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中学・高校受験:学びネット

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東洋高等学校

 
  飛躍的な受験生増を実現 改革は第2段階へ
 
2001年度の共学化と新校舎の完成を経て、国公立大学へ着実に合格者を出している東洋高等学校は、2004年度入試で受験者数を飛躍的に伸ばした。今後は国公立大合格者を2桁台に増やし、全コースの学力を下支えするため、新たにチューター制を導入、シラバスの見直しもはじめ、改革は第2段階へと進む。進学校へ上り詰める東洋高等学校の“過渡期”を取材した。

校 長: 齋藤 元治
住 所: 〒101-0061 東京都千代田区三崎町1-4-16
電 話:  
交 通: JR総武線「水道橋」駅徒歩1分
学生数: 1,126名 (2005.9.1現在)
ホームページ: http://www.toyo.ed.jp/

 

魅力ある学校づくりを進めようと東洋高等学校は、2001年にJR総武線「水道橋」駅前に13階建てのインテリジェントビルを新築、未来志向の校舎として注目を集めた。同時に共学化を実施し、進学実績の伸びも好評を得て2004年度入試で受験者数を2,100名〈定員350名〉まで伸ばした。第1段階の改革に成功をおさめ、今年度より新たな取り組みへ挑戦が始まった。

土曜講座を充実させ チューター制を導入

同校では最近、生徒の志望校、保護者の進学ニーズがともにレベルアップの傾向にある。以前は日大、駒沢大、専修大学などへ現役合格した生徒が、そのまま合格大学へ進学したが、昨年あたりから合格を辞退し一浪をしてでも上智大、青山大、立教大を狙う生徒が現れてきた。日大などのいわゆる中堅校への合格ラインが偏差値55程度とすると、60以上の偏差値が必要な大学への進学希望が増えているのだ。

また、筑波大、千葉大、埼玉大へ現役合格を出したことで、特に女子生徒の保護者のニーズとして、首都圏から通学可能な国公立大学への進学希望が増えている。同じ国公立でも首都圏の合格ラインの高い大学を目指すには、これまでの進学指導プラスアルファの工夫が不可欠となってくる。

広報主任の高橋徹教諭は「偏差値50台を60に上げるには勉強の量を増やせばいいのですが、60を突破させるには勉強の質的転換が必要です」と語る。この壁を破り、さらに国公立大への合格者を増やすため、2005年度から授業の見直し効率的な学習法など新たな改革をスタートさせた。

一つ目の改革は、これまでも取り組んできた土曜講座のさらなる充実とチューター制の導入である。土曜講座は受験の鍵を握るとされる英語・数学を中心に学校近くの予備校で講義を受けるというもの。これに加え今年度から導入のチューター制で、月曜〜金曜に予備校から同校へチューターを派遣する形で、図書館などで自主学習をする生徒の質問を受け付ける制度だ。これにより日常の補習体制を徹底させる狙い。従来の夏期特別講習や勉強合宿といった強化指導も継続して行う考え。一方で「総合的な学習の時間」を活用した人間力の養成にもこれまで通り力を注いでいく。貴重な体験談を聞くことでものの見方を養う講演会や、問題を見つけ解決法を探る力を育む学園祭などの行事に積極的に取り組む。これらの経験を基に将来の進路について考えるきっかけづくりは、意欲的に挑戦する姿勢を育む。「総合的な学習」を広く日常に生かすため、学年別に定めた目標「責任と強調」(1年)、「自立とプライド」(2年)、「勇気と飛躍」(3年)は今もことあるごとに生徒に確認させているという。「この目標を生徒の耳にたこができるほど確認させてきたことが、今年の大学実績に結び付いたのです」と高橋主任は総合学習の重要性を語る。

カリキュラムとシラバスの見直しにも取り組む

一般に国公立大を目指して5教科7科目の学習に取り組んでいた生徒が、受験間際になって、目標科目を3科目に絞り手堅く難関私大へと進路変更するケースが見られる。同校でも東京外大を目指していた生徒が、途中で上智大へ志望校変更を行った例がある。これは全教科ムラなく勉強をしなければならない国立型勉強法と、特定科目を深く重点的に勉強しなければならない私立型勉強法の違いからくるもので、国公立を受験する生徒は抑えの私立にも合格しなければならず、両方の勉強法を強いられるため負担が大きいのだ。「これを解決するにはカリキュラムを変更し、選択性に幅を持たせることと、シラバスを効率的に改編する必要があります」と高橋主任。

具体的には年に数回実施される模擬試験の出題年間計画とシラバスを合わせる。これまでの生徒は日々の授業を消化するための学習とは別に、模試対策のための学習を同時進行させなければならなかった。この学習法を、シラバス変更により日常の学習がそのまま模試対策になるようにすれば、時間的ロスが少なくなり学習の定着度も上がるという考えだ。
これら国公立大の合格実績を上げるためのさまざまな改革を具体的に推し進めるきっかけとなったのが、2005年の入試だった。同校では特進コースの募集で単願基準、併願基準ともに引き上げた。単願で5教科5段階評価の評定が20〜21ポイント、併願なら22〜23ポイントとした。併願なら「5」の評定が2〜3教科必要ということになる。相当の学力をもって入学してくる生徒を国公立大へ送り出す責務と意気込みがあらたな改革となって現れたといえる。「突発的に実績が上がるのは生徒個人の努力によるところが大きいが、継続的に実績をキープするためにはシステムの改編が必要となってきます」との高橋主任の言葉は今後の東洋の改革を表わしている。

3コースの特徴は次の通り。

▽ 特進コース 国公立や難関私大への受験に対応するコース。2年次から文系、理系の進路別学習へ移行する。幅広い選択授業の中から目指す大学、学部に必要な科目を選び、演習問題を多く取り入れ効果的、効率的な進学指導を行う。

▽ ICコース(International Communication)語学系、国際系への進学および留学を目指すコース。3年間の全授業の1/3に当たる34単位が英語の関連授業となっている。ネイティヴスピーカーの教員の指導はもちろん、実践会話力、コミュニケーション能力を育成し英検2級の取得を目標としている。

▽ 文理コース 部活動に打ち込みながら進学のための学力をつけるコース。2年次より文系、理系に分かれたカリキュラムを実施。私立大学への受験を前提に主要3教科に比重を置いた進学指導を行う。特進、ICコースへのコース変更も可能。

楽しめる学校とは

オープンキャンパスや学校説明会で同校を訪れた中学生や保護者の感想は「フレンドリーな感じ」や「みんな明るく楽しそう」で多くを占めているという。開放的な校舎のイメージもあるだろうが、高橋主任は「まず教職員が日常を楽しんでいることが大切です。それが生徒に伝わるのですから」と語る。生徒も保護者も確かな進学指導を求めるのと同じく、楽しく通える学校であることは学校選択の絶対条件だろう。同校では生徒の欠席や遅刻が少ないというが、そんなところにも生徒の満足度が見えるのではないだろうか。

 
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