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中学・高校受験:学びネット

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東星学園中学校・高等学校

 
  心も育てる充実の少人数教育
 
東星学園中学校・高等学校は、中高一貫の女子カトリックミッションスクール。1学年2クラスという少人数制のメリットを最大限に生かし、生徒一人ひとりと向き合いながら「心を育てる」教育を実践している。学習指導面では、今年度よりカリキュラムを変更。中高ともに主要教科の時間数を増やし、進学指導にもより一層の力を注ぐ。

校 長: 加勇田 修士
住 所: 〒204-0024 東京都清瀬市梅園 3-14-47
電 話: 0424-93-3203
交 通: 西武池袋線秋津駅より徒歩約10分、JR武蔵野線新秋津駅より徒歩約15分
学生数: 中学校  110名
高等学校 95名 (2005.5.1現在)
ホームページ: http://www.tosei.ed.jp/

 

多様な進路希望に対応

東星学園は、1936年にフランス人の宣教師ヨゼフ・フロジャック神父により創立された。現在は同じ敷地内に幼稚園から高校までの学校施設と、教会や病院、老人ホームなどを併設している。

同校は創立以来、少人数教育によるきめ細かな教育を特色としてきた。

中学・高校ともに1学年2クラス。定員は60名である。

併設の小学校からは毎年30名ほどが中学に内部進学している。高校は、以前は普通科と衛生看護科が1クラスずつだったため、衛生看護科のみ外部募集していた。ところが高校課程では准看護師資格試験の受験資格を得られなくなり、2001年に衛生看護科の募集を停止。普通科2クラス体制へと変わった。同時に高校においても外部募集を開始した。

加勇田修士校長は「『看護衛生科の東星』として広く知られていましたので、普通科高校というイメージが定着するまでにはしばらく時間がかかりそうです」と話す。

しかし同校はこの間、着実に大学進学実績を上げてきている。以前は、指定校推薦により上智や白百合女子大などに進学する生徒が多数を占めていたが、ここ数年は一般入試に挑戦する生徒が増えている。今春の卒業生も一般入試で東京女子大や学習院などに合格を果たした。4年制大学進学率は8割を超えている。

さらに、理学部や薬学部・獣医学部など理系学部をめざす生徒も目立つようになった。これまで同校のカリキュラムは文系対応型であったため、理系志望の生徒は高校3年次の選択授業で初めて数3や物理2を学んでいた。しかしそれだけでは学習量が不充分なため、担当教師が早朝や放課後に個別指導を行ってきた。

そこで今年度よりカリキュラムを改編。英・数・理を中心に授業時間数を増やすとともに、理科は高1から、数学は高2から選択科目を履修できるように変更した。

「今後は、より多様な進路希望に対応していきます」。
  なお中学の方も主要教科の授業時間数を増やし、基礎学力のより確かな伸長をめざす。
相互理解を深める

同校の教育は「キリスト的愛の精神」をベースに「人間の価値とその使命を尊ぶ」ことを基本としている。「その使命」とは、自分が愛されていることを知り、また、人が相互に愛し合うことである。

他者と自己を深く理解し、尊重する心を育てるために、加勇田校長は人と人とのかかわり合いを重視する。

「他者は自分の感情や行動を映してくれる鏡です。普段は意識せずに発している言葉や、とっている行動が他者にはどのように伝わっているのか。本音で交流することによって初めて気づかされます」。

加勇田校長は2002年度に同校の校長に就任するまで、公立高校でスクールカウンセラーとして活躍されていた。カウンセリング関係の図書に共著者や編集者として名を連ねたり、各地の講演会に講師として招かれることも多い。「心の教育」の専門家である。

同校では加勇田校長の指導のもと、相互理解を深めるプログラムが実施されている。

例えば、生徒同士がグループで話し合う場面では、「金魚鉢」といわれる方法がとられる。これはまず、話し合いをするグループ5名ほどが円形に座る。その1人ずつの横に観察者がつく。観察者は自分がついた相手を観察し、話し方の特徴や、人の話を聞く態度・表情・身振りなどを記録する。

「金魚鉢」とは、話し合うグループを金魚に、金魚につく観察者を金魚鉢に譬えて名づけられたものである。

さらにもう1グループ、金魚と金魚鉢を外側から眺めるグループが存在する。このグループは全体を観察する役割を受け持つ。

話し合いが終了すると、金魚鉢と外側の観察者は金魚の良かった点や改善点を発表する。一方金魚は指摘を受けてどのように感じたかを話す。これをローテーションで繰り返す。
「回を重ねるごとに『自己盲点』に気づき、話し合いも深まります」。

このような、集団の教育力を生かしたトレーニングが日常的に行われ、生徒たちのコミュニケーション能力をも高めている。

学習旅行の成果を舞台化

入学式や五月祭などの行事はすべて、生徒が企画・実施している。

例えば中学3年次と高校2年次に出かける学習(修学)旅行は、生徒がテーマや行き先・学習内容を決める。そのため1年以上も前から話し合い、時間をかけて準備を進める。

ある年の高校2年生は沖縄に出かけた。現地ではグループに分かれて、一般家庭で料理を習ったり、沖縄の歴史や伝統文化に触れる体験をした。

翌年の5月祭では、その成果を展示と舞台で発表。語り劇「ひめゆりの塔」は、現地の人々との交流を通じて感じた気持ちを演技や歌、踊りによって表現したもの。観客の涙を誘い、平和への意識を深めさせた。

この舞台発表も企画から上演まで、生徒たちが協力して進めてきた。

「準備の過程で意見の違いや葛藤も生じます。ときには悩み傷つくこともあるでしょう。しかしそれらを乗り越え、互いに協力して仕事を成し遂げたとき、生徒たちは大きな達成感を味わうとともに、自分が仲間や先生方に支えられていることに気づきます」。

生徒の「心の成長」のプロセスは、行事に取り組む前と準備の最中、そして終了後に記した作文からも見てとれる。同校では行事の意義を確認するために、作文を書かせるようにしている。

高校3年生の1月には原稿用紙10枚以上にも及ぶ「卒業の心」と題する作文を提出する。そこには6年間を振り返った思いが綴られている。

内容で一番多いのは、両親やクラスの仲間・後輩に対する感謝。そして、人間関係のなかで得たものを自分の財産としていることだ。

この作文をもとに生徒は校長の卒業面接を受け、卒業式に臨む。

「一人ひとりの成長を見届けます」と加勇田校長。
少人数制の同校では入学から卒業まで、全教職員が生徒一人ひとりを見守っている。

 
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