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中学・高校受験:学びネット

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成城学園中学校高等学校

 
  人生のレールは生徒自身が作る
経験と挑戦で生きる力を具現化
創立当時の大正期の豊かな田園風景を、いまだ学内に留める成城学園。開放感に満ちたキャンパスと自由闊達な校風は、長く受験生の憧れの的だ。帝国大学総長を歴任した澤柳政太郎氏が掲げた創設の理念は「自治自律」。来るべき激動の時代に、自らが生きる道、生かす場所を開拓する力の育成は、成城の変わることのない使命だ。生徒たちが「自由」な学園生活を謳歌する陰で、彼らの「自治自律」を地道に研磨し続ける教員たち。そのストイックなまでに「志」を追求する姿に迫る。

校 長: 岡戸 博靖
住 所: 〒157-8511 東京都世田谷区成城6-1-20
電 話: 03-3482-2105(中学校事務室直通)
03-3482-2104(高等学校事務室直通)
交 通: 小田急線「成城学園前」徒歩3分
学生数: 726名(中学校)
847名(高等学校) (2013.1.1現在)
ホームページ: http://www.seijogakuen.ed.jp/chukou/

 

行事、部活、授業で
居場所を見つけ
「志」へ高める

 新宿副都心から小田急線で15分。閑静な住宅街にたたずむ成城学園キャンパス。幼稚園から大学院を構内に揃えて、2017年に創立100周年を迎える。秋晴れの昼休みに中学校を訪れると、壮観ともいえる光景が広がる。全校生徒かと見紛うほどの子どもたちであふれ返るにぎやかな校庭。バレーボールやミニバスケットに興じ、弾けるように駆け回り、踊り、語らい、生徒たちは思い思いに過ごす、その躍動のパワーに圧倒される。学年の隔てなく、体と心を直にぶつけ合いながらコミュニケーションする姿に「この風景が本校の誇りなんです」と生徒に負けない笑顔で語るのは、総務部広報主任・青柳圭子教諭。

 「大切にしたいのは、一人ひとりの生徒がこの学校で力を伸ばせること。それが中高6年間の土台と考えています」

 生徒が興味や意志を持って活躍できる場、特性を生かし、多様な選択ができるように、行事や部活動の数はかなり多い。受け入れる生徒も国籍・宗教は不問、多様なバックグラウンドを持つ。教員たちも成城の卒業生は1割程度で、経歴はバラエティに富む。

 「自由・個性尊重」の校風への人気、子どもの「自治自律」育成への評価がともに高い。また最近は、特に入学後に「学力との両輪」を望む保護者の意識変化を感じると青柳教諭。

 「現場の教員の声で、教育スタイルをフレキシブルに変えられるのも含め、本校は自由度が高いといえます。ほぼ毎年カリキュラムを刷新し、習熟度別・少人数制への変更、講義と演習の時間数のバランスなど、『すべての生徒の学力を向上させる』効率性を追求するための授業改善は、かなり頻繁に行っています。一方で、伝統的な『読書』の授業の継続や、中1・2年生で全教科を幅広く学ぶ、国・数・英には特に力を入れる、という根幹は変わりません」

 昨今「グローバル・リーダーの育成」をキーワードに掲げる私学は多い。成城学園中学校高等学校では、それも含め「志を持って生きる」人間育成を命題とする。

 「どんな環境に置かれていても志を持って生きる。それは必ずしもトップリーダーになることや、世界で活躍するということではないと思うんです。誰かを助けるために一生を費やすのも一つの生き方ですし、孤独に打ち込むクリエイティブな作業が社会に貢献することもある。卒業生は、チームまたは個人で活躍する人、職業や活躍の場もさまざまです。大事にしてほしいのは、どんな人生を選んでも、スピリッツを忘れないこと」

体と心で
「命」と「自然」を体感し
「自治自律」を学ぶ

 成城ならではの「志の育て方」として欠かせないのが、伝統的な二大行事「海の学校」(中1対象3泊4日)と「山の学校」(中2対象)だ。「海の学校」のテーマは「命を大切にすること」。溺れた人の救出法や心肺蘇生など、ライフセービング実習を行い、昨年度は「ウォーターセーフティ」の資格を全員取得。そして遠泳を通して、自分の目標距離や恐怖心に打ち勝つ挑戦をする。中1生240人に対し、延べ40〜60人の大人(教員・OB・成城大学の学生)がサポート。生徒たちには自分への自信と、他人や大人に対する信頼感が生まれるという。

 一方「山の学校」では、大自然の厳しさに直面する。生徒たちは体力レベルに応じた登山コースに参加し、自分の荷物を背負い、山小屋を縦走しながら歩き続ける。最難関は4泊5日の槍ヶ岳コース。1チーム30人の生徒たちは、悪天候やトイレの不便さ、快適さとはかけ離れた山小屋での寝食を体験する。

 「自分の思い通りにはならないこともある、自分の足で歩かないといけない、疲労している者・弱い者に合わせないとチームとして到達できないことなど、生徒たちは経験します。もちろん大自然の素晴らしさと達成感も」

 苦しいときにどう行動するかという知恵、助けを求めることの大切さ、自分ひとりでは乗り越えられないことも友達がいると乗り越えられるという、まさに「自治自律」の精神を、生徒は全身で学ぶ。また学業・生活両面での問題解決能力・抽象的思考の土台として、同校では「体験学習」に重きを置く。生徒たちは鍛錬というより、楽しみにしていると青柳教諭は笑う。だが説明会などで保護者の反応は二極化する。

 「ここがお子様を預ける学校として、成城学園が選ばれるかどうかのひとつのポイントだと思っています。あるレールに乗ればこういうゴールがあるとしたら、今の時代『そのレールに乗せてほしい』と願う保護者や、『乗せなきゃ』と思っている学校も多い。本校は、そこを踏ん張りたい。レールは私たちが与えるものではなく、生徒自身が作っていくもの。そのレールを彼らが作るための材料として、多様な経験や思考が得られる機会を用意しています」

日本を知り、世界を理解する
子どもを育てる

 平成25年度の中学校生徒募集から、若干名の海外帰国生の入試枠を新設。これまでも同校では帰国子女を受け入れてきたが、成城学園創立100周年を迎えるにあたり、「世界を理解し、活躍できる人材育成」のためのツールを導入する予定だ。海外帰国生枠の設置は、その先駆けとなる。受験科目は第1回試験(2月1日)の国語・算数の2科。理科・社会が免除される代わりに面接を行う。2006年から始まった中高一貫カリキュラムで学んだ生徒が昨春卒業。学力・他大学への進学率ともに向上、約6割が進学する成城大学での評価も高い。しなやかな「志」の底力の真価が発揮される、成城学園「第二世紀」へのカウントダウンがいま始まる。

 
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