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中学・高校受験:学びネット

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東京純心女子中学校・高等学校

 
  国公早慶・GMARCH合格率70% 「知」の獲得を支える人間教育力
今年2月から中学入試に絞り、高校募集入試を停止。2011年度から中高完全一貫校に転換し、6ヵ年教育の充実を追求した新カリキュラム「純心エデュケーショナルデザイン」も3年目を迎えた。今春の大学進学実績は前年を上回り、国公立・早慶上智ICU・GMARCH合格率は70%を越えた。新カリキュラムでは、授業の深化と主体的学習の定着、また、大学で通用する情報活用力の養成を実践している。これら「知の教育」を支える「こころの教育」の奥深さにも迫った。

校 長: 岩崎 淳子
住 所: 〒192-0011 東京都八王子市滝山町2-600
電 話: 042-691-1345
交 通: JR「八王子」駅・京王線「京王八王子」駅から西東京バス約10分、「純心女子学園」前下車
学生数: 中学校 370名
高等学校 389名 (2011.07.1現在)
ホームページ: http://www.t-junshin.ac.jp/jhs/

 

中高一貫校で深化を目指す
「こころの教育」

 東京・八王子の多摩丘陵に建つ東京純心女子学園。中学校・高等学校・大学がそろう緑豊かな美しいキャンパスだ。創立者のシスター江角ヤスが愛した、学校からの眺望こそ変われど、建学の精神は変わることなく息づいている。「マリアさま いやなことは私がよろこんで」が学園標語。思いやりと知性を兼ね備えた献身の精神を、純心の生徒は身に付けていく。

 「中高6年は『種蒔き』。種そのものをしっかりと育てる時期です。反抗期も受け止めながら、大切なことを伝え続ける。すると、心身の成長とともに、生徒は純心の精神を深く理解できるようになります。慌てなくても大丈夫」と穏やかに語るのは、岩崎淳子校長。

 6年という長い時間をかけて、生徒の『こころの教育』、『知の教育』にじっくりと取り組みたい。その思いを明確に打ち出したのが「完全中高一貫校」への転換だった。平成23年度から高校入試を停止、中学入試だけに絞った。生徒と教員の距離が近く、生徒の個性を見極めて、精神と学力の両面で、きめ細かいケアを行う純心の教育への保護者の支持と評価は非常に高い。年6回の中学校説明会に毎回参加する熱烈な純心ファンも多いという。

 「今年は特に『第一志望の純心で6年間学びたい』というモチベーションの高い生徒を選抜できたという実感があります」。入試企画部部長は分析している。

高みを目指して磨かれる
新カリキュラム導入3年目

 今春の卒業生125人の大学合格実績は、国公立大学の合格者が増加、早慶上智ICU含め17.6%(前年度16.5%)、GMARCHが52%(同46.3%)、津田塾・東女大・日女大が36%(同19.8%)と、前年実績を軒並み上回った。昨今の経済状況の影響下で、安全志向が目立ったことと、法科に人気が集まったのが、今年の卒業生の特色だという。

 6ヵ年教育では、高校の内容を中学で行えるなど、フレキシブルな対応が可能になる。「純心エデュケーショナルデザイン」は、中高6年間のスパンを最大限に生かした新カリュラム。GMARCH圏内は確実に、さらに国公立や早慶上智をねらえるレベルでの完成を目指す内容となっている。今年で導入3年目。

 「新カリキュラムでは、理数系に厚みを持たせて、中1の数学を1時間増やしました。過重にならず、効果的に学べるように、分野別に再構成するなど、引き続き改良を重ねていきます。以前より力を入れているのが"宿題のあり方"。単なる増量ではなく、家庭学習の仕方や時間設定などを細かく指導しています」と、岩崎校長は、新カリキュラムにおける自学自習の大切さを強調する。

 英数は習熟度別クラスを3段階に設置、中3から1時間増える古典も習熟度別授業となり、大学受験を見据えた手厚いケアがなされている。

 高2・3は、多様化する大学入試の細かな受験科目にも合わせて、時間割を自ら設定できる「セレツィオナーレ(選択)制」が、数年後に導入される。「在卒懇談会」は、大学1年の先輩からは受験勉強の進め方を、大学3・4年の先輩からは卒業後の進路など、生の声を聞くことができて、生徒たちのキャリアプランの大切な指針となっている。

「知の教育」の真髄
図書館が全教科のハブに

 新カリキュラムで大きな成果を上げているのが、教科学習を深化させる図書館とのコラボレーションだ。全教科のハブ機関として、全校挙げて図書館の活用を推進している。情報の収集・取捨選択の方法、5W1Hの読解、根拠と理由の違い、物語や論説の構造などをステップアップ方式で習得する教材を、教員と司書教諭の連携で作成。

 例えば、公民の授業では、時事問題や憲法に関するスピーチの準備段階の資料集め、論の組み立て方などは、図書館で司書教諭の授業を受ける。高校生にもなると、自分で論文を書き上げられる。「図書館は単なる読書の場でなく、思考する場」と語る司書教諭の手で、本棚の高さや配置、生徒の視野や動線に至るまで、コダワリの図書館が作られている。

 「最大の効果を発揮するのは、実は大学進学後です。純心の図書館で学んだおかげで、大学では全然苦労しない、と卒業生から本当に感謝されています。これが『種』を育てるということ」と、岩崎校長は顔をほころばせる。

 「授業や行事をご覧いただければ一目瞭然ですが、生徒たちは明るく、学校は大変活気にあふれています。女の子同士なので、萎縮せずに、のびのびと自分の良い面を出せて、友達の良い面も理解し認め合える。それこそ本校ならではの良さですね」と岩崎校長と入試企画部部長は目を細める。

 6月の中高合同のスポーツ大会は、生徒はもちろん保護者も観客も楽しみにしている一大イベントだが、中学生は縦割りのチーム編成をとり、中3生のリーダーシップの育成を目的としている。冬は広大なキャンパスの外を5キロ走破するマラソン大会。身体を鍛えることも決して疎かにはしない。
高1の「長崎研修旅行」では純心設立の地を訪れ、創立者のシスター江角ヤスの人生を辿る。2001年に岩崎校長が長崎研修を発案して以来、元純心生の原爆体験の講演、高齢の被爆者たちによる演劇鑑賞が恒例となっている。

 「生徒たちは皆、涙を流しながら受け止めています。原爆と建学の歴史を、肌で感じることが何よりの勉強なんです」

 新時代を拓く新カリキュラムにこめられた愛情の温もりを肌で感じながら、純心の夢の種は膨らんでいく。

 
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