偏差値アップ、1クラス増の中学校
最寄りの駅から徒歩1分、公立中学校や運動公園などがある静かな環境に青稜中学校・高等学校は位置する。校名と同じ爽やかなブルーが印象的な校舎と「青稜」の「S」をデザインしたエンブレムがおしゃれな紺色の制服。学校案内のポスターやパンフレットに使われている可愛らしいグリーンの豆のキャラクターは教師らが考案、「秘められた力に出会いたい」という学校の理念を表現したものである。
明るく、元気な校風と、進学校として年々伸びる実績は、今年も多くの受験者を集めた。中学校の今年の受験者数は定員の10倍余り。トータル数で言えば、昨年よりも多少下回ったが、「結果的には受験者の偏差値が3〜4ポイント上がっていました。偏差値が一定以下の生徒達が敬遠した結果だと思います」と生徒募集対策部長の多々良明典先生は説明する。入学希望者も多かったため、今年は1クラス増の5クラスとなった。
英語教育を重視したカリキュラム
同校は大学進学を目指し充分な授業時間を確保するため、週6日制・2期制だ。中高一貫教育で、多様な教育プログラムを編成しており、中学1〜3年までは、じっくり基礎を固めた上で、高校での受験対策につなげていく。特に英語には時間を割き、1クラス40名を2つに分けた少人数制、習熟度別授業で、効果的な指導を行う。この他、週2日の外国人教師による英会話や英検に向けた講義が行われる早朝学習(7時半より40分間)や、外国人講師と過ごす3泊4日のイングリッシュサマーキャンプなど多彩な取り組みが用意されている。
数学も習熟度別クラス編成を行い、ティームティーチングでわかりやすい講義ときめ細かなケアを軸に授業を展開。また国語・英語・数学実施したり、週1回、「質問の日」を設けるなど基礎学力の一層の伸長につなげている。
難関大学合格実績は昨年の2倍に
今年の大学合格者数は、国公立大学に21名、早稲田大など難関私立大学に30名、明治大など有名私立大学に79名の計130名。この数字は昨年の約2倍である。大きく実績が飛躍した理由を多々良先生に聞くと「2001年から10年後には200名を目指して努力してきた積み重ねの結果です。計画よりも早く数字が伸びていますが」と答えが返ってきた。国公立、理系大学への進学の対応を強化し、最も効率的に学んでいけるように受験指導体制を整えている。
2年次進級時に文系・理系に分かれ、さらに習熟度別クラスの編成や、幅広い選択科目の設置により、多様化した大学入試に向けた授業を展開。カリキュラムの改善・刷新も続けられ、今年から始まるセンター試験のリスニング対策として、高校2年よりオーラルコミュニケーションを加えた。
進路指導に関しては、高1より校内のみならず外部の年4回の模試を取り入れながら
一人ひとりきめ細かくサポートしていく。
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人間性を豊かに育てる「八ヶ岳自然教室」
人間教育も重視する同校では、大自然の中、八ヶ岳での宿泊研修を多面的に展開している。1年〜4年までは3泊4日〜4泊5日、5年は2泊3日の日程で、夏は山歩き、農作業体験、環境学習、冬はスキー、そして語学研修(イングリシュキャンプ)などを行い、寝食を共にする触れ合いの中で集団生活における基本的なルール、人に対する思いやりなどを育む。
「卒業する時、一番の思い出は?と生徒に聞くと、『辛かったけれど、心に残っているのは耐久歩行(山歩き)です』、と言う生徒も結構いるのですよ。季節によって大きく姿を変える大自然の姿や、初体験の出来事に思い出もたくさんできるでしょう」と多々良先生。
カナダ短期英語研修で力をつける
希望者を対象に、高校1年の夏休みに4週間、カナダ英語研修が行われる。カールトン大学を学習の拠点に、徹底的に英語を学ぶもので、同校独自の研修だ。4週目には観光やアクティビティも楽しむが、目的はあくまでも英語習得。カールトン大学の講師らがまる1日講義などを行う。希望者は中学3年から準備を始め、帰国後は流暢に英語を話せるようになるという。
「以前はホームスティを中心に研修を行っていましたが、各自取り組みに差があるので、徹底して英語を勉強できるプログラムに変更したのです。思う以上に効果が上がって喜んでいます」と多々良先生は話す。
ところで校長の吉村睦人先生は、今年就任2年目で、ハイレベルな進学校として有名な開成中学の元教頭。
「有名校から迎えた校長ですが、大きく方針を変えることはせず、従来の理念や方針に沿い、全力を注ぐことに集中していますよ」と多々良先生。吉村校長と共に、生徒一人ひとりに向き合い、夢の実現に向けて日々努力し、サポートしていく全スタッフ。学校の大きな芽も未来に向かってぐんぐん伸びている。
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