事実を把握し、表現する訓練を積む
中1の国語は、6年間の学習の土台作りとして、「書くこと」と「読むこと」に重点をおいて学びます。週に4時間の授業のうち、3時間は教科書を使った授業にあて、1時間は「表現」の授業とし、3ヵ月に2回程度の割合で、メディアセンターでの読書の時間も設けています。「表現」の授業は、原稿用紙の使い方から始まり、聞き取り、要約文や手紙文の練習、インタビュー、プレゼンテーションと内容が深まっていきます。
インタビューでは、一学期に河井道から直接教えを受けた卒業生を招いて、創立者について学びます。夏休みにはその体験を生かし、各自が戦争体験についてのインタビューをして、報告書を提出します。この時に、聞いたことと自分が思ったことを別々に書くよう指導しています。人の話を聞きそれを他者に伝えるときには、事柄は事柄としてきちんと表現しなければならないこと、自分の考えと事実は別だということを徹底的に意識させます。事実を把握し、表現する訓練をすることは、繰り返し要約文を書くことでも身に付いていきます。
中1最後の課題であるプレゼンテーションでは、発表者とそれを評価する人、聞いた内容のメモを取る人と、役割をローテーションしながら、全員がクラスメートの前で発表します。人の話を聞き、より良い発表のためにはどうしたらよいのかを考えることが目的です。友達の発表を聞き、新たな発見をしたり、工夫をしたりすることは、教員との一対一のやり取りだけでは得られない、大切な学習です。
メディア・リテラシーを身に付ける
中3になると、国語は5時間になり、その中の2時間を「メディア」の授業としています。30年近い実績を持つこの時間では、主にディベートと新聞を扱っています。
新聞の学習には、多くの時間を割いており、新聞に親しみ、興味を持たせることから始め、記事の種類や用語を理解した後、新聞作りを行います。現役の新聞記者の講演会などを交えながら、自らが発信者の立場に立つことで、情報の取捨選択を体験し、メディアからの情報が現実を再構成したものであることを体験的に学びます。情報を鵜呑みにするのではなく、批判的に読み解き、自分で判断する力の育成を目指しています。
古典の分野などは、一部高校の内容を先取りしつつ、すべての学びに通じる「母語」の力を養うことを大切に、生徒の論理性や表現力を確実に育てています。 |