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中学・高校受験:学びネット

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自由の森学園 中学校・高等学校

 
  自然の中でグローバルな人材を育成
 
自由の森学園は、明星学園中学校の校長だった故・遠藤豊氏らが「自立と自由」への教育を実践するために1985年に創立した。
 従来の点数や成績という一元的な物差しで子どもたちを序列化する能力主義の教育を超え、子どもたち一人ひとりの可能性を見守り、引き出して行く教育を行っている。尊厳を基調に人間性の本質に深く根差した教育は、賢さと正しさと真の優しさを育んでいる。

校 長: 塩瀬 治(中学校)/坂本 匡之(高等学校)
住 所: 〒357-8550 埼玉県飯能市小岩井613番地
電 話: 0429-72-3131
交 通: 西部池袋線飯能駅下車南口・スクールバス15分、八高線東飯能駅下車・スクールバス15分、八高線高麗川駅下車・スクールバス25分
学生数: 中学校 205名
高等学校 698名 (2003.5.1現在)
ホームページ: http://www.jiyunomori.ac.jp

 

新しい「日本人」を育成

 今年の3月と4月、最近の自由の森学園の取り組みが全国にテレビで放映された。一方は、イラクの高校生たちと衛星回線を使ってイラク戦争について討論会を行ったこと。もう一方は、従軍慰安婦に関する話を体験者を呼び、実際に聞く講演会を地元の高校生たちと共催したことだ。
「従軍慰安婦問題は、もともとは、『韓国講座』として韓国語を学ぶだけでなく、韓国の高校生とホームスティをして交流していた時に、出てきたことなんです。従軍慰安婦問題のことを生徒たちが知って、とても驚き、胸を痛めたんですね。そして真実を聴きたいと日本に来て話してくれる方を探し、講演会を開きました。この時、自分たちで問題に思ったことを拾い上げ、考え、具体的に活動につなげることができる生徒が育っているんだな、と実感しましたよ。その力は、今後日本人に一番必要なことなのではないでしょうか」と中学校の塩瀬治校長は胸を張る。

自分らしさを大切に

 同校は、自立した自由へのはっきりとした意志を育てることを教育の基本的な目標としている。自分自身を発見し、作っていくことを助ける「観(もののみかた)」を形成するため、授業は従来の一定のカリキュラムをこなす形ではない。偏差値で子どもたちを序列化することを排除、試験もなく、成績表もない。教材を媒介にし、そこから生まれる疑問や不思議を教師と生徒、あるいは生徒同志の交流の中で追求していく形がとられている。授業は、大きく3つの要素に分けられる。「等身大の体験」・「高い表現」・「深い知性」だ。
「学校の最大の権威は真理だという言葉がありますが、深い知性とは、美しい物、本物を知ることです」。また、「高い表現」とは、身体文化としての郷土芸能や踊りを学んだり、自由にものを作り、描いたり、文章化していくこと。一人ひとりの感覚や感情を育むことがねらいだ。
「等身大の体験」は、地球規模で環境を学んだり、農業体験を行ったり、マスコミにも取り上げられた国際交流型総合学習を行うことで、「学びの必然性」を実感し、体験できることを大切にしている。
「環境問題をテーマに学びながら、ドイツへ研修旅行へ行き、学校教育生物センターでの授業体験など進んだ環境問題への取り組みを学ぶ授業があるのですが、うちの生徒は物怖じせず、疑問をぶつけたり、意見を言うので驚かれるんですよ」と塩瀬校長は微笑む。

マニュアルのない授業

 授業は、生徒たちの発見を大切に、興味を育て思考する力を育むことを主眼に置かれているため、教科書の他教師の手作りのテキストも使われる。教師たちは毎週教科ごとに検討会を行ったり、外部の研修会や勉強会に積極的に参加し、より高いレベルの授業を展開できるよう努力している。
 1クラスは30人で、一人ひとりを大切にした教育を行い、自由に意見が言えるよう、
教師は生徒からも「さん」づけで呼ばれる。
「教師に対して丁寧語を使わないので、外部の方は違和感を感じられるようです。でも、萎縮せずに誰にでも自分の考えを言えることの方を大事に考えているのです。基本的なマナー違反はもちろん注意しますよ」と塩瀬校長。

生徒たちが作る行事

 入学式をはじめ様々な行事はすべて生徒が主体となって、生徒と教師の共同作業で創られる。自由に意見を出し合い、話し合って決めていくためエネルギーも相当要る。
「例えば体育際について話し合うとき、まずは体育祭をするかどうか、から話し合うんです。内容についても異なる意見がたくさん出ますから、大変な作業ですが、討論する力が鍛えられます」。ちなみに修学旅行は、「西表島でイルカに会いに行く」、「四国の四万十川でカヌーをする」などの意見にまとまり、4つのコースで楽しんだ。

生き方としての進路

 学びは、単に出口(大学進学や就職)や正解を求めるためだけではなく、「生き方の進路」を結果として選択するために存在すると、同校では考える。
「進学率だけを切り取って公表すれば、国公立大や海外の大学などに多くの生徒が進学しています。進学希望者の6割は推薦で入ってるんですね。でも、それは彼らの生き方の上にある手段でしかなく、学校がそれにこだわる必要性を感じていません」。
 自由の森学園の教育は、従来のものとは異なるためわかりづらいという声もあり、毎年学校説明会のほか自由の森フェアを練馬で開催している。今年は10月5日。自由に伸び伸びと学びたいことを学び、地球的視野で生きていく子どもたちを育てている同校。今後も注目したい。

 
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