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中学・高校受験:学びネット

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藤嶺学園藤沢中学校・高等学校

 
  和の心を育て、アジアから始める国際教育
藤嶺学園藤沢中学校・高等学校は、「21世紀を担う国際人の育成」を教育目標に掲げている。国際社会において日本人としてのアイデンティティを示す、茶道・剣道を必修科目に指定。コミュニケーションツールとしての英語を重視しながらも欧米に偏らず、身近なアジアにも目を向けた国際教育を展開している。今年3月には、念願の北京研修旅行を実現した。

校 長: 濱谷 海八
住 所: 〒251-0001 神奈川県藤沢市西富1-7-1
電 話: 0466-23-3150
交 通: JR東海道線「藤沢」駅下車徒歩15分、小田急線「藤沢本町」駅下車徒歩15分
学生数: 中学校  355名
高等学校 638名 (2005.7.1現在)
ホームページ: http://www.tohrei-fujisawa.jp/

 

人気高まり定員増へ

藤嶺学園藤沢中学校・高等学校は2001年に中学校を開校し、中高一貫教育をスタートさせた。中高一貫1期生は現在高校2年生。まだ進学実績は出ていないが、毎年多くの受験者を集めている。今年も募集定員を上回る131名が入学。昨年と同様に1クラスを増設し、4クラスとした。

濱谷海八校長は「今年は『当日受付』に予想以上の成績上位層が集まり、合格を手にしました。そのあおりで、本校を第一志望としていた生徒が不合格となるケースもあったようです」。

こうした状況を受けて、来年度入試より募集定員を105人から140人に増やすことを決定し、申請中という。

また今年度で、中高一貫生が全生徒の半数以上を占めるようになった。
「高校入試では進学実績が重視されますが、中高一貫校は学力養成と人間教育の両面で評価されます。学校全体としての姿勢や取り組みが問われるわけです」。
同校では中学入学時より、全教員が一致して礼儀や授業態度などを指導。また豊かな人間性を養うために、茶道と剣道を必修としている。

伝統文化の「静と動」に学ぶ

男子校だけに、茶道に対する反応はまちまちだ。最初は気の進まない様子の生徒もいるという。

しかし濱谷校長は「お手前の作法を覚えさせることが目的ではありません。6年間をかけて、お客様を『もてなす心』を学んでもらいたい。また週に1時間でも茶室に座ることで静寂を感じ、季節の茶花や掛け軸を目にする。こうした積み重ねが生徒たちの感性を磨いていきます」。中高時代に茶道を学ぶ意義は大きいと語る。

中学卒業時には、父母・祖父母を招き卒業茶会を催す。生徒たちは袴を身に着け、慣れた手つきで茶を点て、ふるまう。我が子の成長ぶりを目の当たりにした保護者から、同校の教育方針を高く評価する声が寄せられると言う。

「静」の茶道と対極をなすのが「動」の剣道だ。剣道は高校2年次までの必修。中学時代は体操服だが、高校生になると正式に胴着を身に着け、竹刀を構える。
茶道も剣道も形から入り修行を積むことで、その精神を自分のものとしていく。濱谷校長は勉強も同じと言う。「基礎基本を徹底して覚えて初めて、自分の学習スタイルができあがります」。

そういう意味で茶道・剣道は、学習面においても良い影響を及ぼしていると言える。また将来国際社会に生きる生徒たちに、日本人としてのアイデンティティを意識させる機会でもある。

センター試験に自信

「国際人の育成」を掲げる同校では、英語教育に力を入れている。中1・中2の体育はネイティヴが担当。つまりアクティブイングリッシュの授業でもある。中学1年次では英語の授業を週に6時間、2・3年次では7時間を設定している。そのうち2時間はネイティヴによる英会話の授業。

第1期生を、中学1年の時から5年間担当してきた英語科の広瀬政幸教諭は「高校募集の特進生と比較しても、音声面での力は一貫生の方がはるかに優れています」と話す。
今年2月、第1期生にTOEICを受験させたところ、リスニングセクションの平均点は大学生レベルに達していた。

広瀬教諭は「来年度よりセンター試験の英語にリスニングテストが導入されます。250点のうち50点を占めますので、一貫生にはかなり有利です」と自信を見せる。
もちろん、他の教科についてもきめ細かな学習指導が行われている。

成績が伸び悩んでいる生徒対象の補習だけでなく、中学2年次からは学力上位層をさらに強化する「発展演習」講座を放課後に設けている。

中学3年次で英数2教科の習熟度別授業を実施。高校進学後、2年次まではセンター試験対策として全員同じ授業を受けるが、3年次からは進路希望に応じた授業を選択する。
これらの教育システムを支えているのが、教師陣の熱意だ。時間を惜しまず生徒一人ひとりと向き合う。

例えば、中学3年間は生徒と担任教師の間で「生活ノート」を交換する。1年生は毎日、2年生からは週に一度、学校生活や社会のできごとについて自分の考えを記して提出。担任は一人ひとりのノートにコメントを書いて返す。

「1年生は友人関係の悩みなどを書いてきますが、2・3年生になると担任との意見交換が主になります」。

こうした取り組みが、「面倒見がよい」「安心して預けられる」と保護者から高い評価を得ている。

アジア発、世界へ

今年3月、中学3年の最後の春休みに、第2期生は中国・北京に5泊6日で研修旅行に出かけた。昨年は中国全土で流行したSARSの影響で中止となったため、中学開校以来初の研修旅行である。

研修先に北京を選んだのは、「アジアに目を向ける」との教育方針に加え、経済成長著しい中国社会とその教育水準の高さにダイレクトにふれさせたいという思いからだ。
現地では中高一貫の進学校の生徒たちと交流。さらに、生徒の家庭にひとりずつ、2泊ホームステイした。

同行した濱谷校長は「北京の街では中国語が飛び交っているのに、学内では当たり前のように英語で話している。毎日放課後に5時間も勉強する。そんな姿を見て、本校の生徒たちはショックを受けたようです」。

ステイ先ではホストファミリーがそれぞれ手厚くもてなしてくれた。ある家庭では皆で餃子づくり。ともに北京観光やショッピングを楽しんだりもした。あるホストファミリーは、観光地化されていない万里の長城の入り口を、何ヵ所も案内してくれた。
人々の暖かい心にふれ、生徒にとって忘れられない研修旅行となった。現地の生徒とすっかり仲良くなり、帰国後もメール交換している生徒もいる。またある生徒は感想文に「日中間にさまざまな問題があるが、友情に国境はなかった」と書いている。

濱谷校長は「中国という、同じ非英語圏のアジアの国だったからこそ、人々の姿から多くのことを感じとれたように思います」と話す。

高校1年では、希望者がニュージーランド・オーストラリア語学研修へ出かける。
同校の「アジア発の国際教育」から、将来どのような国際人が育つのだろうか。期待は大きい。

 
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