自然を感じる新キャンパス
ラウンジに明るい生徒の声
「新キャンパスに移って一番良かったと感じるのは、生徒たちが明るくのびのびと過ごしていることです。校舎が広くなったことで、心にもゆとりが持てているのでしょう。落ち着いている様子が見られますね」
そう嬉しそうに話すのは、入試広報部長の今田正利先生だ。6階建の校舎に入ると、まず目に入るのが吹き抜けの中庭テラス。ウッドデッキの木の風合いが建物にしっくりと溶け込み、室内にもかかわらず、自然の風を感じられるスペースになっている。
生徒たちに好評なのは、各階に設けられた「ラウンジ」。イスとテーブルが置いてあり、生徒の交流の場となっている。今田先生は「思いのほか、ラウンジで勉強をしている生徒が多いので驚きました。お互いに教え合いながら勉強できるのが良いようです。教師も一緒に会話に加わっていますよ」と話す。
今年の中学生は、新キャンパスの第1期生ということで、モチベーションの高い生徒が多く入学してきた。元々、男子校だったこともあり、これまでは3対1で男子生徒の割合が多かった同校。今年の中学入学生172人中、女子は72人。環境や施設の良さに含めて、制服をフルリニューアルしたことも、女子の人気を集めている。
社会貢献のできる人を
「R-プログラム」で育成
今年の春から本格指導をした教育プログラム「R-プログラム」。その一番の狙いは「将来、社会で働くことを見据えた大学選び・大学受験」だ。
「企業の方とお話したときによく言われるのが、『新入社員は自分からコミュニケーションをとろうとしない』ということ。これからは、中等教育である中学・高校においても、一社会人として、社会貢献ができる人間の育成を考えていかなくてはいけません。そこで本校では、宗祖である日蓮聖人の教えに立ち帰ることにしました」と今田先生。
同校の建学の精神は「行学二道」。「思いを行動で伝えられる人になろう!」をスローガンに、学んだことを実際に行動で示せる人間の育成を目指している。
そのような自分の意思で積極的に行動できる人になるため、同校では3つの力を身に付けさせたいと考えている。それは「Research」「Read」「Report」の3つのR。「Research」は自ら進んで調べる力、「Read」は主張や要点を読み取る力、「Report」は意思や結果を正確に伝える力だ。
読む力を付けるため、朝のショートホームルームで行われているのが「コラムリーディング」。これは新聞のコラムなどを読んで内容を要約し、自分の意見を発表し合うもの。中学生では自分の意見をうまく言えないこともあるが、高校生になると生徒同士で意見交換ができるようになる。
今田先生が担当した高1のクラスでは、「サマータイムの導入」について話し合った。すると最初に発表した生徒が「次に発表する人を指名してもいいですか」と提案。次々と生徒が指名される中、クラス中の生徒がきちんと意見を聞いていた。こうした生徒たちの様子に「本校が目指す方向に生徒が育ってくれている。嬉しかったですね」と今田先生。着実に成果を上げているようだ。 |
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キャリア教育が充実
夢を叶える大学進学を
「R-プログラム」ではキャリア教育にも力を入れている。
中学1年で行うのは「職業講話」だ。これはさまざまな職業の卒業生、保護者の方に話をしてもらうもの。仕事の内容ややりがいを聞くとともに、その職業に就くためにどんな資格が必要か、またどんな勉強をしてきたかもアドバイスを受ける。これまで保育士、パイロット、公務員、テレビ番組制作者、新幹線の運転士など幅広い職業の人の話を聞いている。
中2では「職場訪問」を行う。企業へのアポイントも生徒自身が電話をかけて行うため、マナー講習を受け、目上の人へ正しい話し方やインタビューの仕方も学ぶ。
中3では3日間の「職業体験」を行う。これは実際の業務を体験させてもらうもので、履歴書を書くことからスタート。企業に行ったら名刺交換もする。これまでに生徒が行ったのは警察署や小学校、保育園、総合スーパーなど。広告代理店に行った生徒は、電車の車内吊りポスターまで製作した。
「ポスターの仕事は楽しかったようですが、会議の場では『自分の意見が言えないのなら、ここにいなくていい』と厳しいことも言われたようです」と今田先生。学校では教えられない仕事の厳しさを学んでいる。
ある生徒は中2で音楽関連企業に訪問した際、音楽以外にも幅広い知識が必要だと痛感。外資系企業に就職したいと考えているこの生徒は、英語はもちろん、満遍なく教科を勉強するようになった。別の生徒は小学校で職場体験をし、「絶対に教師になりたい」と決心。プールの安全管理などの業務も手伝い、児童の命をも預かる教師の仕事に強いやりがいを感じた。
こうした生徒の夢を実現させるため、教師と生徒で何回も面談を行い、大学選びをしている。さらに高3では、担任以外の教科担当の教師とも面談。そのおかげで、受験科目の具体的なアドバイスができ、生徒からも好評だ。
「本校の生徒は働きたい業種にこだわって大学選びをしているので、進学先は文系・理系だけでなく、音大などバラエティーに富んでいます」
生徒のことを本当に親身に思う教師たちが、大きく羽ばたく夢を支えている。
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