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中学・高校受験:学びネット

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嘉悦女子中学校・高等学校

 
  臨海副都心に移転し、男女共学化へ
 
女子教育が裁縫や一般的な教養を主にしていた1903年。嘉悦女子中学校・高等学校は日本で最初に女子を対象とした商業学校として創立された。
1世紀を経た現在も、人材の育成という建学の精神を推進する同校は、男女共学化を決定した。これを機に、東京都臨海副都心・有明北地区に新キャンパスを建設。2006年、同校は男女共学の中高一貫校として生まれ変わる。

校 長: 嘉悦 克
住 所: 〒102-8178 東京都千代田区富士見2-15-1
電 話: 03-3238-8863
交 通: JR飯田橋駅(西口)より徒歩5分、地下鉄有楽町線・南北線・都営大江戸線飯田橋駅より徒歩6分、地下鉄東西線飯田橋駅より徒歩7分
学生数: 中学校  201名
高等学校 725名 (2003.9.1現在)
ホームページ: http://www.fujimi.kaetsu.ac.jp/

 

夜のレインボーブリッジに、大輪の打ち上げ花火が降り注ぐ。学校案内のパンフレット見開き2ページに広がる夜景は、同校が移転を予定している臨海副都心。
新キャンパス予定地周辺には、緑豊かな有明テニスの森公園や洗練された総合ショッピングセンターもあり、新名所にもなっている。今後もリゾートホテル、高層マンション、店舗ビルなどが次々と建設される予定だ。そして、2006年には地下1階地上6階の校舎を有する同校の新キャンパスが完成。新たな都市空間に、男女共学の新生嘉悦が誕生する。

創立100周年を機に男女共学化へ

 同校は日本で初めて、女子を対象とした商業学校として1903年に創立された。創立者である嘉悦孝氏は、資源小国日本においては人的資源の育成が課題であるとし、当時立ち遅れていた女子実業教育の必要性を唱えた。
 そのときから1世紀が経過。
「現在では女性の社会進出も果たされてきましたので、建学の精神に立ち戻り、男女の別なく有用な人材を育成すべきであるとの考えに至りました」。
 嘉悦克校長は数年前から、100周年記念事業の一環として男女共学化を検討してきたと言う。
 2001年には、嘉悦女子短期大学を発展させた男女共学の嘉悦大学経営経済学部を開学。予想に反して、初年度から男子が7割以上を占めたことも、中・高共学化への思いを強くさせた。
 しかし、現在の富士見キャンパスでは敷地面積などの点で共学化は難しい。
「新たなキャンパスにおける教育展開の発展・充実のプランを策定しておりました」。
 そして、今年1月中旬に東京都が公募した「東京都臨海副都心・有明北地区への私立学校誘致」事業にエントリー。4月17日に東京都より同校が選定された旨の通知を受けた。 新キャンパス予定地は校地面積約1万8000平方メートル。グランド面積は現在のおよそ9倍!にも広がる。開校前年の2005年には、ゆりかもめ「有明駅」と地下鉄有楽町線「豊洲駅」間が開通し、通学の便も良くなる。
 しかしキャンパス移転と男女共学化という大きな変革を前に、嘉悦校長は何よりも在校生・保護者の理解を得ることを優先する。東京都の正式決定を受けて、生徒・保護者への説明会を相次いで開催。全校生徒の前で建学の精神を語り、共学化の意義を訴えたときには、期せずして声援と拍手が沸き起こったという。
「正直なところは期待と戸惑いが相半ばだと思いますので、今後も折りに触れて報告や説明を重ねていく予定です」。

進路に応じてフレキシブルに

 共学化に向け、指導方法などについても具体的な検討が開始されている。
 今年度は、新指導要領が実施されたことに伴い、高校のカリキュラムが大幅に変更された。卒業後の進路の多様化や、大学入試において自己推薦方式や課題論文方式などのAO入試が拡大してきていることにも対応している。
「社会や大学が求めているのは、自分の意思を持ち、自分の考えを適切な手段を用いて発表できる人間ではないでしょうか」。
 その能力を育成するために、今年度から「総合学習」の時間を活用。設定されたテーマに基づいて考えをまとめ、プレゼンテーションのトレーニングを重ねる。この「総合学習」は高校だけでなく、中学においても同様に実施されている。
 また多様な入試スタイルに応じて、選択科目制を発展させた。高校1年の段階で集中的に必修科目を履修させ、2年からは週20時間分を選択科目に充てる。そうすることで、生徒は自分の進路目標を実現するために必要な科目を選択できる。組み合わせによっては、全授業時間のうち3割を英語で占めることも可能だという。
 週休2日制については「学校6日・授業隔週5日制」を実施。行事を授業のない土曜日に行い、ウィークディは学習に集中できるようにした。1週33時間、1コマ50分授業により、公立高校に比べて3年間で合計315時間も多い授業時間を確保している。

新しい教育をアピール

 今回のカリキュラム変更は、事前に教科主任に抜擢された30歳代の若手教師陣が中心となった。
「男女共学を視野に入れた新しい教育を作り出してもらいたい」と嘉悦校長は期待する。
 現在、英・数・国それぞれの教科主任は「今後の中学高校における指導課題」をテーマとした研究論文に取り組んでいる。完成した論文に、カウンセラーによる「共学におけるカウンセリングのあり方」について述べた論文も加え、論文集「創立100周年特集号」を発行する予定だ。これによって、同校の共学化に向けた指導方針を学内外にアピールすることになる。
 そして、嘉悦校長が「本校の新しい教育を世に問う行事」と位置づける創立100周年記念式典が、10月1日に虎ノ門ホールにおいて開催される。当日はセレモニーと記念講演を予定。さらに、「これからの嘉悦」を象徴する新しい校歌(作詞:山上路夫、作曲:村井邦彦)が披露される。
「現校歌は創立当初に女子が歌うことを想定して作られたものですので、男子も一緒に歌えるように新たな校歌を作ることにしました」。
 式典で披露される校歌は、3年後の2006年入学式に、男子と女子の声を合わせて歌い上げられる。

 
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