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中学・高校受験:学びネット

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藤嶺学園 藤沢中学校・高等学校

 
  茶道・剣道で日本文化を理解
真の国際教育につなぐ
 
今年度4期生を迎えた藤沢中学校・高等学校の中高一貫コース。剣道・茶道の教えの下、和の心の理解を基本とし、その上で中国をはじめとするアジア各国を中心とした国際理解教育を行って、本当の意味での国際人の育成に努めている。

校 長: 濱谷 海八
住 所: 〒251-0001 神奈川県藤沢市西富1-7-1
電 話: 0466-23-3150
交 通: JR東海道線・江ノ島電鉄線藤沢駅下車徒歩15分
小田急江ノ島線藤沢駅・藤沢本町駅下車徒歩15分
学生数: 中学校  314名
高等学校 687名 (2004.7.1現在)
ホームページ: http://www.int-acc.or.jp/fujisawa/

 

茶道・剣道を必修として 日本文化と精神を学ぶ

 6年という長いスパンを3期間に分け、基礎・発展・深化と区切ることで中学と高校の学習をスムーズに進めて、無理や無駄なく生徒を育てようという目的で設立された中高6年一貫教育も4年目となり、今年、第1期生が高校1年に進学した。現在、370名余が6年一貫コースで学んでいるが、生徒総数は1000名前後なので、まだ外部進学生が過半数を占めている。しかし、これも2年後、6学年すべてに一貫生がそろえば、外部との比は半々になる予定だ。
「中高6年間を預かるため、その長い時間の中でしかできない体験や知識を与えてやりたいと考えて、企画・実践しています」。
  そう語るのは広瀬政幸入試広報部長。6年間を通じ他校にはない授業として、藤沢中学校・高等学校の大きな特徴となっているのが、剣道と茶道の必修科目だ。剣道は高2までの5年間、茶道は6年間通じて行われ、どちらも情緒面の教育として採り入れられている。特に茶道においては、茶の道の礼儀作法から始まり、掛け軸や生け花を鑑賞する心、茶をいただくときの動きの美しさを学ぶことで、精神的な安定を得る。この春、中学を卒業する第1期生が主催した卒業茶会では、卒業生の保護者を招き、堂々とした風格で茶を振る舞う姿を見せた。中学生になると親子の対話も少なくなりがちで、普段あまり感じなかった息子たちの成長ぶりを目にした保護者から、感嘆の声が挙がったほどである。
  また、剣道・茶道ともに今年度から縦割り授業を実施。剣道では面の付け方や竹刀の持ち方から動き・技、茶道では立ち居振る舞いなどを中学3年生が2年生に指導するという方法が採られている。
  これらの科目には情緒面の教育のほかに、真の国際理解教育のため、何よりもまず日本人としてのアイデンティティを確立し、自分の住む国の心を理解するという目的も含まれている。

発展続くアジアの成長株 中国に注目した国際教育

 国際理解教育として採り入れられているのが英会話教育と海外への研修旅行。英会話教育では、ネィティヴの教員が英会話の時間だけでなく、体育の授業も担当する。無論、体育教員が補佐についているが、主に指導するのはネィティヴの教員のため、英会話が聞き取れなければ指示通りに動けない。
「この取り組みは中学1・2年のみですが、英語教育では早い時期からクラス授業だけでなく体育という動きのある授業で英語を浴びることで、英語に対するコンプレックスをなくし、リスニング力を鍛えていくのが目的です」。
  生徒の多くが全国平均値を上回るリスニング力を身につけているという実績が、広瀬部長の言葉を裏付けている。
  中学3年になると、さらに進んだ国際理解教育の一環として、海外への旅行が用意されている。西欧やアメリカなどの国へ行く私立校が多い中、藤沢では日本に近い国々であるアジアをまず知ることに重点を置き、中国・北京への旅行が予定されている。これはもちろん、ただの観光旅行ではない。海外留学生を受け入れている北京の私立校と協力体制を整え、ホームステイで中国文化を知り、アジアの中でもトップレベルの中国の英語教育に触れ、生徒に良い刺激を与えるのが目的である。残念なことに、第1期生は中国全土で流行したSARSのために中止となったが、第2期生は次の春の実施のために中国事情の講座を受講するなど、現在着々と準備中である。
  また、高校になれば中国に進出した日本企業で働く日本人の話を聞く研修旅行も用意されており、希望者にはオセアニアエリアであるオーストラリアやニュージーランドへの語学研修などの道も開かれている。

急激な人気上昇の波の中 あえて少人数制を貫く

 このように、豊富な体験を積みながら成長していく生徒たちだが、小学生時代の成績は決してずば抜けていたわけではない。偏差値としてはハイレベルとは言えない生徒が、入学後に剣道や茶道で安定した精神面を育成し、授業に対する真摯な姿勢を身につけて、驚くような成長を遂げる場合もある。実際に高校に入学した生徒は、外部進学生よりも好感の持てる授業態度であるという評価が出ている。
「ただ、今問題視しているのが、この1〜2年で非常に一貫制への入学希望者が増えてしまったことなんです」。
  広瀬部長によれば、6年一貫制の立ち上げ時には、少人数制によるきめ細かな指導を目的としていた。しかし、1期生では2クラスだった生徒が、2期では3クラス、今年度の4期では4クラスに増え、生徒数も130名を超えている。それだけ外部の学校の評価が上がっているのは喜ばしいが、ホームステイなどをはじめとするシステムがこのまま増加の一途をたどると変更せざるを得なくなるのだという。
「急激な人数増加は抑え、藤沢中学校・高等学校の良い教育を一人ひとりにきちんと伝えて、生徒の夢を少しでも多く実現させてやりたいのです。それが、私や教員、そして今年度より就任した濱谷海八校長の考えでもあります」。
  そう広瀬部長が紹介する濱谷校長は、藤沢中学校・高等学校の卒業生の一人であり、今年度就任したばかり。国際的な視野も広く、海外の大学にも目を向けていこうという考え方を持っている。
  来年には90周年という区切りの年を迎える藤沢中学校・高等学校。新しい校長の下、伝統に基づきながらも、さらに進化した教育が期待される。

 
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