サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関東校・ 関東一覧
   

玉川学園

 
  全人教育・自学自律などの教育が
生徒に生きる力を与える学校
多くの学校が目指す「生きる力」の育成。ただし、それがどういうことかを具体的に打ち出した学校は多くない。玉川学園ではこの「生きる力」を「何もないところから、ものを創り上げる力」であるとして、さまざまな分野で自学自律に取り組んでいる。また、どんな仕事でも人に役立つためにできる人材を育成する全人教育も同時に実践。多くの実力者を輩出しているのだ。今年度は、国内でも数少ないIB(国際バカロレア)クラスの第一期生が卒業するとあって、多方面からの注目も集まっている。

学園長: 小原 芳明
住 所: 〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
電 話: 042-739-8931
交 通: 小田急小田原線「玉川学園前」駅下車 徒歩3分)東急田園都市線「青葉台」駅よりバス17分
学生数: 中学校  669名
高等学校 717名 (2012.7.1現在)
ホームページ: http://www.tamagawa.ed.jp/

 

どんな仕事でも「人に役立つため」に行う
本当に社会が求める人材育成を

 2012年2月。玉川学園展で、中学生たちが『レスキューロボ』を製作・発表した。これは人感センサーと赤外線カメラを搭載し、災害時に人命救助にあたるロボットである。

 同校では、昨年春に起きた東日本大震災において、被災地の生徒を教員の家にホームステイとして受け入れ、就学困難となった生徒たちを援助した。生徒たちは被災の当事者から東北の被害の状況を聞き、自分たちでできることはないかと続々と立ち上がった。このロボットもその生徒たちの意志の結集である。

 「私立校は教育理念や方針が明らかにされており、その考えを理解した上で入学してくる生徒がほとんどですから、同じ価値観を持つ生徒が結束しやすい。本校の場合は『神様と人に愛される教育』という考え方があり、今回の被災者への件でも全員が心をひとつにして、尽力することができました」

 酒井健司教育部長は、復興にかかる期間や日本全体の社会情勢などから考えて、次世代である子どもたちに託すしかない。その世代である今の生徒たちに、どんな仕事であっても「人に役立つためである」という意志を持って行動することを教えるのが、玉川学園の教育なのだと語った。

 この教育方針を明確にしたのが、玉川学園が創立以来大切にしている教育12信条である。社会が求める絶対的な価値と健やかな心を持ち、苦しみやつらさも微笑みを持って対応できる人材を育成する「全人教育」、教えられるより自ら学び、真理を求めようとする意欲を燃やす「自学自律」をはじめとした12の項目は、創立当時からの理念だが、今の時代にこそ必要な教えであり、生徒や教員たちの指標として、今もなお輝いている。

多様な面から国際的人材を育てる
IBクラス初の卒業生、来春誕生

 玉川学園は系列大学として玉川大学への内部推薦枠を持ってはいるものの、実際は多様な進路実績を誇っている。その進路に、今年度新たな実績が加わると予想されているのがIB(国際バカロレア)クラスである。MYP・DP認定校であるこのクラスは、英語を中心にカリキュラムを組んであり、理科・数学・社会の授業でも使用。英語学習時間は週に20時間を超え、修了後は海外の大学にチャレンジできる。

 また、授業内容も個性的で、社会科で作物の適正金額を調べる場合は、流通、コスト計算、土壌や気候、いかに安全で安価に栄養価の高い作物を作るかまで、授業の枠を越えて学ぶシステム。偏差値の高さだけでなく、教育の指導内容的にも高い水準を保っている。この指導方法は一部、一般クラスの授業にも取り入れられており、生徒たちの学習意欲向上の一端を担っている。

 「人が何かを達成するとき、そこには長い間培ってきた努力が存在します。しかし、努力だけでは目標には届きません。実は、その人がいる場所、伸びていくための環境となる器も大切な要素なのです。玉川学園はその要素があると自負しています。友人関係、施設環境、教員のレベル、教育システムのいずれにおいても、これほどに生徒の可能性を伸ばすことができる学校はそう多くはありません。ですから玉川学園を選択し、入学してきた生徒は、その手にすでに大きな飛躍のチャンスをつかんでいるのです」

 IBクラスでは、来春、初めての卒業生が巣立っていく。彼らの進路がどこを目指していくのか、多方面から期待が寄せられている。

具体的な生きる力を実践で教える
「本物」の良い教育を与える学園に

 生きる力を育成するということは、私立公立を問わず、多くの学校が教育目標として掲げている。しかし、具体的にはどのようなことか。玉川学園ではこの生きる力を「何もない」ところからものを創り上げる力であると認識している。英会話を指導するだけで、海外で生きていく力が得られるわけではない。本当に生きる力が必要であれば、海外で実体験を踏まえて、英会話経験を積まなければならないのだ。例えば、カナダでカヤック体験をするためには、現地インストラクターの指導を受けなければならない。もちろん英語での聞き取りが必要となる。そして万が一、カヤックが転倒した場合は、英語で救助を求めることも必須である。この他にも、自然の中でのキャンプやホームステイなどで、教室では学べない実践的な教育を行っているのも、玉川学園の個性的な部分である。

 また、玉川学園の卒業生は医師や大学教授、上場企業役員など多岐にわたって活躍しており、横のつながりは非常に強い。悩みがあれば互いに連絡を取り合って助力し、全く異なる業種でも、できることは手を貸す。これは玉川学園の教えである「人間の幸せのため」に動くことのできる人間教育が根を張り、成長していると言えるだろう。

 しかし、これらの教育は保護者世代には伝わりにくい。やはりまだ難関大学受験への進学実績や偏差値が決め手となる場合が少なくないという。日本の未来のためにも、早く子どもたちをそういった厳しい呪縛から解き放ち、本物の生きる力を付けさせたいと玉川学園は総力をあげて、この課題に取り組んでいるのだ。

 今年より午後入試を導入し、受験チャンスが増えた玉川学園。この特徴のある教育をしている限り、生徒たちの注目が離れることはないと、酒井教育部長は力を込めて語った。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.