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中学・高校受験:学びネット

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駒込中学校・高等学校

 
  変化に対応できる体制づくり着々
人気の裏には徹底したマネジメント力も
国公立大学への二桁合格、GMARCHなどへの50人以上の現役合格という中期の進学目標を達成した駒込高等学校。その改革は第三期に入り、より高い進学実績を出せるプロジェクトチーム(PT)を発足、強化する。教育課程の変更に伴い、各校がセンター試験で新たな対策を迫られる中、PTは情報収集からカリキュラムへの連動までを取り組んでいく。仏教を礎とする精神教育に進学実績という付加価値を加味した学校を、新たな層が選び始めている。

校 長: 河合 孝允
住 所: 〒113-0022 東京都文京区千駄木5-6-25
電 話: 03-3828-4141
交 通: 東京メトロ南北線「本駒込」駅から徒歩5分、東京メトロ千代田線「千駄木」駅から徒歩7分、都営三田線「白山」駅から徒歩7分
学生数: 中学校  252名
高等学校 1,171名 (2011.11.1現在)
ホームページ: http://www.komagome.ed.jp

 

2015年の
センター試験に備え
体制づくり

 進学実績の向上に校内の体制づくりは欠かすことができない。そのため、いずれの高等学校にも進路指導、教科研究などの専門部門が置かれている。ただし、いかに専門性を有していても、各部をマネジメントする能力が発揮されなければ、教育施策に対する柔軟なプロジェクトを進めることは困難である。

 駒込中学校・高等学校では、教頭をマネジメントの要とし、大学ごとの受験状況の把握、分析、方針作成、成果の検証、改善策の策定をチームとして行っていく体制を整えている。

 そのプロジェクトチームが喫緊の課題として取り組んでいるのが、新教育課程の導入によって変わる大学入試センター試験への対応策である。3年後に実施されるセンター試験では、まず理科の科目設定が変更され、4つの選択タイプ(A:物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目または1科目選択、B:物理、化学、生物、地学から1科目選択、C:物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目または1科目選択ならびに物理、化学、生物、地学から1科目選択、D:物理、化学、生物、地学から2科目選択)が設定された。

 ところが、現段階(9月)では、各国立大学がいずれのタイプを選択するかは明らかにされていない。おおよその見当はつくものの、国立大学では複数の受験形態を選択する可能性もあり、さらに、文系志望の生徒さえ2科目選択が迫られる可能性も否定できず、今後、各校の情報収集力が問われそうだ。

 同校ではこの変更に関する情報を多方面から収集するとともに、変更点をカリキュラムにスムーズに連動すべく、PTを始動させている。これまでも、進路部では予備校などから収集したデータの蓄積は無論、国際部では留学制度や留学先での単位履修に関するすべての情報を生徒に提供するなど、専門性を発揮してきたところである。

 今後は、校内各部の相互連動性をより強化した体制が期待され、生徒は豊かな情報環境の中で、自らカリキュラムデザインする力を養っていくことになりそうだ。

高い専門性と
適応力ある人間を

 駒込の教育理念は「一隅を照らす」に凝縮される。一人ひとりの個性を開花させることにより、社会の片すみに光をあてることができる人物の育成を目標とする。ただし、開花させた専門性が自信と英智を保ち続けるためには、適応能力が求められるのは言うまでもない。

 河合孝允校長の例えを借りるなら、「サッカー選手になる人は多いが、Jリーガーになる人は一握り。だが、サッカーという競技スキルをマネジメントすることによって、サッカー選手はコーチや指導者、大学の教員にもなれる。駒込はそういう適応能力を持った人物を育てる学校です」と。

 より高い専門性が求められる現代では、ともすれば「つぶしが効かない」人間をあふれさせる時代ともいえる。生き抜くには一隅を照らすにふさわしい能力に加え、時代、環境への適応力が不可欠となる。

 駒込高等学校には近年、そのことに気づいたように、これまでにはあまり見られなかった受験生像が増えている。六大学附属に合格する学力をもった受験生たちである。彼らについて河合校長は「高校の3年間で、自分の可能性を問い直そうとしているのではないか」と分析する。受験生の意識に、将来の進路をより幅広い選択肢から選びとれる学校として、駒込が意識され始めたというのである。

理念と姿勢を伝え
ブランド化に成功

 前回の学校説明会では、午前・午後で1,000人以上が集う盛況ぶりだったが、河合校長はその場で、やや風変わりな呼びかけを参加者に行ったという。「まず、ご覧いただきたいのは、校内施設でも、各種資料でもなく、この場に集った人の顔です」と。

 そして「一緒にやっていけそうならどうか受験を」と結んだ。説明会で初対面同士の参加者が、黙契のうちに通じ合える何かを感じたなら、駒込という学校のブランド化は成功したというべきであり、河合校長の呼び掛けはその自信の表れともとれるのである。実際、精神的教育を中心にすえた進学校という見方はすでに定着し、その点に期待し、受験する層が増えている。

 精神的教育という側面は、また、説明会参加者に後日送付される礼状にも顕著である。文面が通り一遍ではなく、送付時期によって、相手の気持ち、感情の動きに添った内容となっていて、受け取る側へのメッセージ性は極めて強い。ほんの小さな心くばりにこそ、人は縁を感じ、学校の色合いというものを見極める。

 最後に河合校長が口にした言葉が、仏教教育者らしく印象に残った。「秋の実りは母なる樹木に還元されることはない。すべては種子(子ども)に還される」。教育の原点が着実に受験生や保護者に伝わっていると実感させられる学校である。

 
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