初年度納付金は、全国の私立大(工・理工学部)で6番目に低額となっている。
志願者は6年連続で増加しており、今年はトータル5,200名余の志願者があった。一時、志願者がかなり減った本学では、平成18年度から各課職員総動員で、担当を固定し企業の営業活動をイメージした高校訪問を行い、各高校との信頼関係を構築した。志願者増は、その緻密な努力の賜物である。
本学が目指すのは、九州ナンバーワンの情報・環境・モノづくりの教育拠点。「九州で一番の工業大学になる」という目標を掲げ、多士済々の教職員一同が日々、研鑽を重ねている。
|
|