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中学・高校受験:学びネット

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三輪田学園中学校・高等学校

 
  三輪田が目指す学校教育の姿勢
OG校長が語る
「自分が育てられたように育てます」
男女共学にシフトしていく学校が多い中、女子校として常に定員を充足している中高一貫の学校がある。今年創立126年を迎えた三輪田学園中学校・高等学校だ。「徳才兼備」を教育理念に掲げ、豊かな人間性と高い知性を育成する女子教育を実践している。道徳教育と「読書の時間」のコラボや数学・英語・技家のクラス2分割授業、実験・実習の多くの時間確保など、生徒一人ひとりに寄り添いながら、手厚い指導が行われている。三輪田が目指す学校教育の姿勢でもある。2010年の新校舎完成により、学校全体の士気がさらに高まっている。

校 長: 吉田 珠美
住 所: 〒102-0073 東京都千代田区九段北3-3-15
電 話: 03-3263-7801
交 通: JR中央線・総武線「市ヶ谷」駅から徒歩7分、「飯田橋」駅から徒歩8分、地下鉄有楽町線「市ヶ谷」駅から徒歩7分
学生数: 中学校 519名
高等学校 501名 (2013.7.1現在)
ホームページ: http://www.miwada.ac.jp/

 

変わらぬ校風
堅実さが伝わる新校舎

 三輪田学園中学校高等学校は1887年、明治期の女子教育者・三輪田眞佐子によって創立された。校訓である「誠のほかに道なし」は相手(社会)に対して常に誠実であることの意義を教えている。立地はJR市ヶ谷駅から徒歩7分というアクセスのよさに加えて、近隣には大学や専門学校などが隣接し、環境も良い。

 「創立者がこの地に学校を構えてくれたことを、本当にありがたいと思っています」と感慨深く語る吉田珠美校長。就任5年目の校長だが、本校の卒業生でもある。社会の教諭として戻り、長年教鞭を執ってきた生え抜きだ。言うなれば三輪田教育の体現者である。

 「私が生徒だった頃とは、校舎も制服も変わりましたが、生徒や学校の雰囲気は変わっていません。ご年配のOGの方も来られますが、やはり“三輪田だわね”と言われます(笑)」

 環境は生徒の情操を育てると校長が言うように、2010年に機能性に優れた快適な学習環境が整った。キャンパスはコンクリートの打ちっぱなしで、色も淡色で統一されている。学校が一番大事にしている堅実さが伝わるデザインだ。

 「淡色使いには、三輪田のカラーに少しずつ染まっていって卒業してほしいという思いがあります」

 施設は教室棟のほか、中央棟には全校生徒が収容できる大講堂、1フロアを使った図書館はオープンスペースと講義室が設置されている。物理、化学、生物、地学の実験室が揃う理科フロア。特別棟の最上階にはプラネタリウムもある。さらにテニスコートが4面取れるグラウンドに、チタン使用の浄化装置で、水質を管理している温水プール。プールサイドは床暖房というから、生徒にとっては嬉しい。

一人ひとりに寄り添う教育
実践する手厚い学習指導

 三輪田の教育には生徒一人ひとりに寄り添いながら育むという姿勢がある。

 6年間を2年ずつに区切り、段階的にカリキュラムを展開していく。基礎・基本を身に付け(入門期)、基礎力を定着させ、学力の向上を図る(充実期)。そして進路に応じたコース分けと、より専門的な授業を行う(発展期)など、生徒の夢実現をサポートする。

 現在、中・高全体の生徒数は1,000人超。それを教員約100人で見ているため、先生1人が生徒10人を見ている計算になる。手厚いという他はない。

 その手厚い学習指導だが、中学は英数の授業が2分割され、1クラス20人ぐらいの少人数になる。数学は習熟度授業も取り入れ、伸ばす子は伸ばし、苦手な子は徹底的に教える。

 「英語の場合、授業の前に前日の復習テストを実施します。『絶対満点を取ろうね』を合い言葉にやっていますので、満点が取れないと、間違ったところを正確に書き直して提出してもらいます。間違いを繰り返すと個人指導が入ります」。反復練習をすることで、学習の定着度を高めるのだとも。

 さらに、本校の場合は実験・実習の多い学校だという。生徒にきちんと理解させることに比重を置くためだ。施設も物理・化学・生物・地学の4つの教室があり、内容に応じた実験ができる。例えば、水溶液の実験であれば化学室、電流の実験であれば物理室といった具合だ。家庭科も2分割授業が行われている。家庭科室、調理室ともに2つの教室があり、教員も2人ずつで対応する。

偏りのない全員共通履修
道徳教育と
「読書の時間」のコラボ

 カリキュラムの特徴に中1から高1までは、全員共通履修(芸術の音楽・書道・美術は選択)がある。特進などのコース分けはせず、全員平等の教育を実践している。

 「中1から高1ぐらいで学ぶことは、その人の教養の基礎になることなので、偏りなく勉強してもらいます」吉田校長は毅然と話す。高2からは選択科目で文系・理系に分かれるが(高3はコース制も)、ホームルーム母体は同じだ。

 「効率という点を重視すると、あまり効率的ではないかもしれません。でも、効率よりも大事なことがあるというのが、三輪田の考えです」

 力を入れているのが、全学年が学ぶ道徳教育だ。「自分にとって大切なものは何か」「自分が社会でできることは何か」など、テーマ(いのち・環境・平和・自立・防災)を元に考える。毎年、平和がテーマのときには、第五福竜丸の乗組員だった方に講演を依頼。生徒は当時の事件のことを、図書館で調べ学習やビデオで予習をする。授業は金曜日の5時間目と決まっており、6時間目のHRを利用して、2時間行われることもある。加えて、中1と中3で、週1回50分の「読書の時間」を授業として成立させている。道徳教育や教科を越えてのコラボ授業が特徴だ。学びの読書、心を育てる読書、気づきの読書と3つの読書を奨励している。

 その他に保護者からの意見を取り入れ、「ガールズランチ」と名づけたお弁当を学校で予約注文をできるようにした。それには仕掛けがあり、440円のうち20円がアフリカの子どもたちの給食費になるというものだ。それにより生徒・保護者の意識は高まり、昨年からのスタートだが、すでに1万食以上が出ている。

 130年近く受け継がれてきた三輪田の教育は、建学の精神「徳才兼備」、校訓「誠のほかに道なし」がある限り、揺らぐことはない。吉田校長は「自分が育てられたように生徒を育てます」とOG校長ならではのことばを残した。

 
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