文教ステーション(Bステ)と
結果を出すクラス編成
東急・旗の台駅より徒歩3分というアクセスの良いところに文教大学付属中学校・高等学校がある。創立86年を誇る伝統ある学校だ。近年、学校改革を推し進める中、昨年、星野喜代美新校長が就任した。改革のコンセプトは「進学の強豪校へ」というものだ。星野校長は「人間教育のもと、学力をしっかりとつける」人間性を育てることを重視、4つの教育目標を打ち出した。@週37時間の革新的カリキュラム。Aきめ細かいシラバスの存在。B結果を出すクラス編成。C新校舎の建設。具体的な内容を広報の小西先生に伺った。
「特別室などを利用して、放課後に勉強をする寺子屋クラブを開設しました。勉強する時間と場所を確保し、しっかりと学力をつける。ひたすら勉強する自習の空間です」。部活動の一環ということでこの名前となった。時には各教科の教員から指導を受ける。
そして、今年度からスタートしたのが「文教ステーション」、通称「Bステ」だ。生徒の弱点や単元をもとに、外部の人材でチューターがプリントを準備。生徒はひとつの教室で黙々と勉強するというものだ。中1と高1は全員参加だが、他の学年は希望制になっている。
上述のCについて聞くと、昨年の中3生から、学力の定着度(中間・期末・通常の実力テスト)により、「ハイレベルクラス」と「スタンダードクラス」を設置、より確かな進路目標の実現を目指しているという。
「今年度から高校も同じクラス編成を実施しています。授業の進度は同じですが、ハイレベルクラスは受験などの問題演習が多くなります」
目指すゴール(出口)は、ハイレベルは国公立・早慶上理、スタンダードはGMARCHなどだ。 |
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生活記録ノートで
生活のリズムを確立
ソフト、ハード両面に期待!
星野校長が「進学力をつける前に、普段の生活をきちんとしなければ、学習にはつながっていかない」ということで、生活記録ノート・クロノスが生徒全員に配布された。生活のリズムを確立するために、時間のマネージメントをする。内容は一日の生活習慣を記録し、それをもとに実践、修正、反省し、翌日に生かしていく。
「中学のうちから生活を確立することによって、高校では落ち着いて勉強する状況と環境を生徒自身が打ち立てることができます」
ハード面の改革も進んでいる。体育館のみが2009年の春に完成。バレーボールコートが3面取れる2階のアリーナや1階には温水プールやトレーニングルームが設置されている。2014年からは新校舎の一部使用が開始となり、すべての建物の完成は2016年の夏となっている。
「次世代の教育に対応できるように、各教室に電子黒板を設置します。特に国語や英語ではプロジェクターでスクリーンに映された映像を発音したり、視覚的なものを使ったりと授業を進めていきます」
加えて、学校は勉強するだけの場ではないと小西先生。いろいろな行事を通じて、お互いにコミュニケーションをとることで、クラスの一体感や発見、気づきがあり、集団としての自覚を学んでいく。今年の中3生は、秋に卒業証書の紙すきに山梨まで出かける。
「自身で作った卒業証書の紙で卒業証書をもらうのです。自分たちのものを形にして残していく。そういうものを大切にしている学校です」
伝統ある文教の良いところを残しつつ、新しいものに果敢に取り組んでいく。今後の文教に期待がかかる。
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