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中学・高校受験:学びネット

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二松學舍大学附属高等学校

 
  学校改革はいつでも気づいた時に
スピーティーに取り組む
東京の中心、千代田区九段にある二松學舍大学附属高等学校。皇居のほとりに位置する本校は四季折々の自然に恵まれ、屈指の教育環境を誇る。通学路には日本武道館、国立近代美術館、各国大使館など文化的建造物が並び、生徒の感性を育むエリアでもある。
「学校改革はいつでも、気づいた時に、スピーディーに取り組む」というポリシーを貫く松葉幸男校長に、就任2年目を迎えての総括と中長期的な展望を伺った。その中で、改革を実現するための礎として、周囲から賛同が得られるリーダーシップの重要性が語られた。

校 長: 松葉 幸男
住 所: 〒102-0074 東京都千代田区九段南2-1-32
電 話: 03-3261-9288
交 通: 東西線・半蔵門・都営新宿線「九段下」駅徒歩7分、JR線・地下鉄「市ヶ谷」」駅、「飯田橋」駅徒歩15分
学生数: 682名 (2013.9.1現在)
ホームページ: http://www.nishogakusha-highschool.ac.jp

 

改革の第一歩は「挨拶」
今年は「高めあう仲間づくり」

 校長に就任して2年目を迎えた松葉幸男氏は、前職の二松學舍大学勤務時代を振り返り、「正直に言えば、附属高校の生徒にはアピールするものがなかった」と、外部から見た印象の薄さを指摘。着任して「本校の変革の第一歩は挨拶から」と、直感したという。集団生活の中で、人間関係を円滑にするための基本である「挨拶」をテーマに1年間キャンペーンを実施、効果はすぐに表れた。公開授業や保護者会などで来校した人たちから「とても気持ちのいい挨拶を受け、嬉しい」という声が上がり、学校の雰囲気そのものが明るくなった。

 今年は改革キャンペーン第2弾として「高めあう仲間づくり」を実践中だ。全国で問題になっている“いじめ”について調べると、見たこともかかわったこともないという生徒は皆無だった。そういう集団と一緒にいたくないと吐露する生徒も多くいる。だったら、属して楽しい、振り返って懐かしいと思える集団づくりをしようと、今年の始業式から訴えかけている。

 「本校の学校改革は、135周年事業として発信するだけではなく、問題となっていることに敏感に気付き、気付いたときに速やかに解決すること」と松葉校長。大切なのは評論家・第三者意識を退け、当事者意識をもって本気で取り組む姿勢だという。さらに、周囲の賛同を得てこそ、校長としてリーダーシップが発揮できるのだと強調する。

柏キャンパスに
全天候型グラウンドを建設

 唯一、校長のトップダウンで決定したのは、柏キャンパスグラウンドで実施する体育の授業だった。本校では夢や目標を叶える「未来力」を養うために、人間力・進学力・語学力・創造力の4つの力を高めることを提唱しているが、松葉校長は、そこにもう一つ大事な能力として「体力」を加える。知・徳・体の体を鍛える器が学校になくてはいけないと訴えた。

 今までは、体力をつけるために皇居前を集団で走り、校舎の地下にある体育館を利用するなどさまざまな工夫をしてきたが、積極的に身体の育成を図るには不十分と判断。これまでと異なる体育の在り方や巨額の建設費を投じることへの疑問の声もあったが、水はけの悪い土地に排水路を掘り、人工芝の全天候型グラウンドに造り替え、創立65周年にして初めてキャンパスグラウンドが完成した。1年の歳月を要したが、今年4月から学年ごとに月1回、250人がスクールバスで移動し、3時間の集中体育の授業が行われている。その他、サッカー・野球・ソフトボールなどの部活動はもちろん、合宿所も備えたグラウンドは大いに活用が期待されているという。グラウンドで思う存分走りまわる生徒たちの姿が浮かぶ。

 「当初は柏体育に積極的ではなかった先生たちも、生徒のためだという理解が得られると、とてもスピーディーに物事が進みました。時として建前に隠れた本音、サイレントオピニオンを汲み取ることも校長の役目です」と、苦労が報われた喜びに顔がほころぶ。

弱点克服のプログラムで
進学実績の向上を

 学校改革を順調に進めてきた本校だが、進学実績が伸び悩んでいることに疑問を抱いてきた。補習、勉強合宿、夏期・冬期講習会、予備校講師による特別授業と多彩な学力アップの行事が実施されているのになぜだろう? と半年間考え続けた松葉校長は、ある結論に達した。講座内容が行事ごとに完結し、テーマを共有・連動させるプログラムになっていないことに思い至った。

 そこで、特別授業を受け持つ予備校の先生から生徒の現状を聴きとり、不十分なところを授業に反映させた。また、実力テストを分析して、補習や講習のテーマアップに生かした。こうした一歩一歩、成果を積み上げる改革を通して、生徒は着実に実力をつけ、進学実績も上がると期待が寄せられている。

 また、本校では常々、受験は団体競技だと称し、「受験ライバルは全国にいる。狭い校内でお互いを敵視するなんてナンセンス! 仲間がいるから頑張れるんだ」と生徒たちにメッセージを送る。

 今年の改革キャンペーンテーマ「高めあう仲間づくり」が、受験戦を乗り越える原動力にもなりそうだ。

私学の強みを生かし
熱心な教員集団をつくる

 さまざまな改革を成し遂げてきた松葉校長に、中長期的なビジョンを聞いた。

 「本校に来てよかったという感想を持ってもらえるよう、一丸となって支援できる熱心な教員集団をつくること」と明快だ。そのためには教職員は手抜きせず、切磋琢磨しながらお互いを高めあうことが必要で、異動がない私学ならそれが可能だと断言する。

 また、教員集団を指揮する校長の責務は重大だが、常に校長の本音はどこにあるのか、それをわかりやすい言葉で説明したい、そして、言葉が一人歩きすることのないよう、日々の行動で裏付けされることが何より大事だと語った。

 月1回、全学年にテレビを通じて行われる校長講話などで、「部活動も大事な仲間づくりの場になる。勝てば歓びを、負ければ悔しさを共有できる」と話したら、「校長も部活動の大会に来てほしい」と、校内で声をかけられるようになったそうだ。バレー、バスケット、バドミントンなどの応援に出向くので、休日がなくなったと嘆く声は明るい。

 
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