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中学・高校受験:学びネット

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水戸啓明高等学校
(水戸短期大学附属高等学校)

 
  「水戸啓明」へ校名改称 理系特化の特進コースを設置
「SUITAN」の名称で親しまれてきた「水戸短期大学附属高等学校」が2012年、「水戸啓明高等学校」として生まれ変わる。「啓明」とは明けの明星(金星)のこと。この校名には、学問を通して社会や人々を導く「道しるべ」のような人材になってほしいという思いが込められている。校名変更に伴い、コース制も刷新。理系に特化した選抜特進コースを新設し、高い理想に向かって変革を遂げようとしている。

校 長: 田中 睦啓
住 所: 〒310-0851 茨城県水戸市千波町464番地10
電 話: 029-243-9680
交 通: JR常磐線「水戸」駅北口から関東鉄道バス(千波車庫・平須・石岡・鉾田各方面行)6番乗場乗車「千波坂上」下車
学生数: 784名 (2011.07.1現在)
ホームページ: http://www.suitan.ed.jp

 

自ら勉強に取り組む
夢を実現できる学校に

 水戸短期大学の学生募集停止を受け、2012年から「水戸啓明高等学校」と校名を改称。新たなスタートを切ることになった水戸短期大学附属高等学校。これまでの伝統を引き継ぎながら、新しい教育基本方針を打ち出していく予定だ。

 最も大きな変革として、普通科を3コース、商業科を1コースにし、コース名も変更する。特に注目したいのは、普通科の「サイエンス・フロンティア(選抜特進理化コース)」。理系に特化し、医学系・難関理工系のトップレベルの大学進学を目指す。目標は人間性豊かなエリートの育成だ。

 このコースでは「メディカル・プロジェクト」として、工学博士や理学博士を招いての講演も企画。すでに今年から特別大学進学SSコースにおいて月1回のペースで開催されている。さらに7・8時限目を「課題探求学習」または「受験対応学習」の時間に設定。さまざまなテーマに沿って研究する時間を設けているのも特徴だ。

 他にも普通科には難関文系・理系を目指す「選抜特進文理コース」と国公立大・有名私学大合格を目指す「特進文理コース」がある。「選抜特進文理」でも「課題探求学習」の時間が設けられるほか、「サイエンス&ヒストリープロジェクト」として、学術・研究都市つくばへの見学、自然科学や歴史の研究者の講義を計画している。

 さらに商業科は「人間経済コース」と新しく命名。将来の起業家育成も視野に入れ、簿記等の資格取得を強化。「エコノミック・プロジェクト」とし、地元企業のトップを招いての講演やバーチャル株取引等の実践指導も行われる。

 生徒募集部部長の竹内弘文先生は「新コース制を導入することで、詰め込み教育ではなく、生徒が自分から学ぼうとする『能動型学習』へと転換していきたい」と語る。同校が目指す「夢実現高校(ドリカム・ハイスクール)」に向け、生徒一人ひとりが進路や生き方を見い出せるような教育を目指していく。

 また、コース制の変更に伴い、入試方式も一部変更する。同校では5教科記述式を採用。そのうちの英・数・国3教科でも判定をしているが、「サイエンス・フロンティア」はその3教科を「英・数・理」で判定。特待規準は5教科または3教科で、生徒に有利な点数で選抜してくれる。

柔軟な発想を育てる
日記「Ambition」

 生徒と教師が密にコミュニケーションがとれるツールとして長年親しまれている日記「Ambition」。これは校名が変わっても引き継がれる。生徒がその日の出来事や発見したことを書き、教師が返事を書くスタイルだが、生徒ともっとコミュニケーションを図ろうと工夫している教師も多い。

 人気のクイズ番組のように教養クイズを出したり、新聞の切り抜きを読ませて感想を書かせたりするなど、柔軟な発想を育てる土壌として活用している。こうして文章を書かせる訓練を日常的に積み重ねることで、作文力や小論文作成の基礎力を培っていくことにもつながる。

 ある先生は「何ヵ月前からのものを読み返すと、生徒が悩んだり立ち直ったりしているのがわかります。これを読むのは担任と副担任だけですが、教科でつまずいていることがわかれば、その教科の先生に相談に行くこともあります」と話す。中には失恋の話、携帯の使い方で親に叱られた話を書いてくる生徒もいて、生徒のいろいろな側面を知るキッカケにもなっている。

入学してから伸びる
東大に、国立大に合格

 今年の大学入試では国公立大に42人が合格。ここ数年、国公立合格者は40〜70人、日東駒専・大東亜帝国以上の合格者は、卒業生全体の2〜3割と安定した合格実績を残している。

 「本校はおかげさまで、入学後の成績の伸びを褒めていただいています」と竹内先生。平成18年度には入学試験の点数が377点だった生徒が東京大学に現役合格。偏差値も16以上上げての快挙だった。他にも、入学時223点の生徒が茨城大学に合格。商業科の生徒の中には「簿記」「情報処理」「全商英検」のすべてで1級を取り、国立の金沢大学に進学した生徒もいた。

 「簿記・情報処理・英検・ワープロ・電卓・商業経済のうち、全商1級を3科目以上取得すると、金沢、埼玉、静岡、福島大学など、面接と作文で受験できる国立大学も少なくありません。本校では毎年数人の生徒がこの方法で合格しています」と竹内先生は語る。

 着実な合格実績を残しながらも、同校は進学一辺倒の学校ではない。全国に名前が知られる柔道部、Jリーガーを輩出しているサッカー部、2度の甲子園出場を果たした野球部等、部活動も盛んだ。文化部では「Express Jazz Orchestra(ビッグバンド)」も年間10件以上の演奏依頼を受けるなど、精力的に活動している。昨年、新設されたばかりの「自然科学研究部」は物理・地学・生物・化学の研究に取り組んでおり、震災後には地震のメカニズムを分析。液状化現象がなぜ起こるか検証した。

 「大学で研究をする、スポーツのプロを目指す、独立して起業家になりたい…。創立52周年の伝統のもと、卒業生は1万8,000人超。その中には、国会議員、市町村長、プロ野球選手、サッカーJリーガー、芸能人と多方面にわたり大活躍しているOB・OGがいます。生徒一人ひとり、さまざまな夢があっていいと思います。本校では生徒の夢をかなえるべく、偏った教育ではなく、幅広い人材を育てていきたい。本校の卒業生は本当に多方面で活躍する人が多い。それこそが伝統校の証だと思っています」と竹内先生。

 来年その伝統を糧に大きく飛躍する年を迎える。

 
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