4年間のゼミで磨く
社会で求められる力
第一部の冒頭に清水敦学長から挨拶と大学紹介が行われた。
「本学では『ゼミの武蔵』として、全学部の学生が必修で1日も欠けることなくゼミを履修します。これ以上、ゼミに時間を割いている大学は他にないと自負しています」
ゼミを学習の柱としている理由として、清水学長は「学生自身が積極的に調査することで、テキストベースで授業を進めるより、学習内容の定着度が非常に高くなる」と解説。また、さまざまな討論を繰り返す課題探求型の学習により、総合的な思考力が養え、「社会に出て、企業で活動するときに求められる力がつきます。学生の間に、いかにそうした力を身につけられるかを重視しています」と語った。
今秋には新1号館「Musashi Communication Village(MCV)」がオープン。授業以外でも英語をはじめとする外国語があふれる環境がキャンパスに生まれる。少人数制の英会話レッスンや、英語学習カウンセリングなど、“キャンパス内留学”ができる学習エリアとして活用される予定だ。
人文学科では
3学科が合同で参加する
新しいゼミもスタート
続いて、各学部長から学部紹介が行われた。
「経済学科」「経営学科」「金融学科」の3つの学科を擁する経済学部の特色は、学科の枠にとらわれず、自分の最も興味のあるコースを選択できることだ。
「例えば、経営学科に入学した生徒でも、経済学科に近いコースで学べます」と、経済学部長の板垣博教授。コースに所属するのは2年次からで、1年次は前期に「教養ゼミ」、後期には「プレ専門ゼミ」を履修する。教養ゼミでは、昨年から一部で「振り返りシート」を導入。教員と学生が面談しながら学習の達成度を確認するもので、今年度はさらに多くのゼミで導入したい考えだ。プレ専門ゼミは、コース選択の参考にもなるもので、ここで2年次以降何を学ぶか検討できる。また、同学部では将来国際的なビジネスシーンで活躍したい学生のために、英語を徹底的に修得できるカリキュラムを組むことも可能になっている。
「新入生になぜ武蔵大学を選んだかを聞くと、『少人数教育に惹かれた』とほとんどの学生が答えます。理由のひとつは『大勢の前で話すのが苦手だから』。しかし、この考え方は間違いです。少人数だからこそ、常に発言が求められます。前向きに取り組みたい学生に来てもらいたいと思います」と板垣教授は話した。
人文学部では、昨年度からどの学科にも「比較・交流文化コース」を設置していたが、「英語英米文化学科」と「ヨーロッパ文化学科」「日本・東アジア文化学科」の全3学科の学生が集結し、それぞれの視点から比較研究を行う「比較・交流文化ゼミナール」を新たにスタートさせる。人文学部長の光野正幸教授は「学部横断型のゼミだけでなく、さらに学科を横断してもゼミができるのは、小規模大学ならではの利点」と話す。
人文学部ではAО入試にも力を入れている。9月の一次選考を経て、受験生は研究発表をした上で最終試験に臨む(ヨーロッパ文化学科、日本・東アジア文化学科)。光野教授は「じっくり調べて発表するのが得意な生徒にぜひAО入試を勧めていただきたい。そのような生徒が人文学部のゼミを牽引してくれることを期待しています」とアピールした。 |
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「社会の実態に切り込むための手段を学ぶ社会学部は、武蔵大学の教育理念の一つ『自ら調べ自ら考える』を文字通り実践しています」と社会学部長の江上節子教授。同学部には社会学科とメディア社会学科の2つの学科があるが、社会学部のゼミは「まさにハーバード大学『白熱教室』そのもの」と語る。「『あなた』はどう考えるのか。教師と学生の枠を超えて議論をする真剣勝負のゼミです。つらく苦しいこともありますが、乗り越えると大きく成長できます」。
メディア社会学科では卒業論文の他に、映像やラジオ番組等の卒業制作も行う。同学科の学生を中心に東日本大震災の被災地で撮影した、被災者やボランティアへのインタビュー番組は、全国のケーブルテレビでも放映された。
「社会学部には問題意識の高い、社会に関心を持っている学生に来てほしいと考えています」と江上教授。メディア社会学科のAО入試には「作品方式」もあり、写真や放送コンテストでの入賞作品等が選考対象となる。
成長したい学生に
チャンスを与えてくれる大学
第二部では学生による発表が行われた。発表したのは経済学部金融学科の松木萌さん。茶野努教授のゼミに所属し、「商品市場の拡大と構造変化」をテーマにした研究発表を行った。
「武蔵大学は頑張りたい学生に、その機会を与えてくれる大学。金融の知識はもちろん、人間的にも成長できました」と松木さん。会場から「高校で学んでおいたほうがよかったと思ったことは?」という質問には「どの学科でも英語力が必要です。就職活動ではTOEIC®の点数を重視する企業も多い。高校時代からもっと英語を勉強していたらよかったと思いました」と答えた。また、大学選びのポイントになったのは「直感」とも。「緑が多く、学生にも穏やかな人が多い。こうした雰囲気を知ることも重要で、大学見学に行くことは大事だと思います」と話した。
最後に、就職状況と奨学金についての説明がされた。武蔵大学の2012年度の就職率は92%。一部上場企業や優良企業への就職も多い。奨学金については、留学や海外研修へのチャレンジを後押しする独自の制度「学生海外研修制度」があることも解説。学生自らがテーマを選び、海外で研修する場合に最高30万円を限度として給付される。
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