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中学・高校受験:学びネット

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水戸啓明高等学校

 
  医学・理系のサイエンスと商業科が人気
入学後に生徒の力を大きく伸ばす
昨年校名を変えた「水戸啓明高等学校」。掲げているスローガンは「個性ある進学校」だ。生徒のいろいろな個性を認め、啓明=明けの明星「金星」のごとく光り輝いてほしいという願いが込められている。刷新したコースの中でも、難関医学系・理工系を目指す「サイエンス・フロンティアコース(選抜特進理化)」と、日商簿記など高レベルの資格取得ができる「人間経済コース(商業科)」の人気は高い。知的好奇心を刺激する授業が豊富なサイエンス・フロンティア、国公立進学実績と資格取得に定評のある人間経済コースを紹介する。

校 長: 田中 睦啓
住 所: 〒310-0851 茨城県水戸市千波町464番地10
電 話: 029-241-1573
交 通: JR常磐線「水戸」駅北口から関東鉄道バス(千波車庫・平須・石岡・鉾田各方面行)6番乗場乗車「千波坂上」下車
学生数: 752名 (2013.7.1現在)
ホームページ: http://www.mito-keimei.ed.jp

 

全国コンクール入賞の1年生
医療現場で実習、気球体験も

 「今年の1年生は本当に目が輝いている生徒が多いですね」。そう話すのはサイエンス・フロンティアコースの藤原博之先生だ。このコースの魅力的な授業に引かれ、今年入学したのは定員を超える34人。昨年の27人からさらに希望者が増え、科学が大好きな生徒が水戸啓明に集まった。すでに理系コンクールの入賞経験のある生徒も多く、中には、ロボカップジュニア日本大会3位、世界大会に出場した経験もある生徒もいる。

 今年の1年生は同コースの2期生。1期生である現2年生も藤原先生にとって自慢の生徒たちだ。「自分たちは1期生であるという誇りをもって勉強しています」。

 昨年から同校でスタートした「課題探求学習」。これは自分たちでテーマを決め、自ら取り組んで研究を進めるというもの。この学習を通して「読む力」「書く力」「発表する力」「話し合う力」を身に付けることを目標としている。

 昨年、初めてこの課題に取り組んだ2年生。「動物の嗅覚」、「学生のためのサプリメント作り」などユニークなテーマも多く、生徒が直接専門家や研究所などに電話をして、助言をもらうこともあった。今年の3月には校内で経過報告会を開き、研究の成果を発表。浮力の実験をした生徒の研究は、筑波大学で行われた「茨城県高校生科学研究発表会」にも提出。他校の生徒に交じって、大学の教授の前で発表する機会を得ることができた。

 「この学習を通して、調べる力がついたと感じています。大学に進学したとき、この体験が生きてくると思います」と藤原先生。他の教科でもわからない問題に当たったとき、すぐに答えを見るのではなく、解き方からじっくり考えるようになった。「1年前と比べて、そうした勉強の仕方ができるようになったのが嬉しいですね」。

 サイエンス・フロンティアコースでは、画期的な取り組みを次々と行っている。5月には保護者も参加できる授業参観を実施。テーマは「リサイクル」で、給食から出る廃油と使用後のコーヒー粉を使ったキャンドル作りを生徒と一緒に行った。このキャンドルのアイデアは生徒から出たものだ。

 6月には「メディカルプロジェクト」として、医療現場の実態を知るため、栃木県大田原市の国際医療福祉大学へ体験実習に。卒業生がこの大学に進学していることもあり、「医学系に進むには、高校時代にどんなことをしておけばいいか、先輩から話も聞きました」と藤原先生は話す。さらには気体の体積について学んだことがキッカケとなり、「気球に乗る」プロジェクトも発足。ワクワクするようなプログラムが用意されている。

商業科から国公立が続出
起業家になりたい生徒も

 全国の高校で商業科が減りつつあるが、水戸啓明の商業科だけは違う。同校の商業科「人間経済コース」には今年も定員数の40人が入学。大学進学実績の良さと早い段階でレベルの高い資格を取得できることが人気だ。今、最も特徴のあるコースとして注目されている。

 「日商簿記の2級取得者はクラスの55%に及んでいます。通常、この試験は2年生でないと受けられませんが、本校では早めに学習を進め、1年生の終わりか2年生の初めには受験します。受験回数を増やすことが合格の秘訣です」と同コースの金澤信幸先生。この合格率は県内トップレベルだ。

 生徒は「ライセンスセミナー」として、毎朝7時50分から簿記や電卓の検定試験の対策を行っている。放課後も15時40分から17時まで簿記の対策を行い、検定に合わせて進度を進めているのだ。

 指導のポイントは「簿記一連の流れを理解した上で、自学自習できるようにすること」と金澤先生。最近は簿記試験でも応用力を問われる問題が増えており、パターン学習では合格できない。「どういう理由でこの金額になるのか、自分で答えを導き出せなければ、本番で力を発揮できません」。

 こうした資格を取得することで、国公立大学に面接と小論文で受験できる推薦入学試験やAO入学試験制度を活用。茨城大学、横浜国立大学、静岡大学など多くの合格者を輩出している。全国高等学校簿記コンクールに12年連続13回目の出場を果たしている簿記・珠算部は、国公立合格者のうち70%を占める。

 同コースの菊田暢章先生は「商業科で、入学時から大学進学を考えている生徒は、実はそれほど多くはありません。しかし、頑張って資格を取ることで自信が生まれ、『もっと勉強したい』と他の教科への学習意欲へ波及していきます。その結果、有名大学への進学とつながっていきます。高校で新たな“商業”という科目に出合い、この科目が好きになり、それが進路を決める道筋となる。これが本校の商業科の生徒の3年間の姿だと思っています」と話す。

 数多くの資格が有利になり、大学や専門学校の特待生になる生徒も多い。受験条件を満たしていない生徒でも大学側から「これだけの資格を取得しているのは素晴らしい」と特別に受験を許可され、見事合格を射止めた生徒もいる。

 大学への進学がクローズアップされている商業科だが、将来、起業を考えている生徒も力強くバックアップしている。課題探求学習では「自分の会社をつくる」をテーマに資本金がどのくらい必要か、実際に書類を書いて体験した。

 医学系・理工系から起業家志望まで、生徒の希望をしっかりと受け止め、サポートしている同校。原石としてさまざまな可能性を秘めている生徒たち。個性を光り輝かせる学びが、同校には用意されている。

 

 
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