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中学・高校受験:学びネット

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京華中学・高等学校

 
  「ネバー・ダイ」を合言葉に
男子校ならではの人間教育と進学指導に邁進
今年、創立115年を迎える京華中学・高等学校。学園の伝統を支えているのが、校訓の決してあきらめない心「ネバー・ダイ」。教育現場や家庭において、そして卒業してからも、生徒の人生の道しるべとして、心に刻まれるだろう言葉だ。就任3年目の校長、塩谷耕氏の口調はとても明るい。就任当初から常に現場主義を実践してきたブレない舵取りが、生徒の精神面を力強くサポートし、それが進学指導に効果を発揮しているからだ。男子校ならではの人間教育を通じ、高い評価を得る進学校に成長している。

校 長: 塩谷 耕
住 所: 〒112-8612 東京都文京区白山5-6-6
電 話: 03-3946-4451
交 通: 都営地下鉄三田線「白山」駅より徒歩3分、東京メトロ南北線「本駒込」駅より徒歩8分、東京メトロ千代田線「千駄木」駅より徒歩18分
学生数: 中学校 368名
高等学校 766名 (2012.9.1現在)
ホームページ: http://www.keika.ed.jp

 

積極性、個性が発揮できる
国際人に育てる

 京華学園のある文京区・白山は、古くから文教地区として知られている。都心ながら緑が多く、交通の便もよい。東京大学、東洋大学をはじめとする教育機関も多く、都内でも屈指の教育環境を誇っている。

 その恵まれた教育環境で、全国でも圧倒的に少ない男子教育に徹する学校が京華中学・高等学校だ。男女平等の意識が高まる現代社会で、時代に逆行するかに思えるが、成長期の男女の特性と教育環境について、塩谷校長はこう指摘する。

 「女子の成長スピードは直線的で速い。それに比べ、男子の成長はスロースタートで、後で急速に成長していく。共学で育つと、自己表現が苦手な男子は劣等感を持ってしまい、いま一つ個性を発揮できないタイプが多いのです。本校では、そんな弱点をカバーし、精神面を鍛える人間教育にも進学指導と同様に力を入れています」

 校長就任前は進学指導主任という立場だが、一番の教育目標は、社会に出て通用する男子に育て上げること、と明言。生徒が社会人となる頃には、ますます国際化が進む。自己アピールのうまい外国人と互角に渡り合えるようにしたいという熱い思いが伝わる。

 さらに、精神的にしっかりした目標を持たせることで、生徒が進学にも積極的に向き合い、自発的に努力できるようになるという。

コミュニケーションの
あり方を学ぶ
新しい体験の場を提供

 昨年から始まった新しい取り組みがある。高校入学と同時に行うオリエンテーション合宿だ。1泊2日の日程で、京華の教育方針や規律、私立の学びの特徴などを実際に授業をしながら教える。初対面の生徒が多いので、自己紹介やグループディスカッションの時間を設けて、コミュニケーションを図る。夜も話し合い、一気に打ち解けた関係が築ける。高校生活にも、まずは人間関係のウォーミングアップが必要という発想だ。

 また、高校1年生を対象に、今年から「アドベンチャー教育」が始まった。初日は谷川岳を歩きながら、仲間とコミュ二ケーションをとる。2日目は午前中にチームメンバーの協力がなくてはできない“チームビルディング”という3種類の難しいゲームに挑む。どこで協力しなくてはいけなかったのかを意見交換し、改善していく。午後は、58のミッションを友達と達成し、タイムと正解率で点数を競うウォークラリーに挑戦する。最終日は利根川の上流からゴムボートで川下りをする(ラフティング体験)という多彩なメニューをこなす。もちろん、プロのインストラクターや教員の付き添いがあってのことだが、けが人も出ず、「面白かった! もう一度挑戦したい」と全員が口を揃えたという。

 社会人になればチームで働くことになる。相手の気持ちを理解して、きちんと協力できる人間に成長することがとても大切だ。同時に新しい自分を発見することにもつながり、大きな成果を上げている。

学校改革の柱は
受験に強い学習と
その先にある本物のチカラ

 平成24年度より、難関国公立大学への合格を徹底的にサポートする「高校S特進コース」を新設。豊富な選択授業と受験対策講座、長期休暇中の勉強合宿などを設置し、主体的に学ぶ姿勢を重視しているのが特徴だ。また、新しい教育システムとして、全員で挑戦するZ会添削がある。希望者には放課後、学習サポーターの東大生に個別に質問に答えてもらえる。さらに、S特進のプロジェクトチームをつくり、毎月進捗状況を確認し、改善の検討をするという徹底ぶりだ。

 2年前、教科別マニフェストを基に、新カリキュラム、新シラバスを作成する計画について語った塩谷校長に現状を尋ねた。

 「すでに計画通りに進んでいます。受験に強い学習指導は必須ですが、全教科共通して大学受験で終わってしまうカリキュラムにはしていません。例えば、国語でいうと、語彙力をつけるだけでなく、自分の意見をきちんと伝える力、文章化できる力を養います」

 教科別マニフェストは公開しているが、シラバスは保護者のみへの公開に留めている。昨年、外部発信したシラバスが、他校に出回って分析され、真似されたという苦い経験を踏まえてのことだ。そんな失敗談からも、同校のレベルの高さがうかがえる。

 また、サンデー毎日に掲載された特集記事(2011年9月25日発売)、「学習塾が薦める中高一貫校(首都圏387塾 塾長・教室長アンケート)」で、本校が「入学時の偏差値に比べ、大学合格率が高い学校」、「面倒見が良い学校」として1位に選ばれ、また「生徒や保護者の入学後の満足度が高い学校」でも2位にランキングされるという快挙を成した。

 常に学校改革に邁進する同校だが、画期的な学校改革は、学園の創立者である礒江潤先生の教育理念を受け継ぐお家芸だ。大正時代、学園のグラウンドに土俵をつくって横綱を招き、近隣の人々も楽しみにする大相撲「京華場所」を学校行事にしたという。プロの厳しさ、一瞬にかける集中力、最後まであきらめない「ネバー・ダイ」精神を目の当たりにすることで、生徒に本物のチカラとはどういうものかを学ばせたのだ。

 その精神は「芸術鑑賞教育」に今も生かされている。演劇、音楽、書道などにかける芸術家の情熱と集中力を生徒の感受性に訴える教育に力を注ぐ。

 教育の原点にこそ学校改革のヒントがある。伝統校だからこそ、導き出せた答えなのかもしれない。

 
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