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中学・高校受験:学びネット

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桜美林中学校・高等学校

 
  中学と高校の緊密な連携システム 生徒データがつなぐ合格実績の飛躍
学校創立90周年を迎える桜美林中学校・高等学校。キリスト教の精神のもと、多文化共生への理解と国際社会に貢献する人間の育成を目指している。「地に足をつけて行う日々の授業がすべて」と、教員一丸となり、授業の質を極め、生徒にも地道な努力の大切さを説く。中高一貫校の強みを最大限に生かし、中学校と高等学校が互いに弱点を指摘し合い補強する、緊密な連携システムを完成。その成果が驚異的な合格実績となって現れている。6年間をかけて作られる飛躍の土台に迫る。

校 長: 本田 栄一
住 所: 〒194-0294 東京都町田市常盤町3758
電 話: 中学校 042-797-2668
高等学校 042-797-2667
交 通: JR横浜線「淵野辺」駅から徒歩20分、またはスクールバス5分、京王線・小田急線「多摩センター」からもスクールバス有
学生数: 中学校 500名
高等学校 982名 (2011.07.1現在)
ホームページ: http://www.obirin.ed.jp

 

地に足をつけた教育を実施
改革と再生に挑んだ8年間

 桜美林中学校・高等学校は、30棟近い大学施設が林立する広大な桜美林学園・町田キャンパスの一角にある。桜美林大学への進学率は10%ほどで、大多数の生徒は他大学受験に臨む。2年前に東大への現役合格者を輩出、今春は早慶上智26人、ICU・東京理科大・MARCHに168人の合格者を出している。特筆すべきは、国公立大学への過去最高21人の合格実績。前年の13人から驚異的な伸びを見せている。

 「地域的に私大トップ校へ流れがちですが、国公立大に向けての進路指導は、近年ずっと行っています。ほぼ全員がセンター試験を受験、親も生徒も国公立志向へと変化しつつあります」と分析するのは、杉本きみ子中学教頭。

 学校のHP上では「8年前との比較」として、進学実績の推移をつまびらかに分析報告している(表参照)。早慶上智の合格者数4倍に至るまでの8年間こそ、桜美林中学校・高等学校の大きな転換期だった。

 8年前に就任した現校長の本田栄一氏が推し進めたのは、「授業改革」。教職員には「授業がすべて」と意識改革に努めた。生徒回答による「授業アンケート」の評価で、常に緊張感を保ちながら、板書の仕方、声の出し方から研鑽を重ねた。

 「"学ぶ意義"を教員も生徒も問い続けながら、地に足を付けた教育を行っていること、地道に努力している生徒の姿を、外部へきちんと伝えたい」と杉本教頭は自信を見せた。

進路指導部と学習指導部
フィードバックで研鑽を

 改革以前から、長い試行錯誤を重ね、精錬・完成させてきたのが、高等学校の「進路指導部」と、中学校の「学習指導部」の連携だ。担任を持たず、指導専門に特化した教員を各部署に置く。

 中学校の「学習指導部」は、テスト結果をもとに、3年間にわたる成績変遷や活動の様子を生徒の個人データにまとめ、フォーマットを改善させながら管理する。そこから浮かび上がる高校での課題を、個人と学年傾向に分けて高校へ伝える。

 「大きな変化としては、中3の学年担任が順繰りに行ってきた管理業務が、学習指導部に一元化されたことです」と語るのは、学習指導部の担当者。全生徒分のデータの一元管理は、膨大な量だが、仕事はそれのみではない。高校の進路指導部から、中学校の学習指導部へも要望や要請が入ってくる。

 「合格実績を逆算して割り出された『中学段階で身に付けたい学力』が明確化されたことで、中学の教科指導にもプレッシャーがかかります。学年・教科ごとの達成基準に向けて、各教科主任に指導を行います。また、勉強合宿や特別クラスを設定するなど『補強』を企画するのも指導部の役目です」と学習指導部担当者は、仲介役の難しさと醍醐味の両面を声色ににじませた。

 「中高の指導部が主導して、担任たちと面談を行い、生徒の学習・進路指導へとつなげていきます。毎年刻々変わる大学受験情勢と、生徒個人の特性を熟知した指導部のプロフエッショナルによる、ブレのない進路・学習指導の結果が近年の合格実績です。特に中学入学の内進生は、難関大学合格率を占めています」と杉本教頭は、笑顔で付け加えた。

3年後の飛躍の土台を作る
基礎力と思考力と自学自習

 今春の中学入試は1,603人の受験生を集めた。4年目となる午後入試は、上位校をねらう受験生の併願校として、評価が定着している。高校からの入学者と内進生は、高校1年次は別クラス、2年次から合流し、理系・文系に分かれる。高3では午前は授業、午後は志望に合わせた自由選択の受験講座となり、受験準備に入る。

 近年の保護者は、落ち着いていて観点が鋭い、と杉本教頭。毎朝の英語テストは、保護者の意見から生まれた。

 「保護者からは適切な意見が寄せられます。『皆で一緒に学校を変えていこう』という意識がとても高いです」

 中学校の指導のねらいは"基礎学力の定着""自学自習の確立"。昨年から導入した『学習の歩み』は、テスト勉強計画・結果・検証を生徒自身が1年間書きこむ冊子。学習の仕方を振り返る、生徒自身による個人データだ。

 一方"伝統の学び"のシステムも継続している。創立者が考案した英・数・国の「コンテスト」は、計算力・語彙力の定着を測る年5回のテスト。成績優秀者は表彰される。また自由研究を発表する冊子『探究心』も伝統のひとつ。生徒が自ら選んだテーマを、理社の教員が資料の探し方・扱い方、「導入・展開・帰結」の論文の書き方まで、徹底指導してサポートする。夏休み中、実験室にこもり、研究に没頭する生徒も。夏休みの宿題も含め、「最後までやらせる」のが桜美林の流儀だ。

 「基礎学力」「考える力」「努力の大切さ」。桜美林の源流は、変化と伝統の中に息づいている。杉本教頭は語る。

 「自分の道を探す土台となる力を、中学時代にきちんと身に付けること。それが大学進学のときに、大きな力を発揮するのです」

 
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