平成14年までは進路に合わせ、2年次から特別進学や福祉、芸術など8つのコースに
分かれるシステムだった。しかし、年々進学希望者が増えたため、4つのコースに改変、1年次からコースごとに指導を行う。
コースは「進学選抜」・「福祉進学A」・「福祉進学B」・「総合進学」。「進学選抜」は有名4年制大学合格を目指し、「福祉進学A・B」は在学中に福祉資格を得るとともに専門学校や大学進学を目指す。「総合進学」は2年次から選択授業を設定し、進路を考えたり、資格が取れるコースだ。
ホームヘルパー1級、介護福祉士受験資格が取れる「福祉進学A」
「福祉進学B」は、ホームヘルパー2級を取得し、進学を目指すコースで、福祉を主に進学・受験のための幅広いカリキュラムが組まれている。同校は、ホームヘルパー1・2級の認定校なので、卒業と同時に資格が得られる。
「福祉進学A」は、「福祉進学B」よりもレベルの高い資格が取れる。ホームヘルパー1級取得と介護福祉士の受験資格だ。これは、普通科では全国初。教科学習のほかに特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などでの実習や在宅での同行訪問実習、障害福祉センターでの見学実習など多くの実習が含まれている。
「普通は、介護福祉士になるには高校卒業後専門学校へ2年間行かねばなりません。費用も相当かかります。しかし、本校では3年間で受験資格が得られますし、費用も特別にはかかりません」と小松原誠校長は、資格取得が最短距離であることを強調する。
校内に介護実習のための設備が整えられているほか、提携施設も専門学校や短大に匹敵するほど多いので、福祉を学ぶには最適の環境だ。
入学試験は課題作文と面接のみ。「福祉の仕事は何より適性が大事です。学校説明会の個別相談会で詳しく話をしたり、体験入学をしてもらったりして、自分に合っているかどうか何度も確かめてもらい、こちらも性格や考え方などを把握して試験に臨んでもらいます」と白鳥君好副校長。
「福祉進学B」は卒業後進学して介護のプロ・介護福祉士へ、「福祉進学A」は、卒業後介護福祉士取得と、さらに進学して福祉のプロといわれる社会福祉士を目指してほしいと小松原校長は語る。
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きめ細かな指導で希望の大学へ。「進学選抜」
受験対応のカリキュラムを組み、3年間で有名4年制大学合格を目指す「進学選抜」。 同校は週5日制だが、土曜学習、夏・冬・春講習のほか、7時間目授業も実施し、学力向上を図る。また、パソコンで学習ソフトを使いながら個別指導を行ったり、少人数制の授業も実施し、一人ひとりのペースに合った指導で能力を伸ばす。
白鳥副校長は「以前から希望者にはこのようなきめ細かい指導をしていたのですが、ニーズが高まったため、新しくコースを設けて募集したのです。教師は、特に指導能力の高い指名された者ばかりで、生徒たちが希望大学に合格できるように精一杯バックアップしていきます」と話す。
選択授業で夢と適性を判断「総合進学」
「高校入学時では、まだ将来の進路が決まっていない、あるいは決まっているが合っているかどうかわからないなどという生徒もいるでしょう。そのような生徒に、できるだけ器をたくさん用意して進路が決められるように考えました」と小松原校長が話すように、このコースは、2年次からの週8時間選択授業が用意され、自分の興味に従って進路を明確にできる機会が用意されている。
選択科目は美術・イラスト系、愛玩動物系、家政食物保育系、看護系、情報ビジネス系、音楽系、資格取得まで多岐に渡る。最も人気があるのは、愛玩動物選択系で、トリマー実習・飼育実習や愛玩動物飼養管理士2級受験などの科目がある。科目数は非常に多く、すべて自由に選択できるが、どの科目を取れば良いか迷うときには、専門の相談員がアドバイスをする。また、3年生に進学する時に、2年次と違った系の科目を選択してもよい。
「人気の高い愛玩動物系は、実は理数系の学習が多いのですが、あまり知られていません。憧れだけでは続かないものもありますね」。
このコースは将来を考え、適性を確かめ、その上で大学や専門学校などの進学を決めることができる。
なお、以前の「商業科」で指導していた科目はすべてこのコースで選択できる。女性の職業も幅広くなり、今後さらに社会進出も進むだろう。気づかなかった適性に出会う可能性もあるため、このコースは、将来的には1年次からの選択授業にする予定だ。
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