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中学・高校受験:学びネット

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日本学園中学校・高等学校

 
  歴史と伝統をもとに 新しい指導で生徒を導く
 
119年という歴史の中、多くの著名人を輩出してきた日本学園中学校・高等学校。近年では5年前に就任した校長の下、その指導方針やカリキュラムを一新、実績を伸ばし、社会に通用する人材を育成してきたとして多方面から徐々に注目を集めている新しき伝統校である。

校 長: 槇 學
住 所: 〒156-0043 東京都世田谷区松原2-7-34
電 話: 03-3322-6331
交 通: 京王線・井の頭線明大駅下車徒歩8分
学生数: 中学校  37名
高等学校 962名 (2004.11.1現在)
ホームページ: http://www.nihongakuen.ed.jp

 

生徒に自信と実力を与え成功させた学校改革

 来年度創立120周年を迎える日本学園は、その長い歴史の中、様々な著名人を輩出してきたことでも知られている。作家の永井荷風、日本画家の横山大観、岩波書店創業者の岩波茂雄など、文化勲章受章者も少なくない。その一方、近年、9年前に再開した中学校に荒廃が目立ち、周囲の信頼を徐々に失ってきたのも事実。それを回復しようと立ち上がったのが、5年前に就任した槇學校長である。
「就任当時、中学の現状を見たとき、その状況に対して焦ることが最も禁物だと感じました。時間をかけ、基礎からやり直し、生徒の自信と実力を取り戻すことでの回復を狙ったのです」。
  そう語る槇校長が取り組んだ改革は多岐に及んだ。まず、放課後の時間を使い、生徒のほぼ全員に夕方まで補習授業を実践。その日の授業を復習で完全に理解させ、学力の定着を試みた。同時に、生徒に明確な将来目標を持たせて、モチベーションの持続を図ったのである。一方、中学生に対する指導ノウハウをしっかりと身につけるように徹底させ、教員の実力アップも実践した。これらの改革により成績は向上、生徒の大学などへの現役進学率も75%を超える高い実績を上げるようになった。
「高い現役進学率は、生徒の目標に合わせた新路指導を行うために、有名大学へ焦点を合わせた進学を促していないという原因もあるんですよ」。
  槇校長はそう言うが、実績アップに尽力する私学が多い中、生徒個々の適性に合わせた進路を探して導くのは、そう簡単なことではない。それでも、ともすれば生徒が自信を失うことの多い今の時代に、しっかりとした実力を付け、目標達成感を味わわせてやることで、人生に対する自信を持って日本学園を卒業すれば、必ず社会で役立つ人間になると、日々、校長を筆頭とする教員たちは、生徒指導に力を尽くしている。

生徒を中心にした指導法で学力も精神力も健康に

 槇校長が導入した日本学園の指導法は、3つの柱から成っている。
  まず1つ目は、生徒の目から見たより良い授業の確立。教師中心の知識注入型授業から脱却し、知識を得ることが自分の世界を広げることになると生徒に認識させる。各教科としては、英語ではテキスト内容を各学年2学期までに終え、3学期はその学年の総復習に使う。数学では数検合格を目指した問題演習を、国語では教科書の範囲を超えて古典から現代小説まで様々な文に触れて読解力を育てるなどの工夫がなされている。また、最新IT技術を駆使し、インターネットや様々な社会の中であふれる情報をどう分析し、処理するかという情報科も採り入れられ、一層現実社会へ貢献できる能力をアップさせている。このようにして、生徒がモチベーションを保って努力しやすいように、わかりやすく、興味を引かれるような面白い授業を心がけるのだ。
  2つ目は生徒に自信を持たせること。授業や様々な行事を通じて、生徒全員が力を発揮できる場面を与えるために、設備や資材の投資と教員の努力は惜しませない。
  そして3つ目が生徒の精神の健康状態を見極めることである。生活指導と言えば、服装規定や飲酒・喫煙などの徹底排除が目的になることが多いが、それだけではなく、生徒の小さな変化まで目を光らせて、それが一定の幅を超えたと感じれば指導を行うのだ。これは、担任のみに科せられるのではなく、学年教員や学校全体でのフォローも視野に入れられる。
  この指導を公立校在籍時から教師人生の指針としてきた槇校長は「日本学園自体は決してハードルの高い学校ではありません。ですが、入学してきた生徒には、成績優秀でなくとも必ず長所がある。それに気付かせて適性を伸ばし、プラス評価をする『キャリア・エデュケーション』を行うには、これらの指導方法が必要なのです」と語る。
  また、時代が共学化へと流れる中で、日本学園は男子校のスタンスを崩さない。昭和の後半から平成にかけての社会現象は、女性が強くなってきたのではなく、男性が弱体化したのだと受け止めて、理念的に男女の性差を考え、それがどのような意味を持ち、自分が男性としてどのように生きるべきかを学ぶには、まだ多くの学校でカリキュラムすら開発されていない。しかし、今後の社会では必ず必要とされる理念である。そして、その理念を教えるためにも、今の男子校としての存続が必要なのだそうだ。
  来年度の120周年には、平成19年竣工予定の校舎改築も予定されている日本学園。さらに、成績優秀者や難関諸大学を目指す生徒を対象にした特設コースなども設置を予定しているという。一度辛酸を味わった学校が見せてくれた回復は、今後の上昇への期待をさらに膨らませてくれる。

 
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