「進学」コース新設で
多様な進路に対応
村山敏之副校長は、「人づくりこそ学園の使命」と話す。人間教育を柱としてきめ細やかな教育をモットーに、進路面においても、「国公立大学を目指す」、「部活と両立しながら大学を目指す」、「専門学校に進む」、「就職する」といった多種多様な個々人の希望をくみ取って進路実現を行い、「面倒見のいい学校」という地域や保護者からの期待にいっそう応えていきたいとしている。
普通コースで昨年から始まった職業観育成講座(Career Advance Time)では、実体験を
交えた具体的な職業体験講座が開講している。系列の純真短期大学による保育士講座や専門学校講師による自動車整備講座などを受講した生徒から、興味が湧いたと早くも講座の目的に即した反応が返ってきている。
看護5年一貫コース
国家試験合格率、就職率100%
3年間の高校課程を終了後、2年間を専攻科で学び、看護師の国家資格取得を目指すのが「看護5年一貫」コースだ。普通科を卒業後、専門学校や大学で学んで資格を取得するよりも経済的、時間的メリットが大きい。ただし、高校3年次からカリキュラムの半分は専門分野が組み込まれるため、「よほどの覚悟を持って入学しないと、単位取得は厳しいですよ」と話すのは、看護科主任の中川五鈴教諭。
看護師として社会に出る年齢が、通常に比べ1〜2歳若いということもあって、患者の信頼を得られるよう、また、命を預かる職業に就く者として、言葉づかいや態度、振る舞いについても厳しく指導しているという。そのせいか、専攻科に進む頃には、学生の学び方は社会へ出る自分自身を意識した学び方に変わるという。「一つの学校で学生の成長ぶりを目の当たりにできることは教員として頼もしい」とも。
昨年はコースに在籍した5年生全員が看護師の国家試験に見事合格を果たし、全国で2番目の歴史ある看護科として、面目躍如たるものを見せつけている。50年の校史はまた、県内での実習機関の確保を充実安定させ、実習にかかる保護者の負担を軽減するという点でも貢献している。
就職は100%以上で、学生1人当たり5〜6件の求人が全国から寄せられている。また、看護師の特徴として、新卒者だけでなく、いったん離職した既卒者も就職率は高い。
今春、看護科全員とボランティア部が、同部顧問の杉野紀代子教諭の働きかけにより日本赤十字社青少年部に加盟した。日赤青少年部は、教育的効果を得ることを目的とした奉仕体験活動を行う団体でもあり、加盟により「気づき、考え、実行できる人物の育成をより進めていきたい」としている。
部活動記録
■女子バレーボール部
全九州高等学校体育大会 福岡県大会ベスト8
全国高等学校総合体育大会 福岡県大会出場
■陸上部
全国高校福岡県大会 個人800m2位,1500m3位,ハンマー投げ5位
(以上、インターハイ出場)
■剣道部
全九州高等学校九州大会 県大会 団体8位,個人3位
個人 九州大会出場
全国高等学校総合体育大会 福岡県大会出場
■囲碁将棋部
福岡県高文連将棋選手権大会 女子団体準優勝 |
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純真学園大学
チーム医療に貢献する
医療系4学科を同時発足
医療が高度化し、より質の高さが求められる現在、一人の患者に対し、専門職が一団となって治療に当たるチーム医療が求められている。こうした時代の要請を受け、今春、九州の私立大学としては初めて、看護学科(80)、放射線技術科学科(60)、検査科学科(60)、医療工学科(40)の4学科を保健医療学部に発足させたのが、純真学園大学である(カッコ内は定員)。
同学部長で医学博士の加藤亮二氏は、大学の使命を「地域に貢献できる医療従事者を養成すること」と述べ、各学科が有機的連携を行えるようカリキュラムが組まれていることを強調した。まさにチーム医療に必要なインタープロフェッショナル(多職種連携)の視点から生まれた大学といえる。240名の定員に対し、九州を中心に全国から受験者が集まり定員を上回る267名が今春入学した。系列の純真高等学校からは入学の優先制度が設けられている。
既述のカリキュラム以外の特色として、リメディアル教育(高校レベルの補習)の実施がある。最近の高校生の傾向として、化学、生物、物理を選択受講し、総合的に学べていない生徒も見られるため、必要ある学生に対しては学び直すための補習が組まれる。
学年が進むと国家試験までのスケジュール管理や模擬試験の実施が必要になるが、これらを全学的にサポートする国家試験対策チームが設置されている点は学生にとって心強い。さらに、就職支援では5〜8人のグループに担任制を設け、キャリアセンターなどと連携を取りながらフォローする体制がとられている。教員は半分が医療現場で20〜30年の経験を積んだ専門家である点は、新設大学の強みといえる。
系列の短期大学では
なお、純真学園の系列大学には「食物栄養学科」、「こども学科」を有する純真短期大学と「こども学科」単科の埼玉純真短期大学がある。食物栄養学科は栄養士の観点から、多様な「食」を提案するフードクリエイトコース、健康的な食としてのお菓子、パンづくりを学ぶ製菓クリエイトコースを設けている。
こども学科は、保育士、幼稚園教諭を養成する幼児教育コースと小学校教諭を養成する初等教育コースの2コース。 |
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