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中学・高校受験:学びネット

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二松學舍大学附属高等学校

 
  現代に光る「伝統と新生」の教育 研鑽から生まれる進学力と人間力
創立133周年を迎える二松學舍大学は、夏目漱石・犬養毅など近代日本を支えた巨人たちが学んだ漢学塾の名門。二松學舍大学附属高等学校は創立62周年。グローバルな現代社会において、「伝統と新生」の精神を教員と生徒が一丸となって体現している。平成21年度は国立大学への現役合格も実現。大学と連携を固め、外部からの客観的な評価を糧に自己研鑽を積み、学校改革を重ね続けている同校の取り組みを紹介する。

校 長: 橋本 喜一
住 所: 〒102-0074 東京都千代田区九段南2-1-32
電 話: 03-3261-9288
交 通: 東西線・半蔵門線・都営新宿線「九段下」駅徒歩7分、JR線・地下鉄「市ヶ谷」駅、「飯田橋」駅徒歩15分
学生数: 742名 (2010.09.1現在)
ホームページ: http://www.nishogakusha-highschool.ac.jp

 

「知行合一」「温故知新」
受け継がれる明治の精神

 千鳥ヶ淵をはさんで東に日本武道館と北の丸公園、北には靖国神社。緑豊かで閑静な地区に凛とたたずむ二松學舍大学附属高等学校。校舎は地上6階、地下2階建て、全室冷暖房を完備。向かい側には明治10年創立の二松學舍大学があり、高等学校の生徒たちは学生食堂、書道の講義や体育館での授業など、大学との間を頻繁に往来している。

 「本校では、高大連携は昔から行われています。大学生や大学院生の存在を日頃から肌で感じられる環境です」と附属校のメリットを語る橋本喜一校長。公立校の校長職を歴任後、5年前に当校の校長に就任した。「大学は創立133周年、昭和23年設立の高等学校も62周年を迎える伝統校です。生徒や保護者は、本校の教育理念に対して良く理解・賛同してくださっている。私学として大変ありがたいことです」。

 二松學舍の教育理念――それは明治期の漢学・法曹界の重鎮にして創立者の三島中洲が掲げた建学の精神にさかのぼる。「知行合一」と「温故知新」。

 欧風文化が花開いた明治初期、日本固有の文化と伝統を重んじる「漢学塾二松學舍」を創立。文豪・夏目漱石も14歳のときに二松學舍で1年間、漢学を学んだ。現代の高校生たちにも引き継がれている理念を、橋本校長は熱く語る。「学ぶことと行うことは同じ、というのが『知行合一』。学んだことを実生活で実践しなければ意味がない。生徒には、現代の国際社会・日本社会で、信念と哲学を持って堂々と活躍できる、また社会の一隅を照らすことのできる人物に成長してほしいですね」。

人間教育と国際教育
新時代を生きる力を育てる

 建学の精神と伝統に習い、同校の生徒たちは単科として週1回「論語」を3年間学ぶ。現代を生きる高校生たちに、「論語」はどんな力・素養を育み、実生活に光を照らすのだろうか。

 「高校生の頃は自己中心的になりがちですが、それを乗り越え、『他』の存在を思いやりの心で見ることができる『自分と他人とのバランス感覚』を学べると思います。自分が叩かれて痛ければ他人も痛いのだという、自他の区別とともに同一感や対応力を生徒たちは自覚できるようになるのではないでしょうか」と橋本校長は分析する。

 国際感覚を養うため、同校では外国語教育にも力を入れる。英語は1年次の進学クラスは週6時間、特進クラスは8時間の授業数を確保、希望者には補講でも対応する。年3日間行われる「英語持久走」は、終日、英単語や文法、構文などの各課題を暗記するコンテスト。多くの生徒が挑戦する。3年次では第二外国語として、中国語・韓国語が選択できる。親大学の教員によって行われる授業は、文化や風習についても学べる充実した内容だ。

 書道の授業は、3年次には大学の教室で大学生と同じレベルの授業を受ける。二松學舍大学に進学した際は単位として認定されることもあり、書道の教員免許取得を目指して入学する生徒も同校では珍しくない。情報教育も専任教員1人、専門の非常勤講師2人による万全の体制。Webページの企画立案から制作発表まで行い、IT社会における情報の的確な伝え方を学んでいく。「知行合一」「温故知新」の理念は、確実に教科の隅々にまで息づいている。

 「社会の一隅を照らす」実践として、長年続けているボランティア清掃もそのひとつ。野球部員と美化委員、有志による100人近い生徒が、月2回授業前の朝20分間、近隣の地域を清掃する。「町が美しくなることに加えて、清掃する生徒の姿がさわやかだ、と地域の方々がおっしゃってくれます」。橋本校長は嬉しそうに目を細めた。

外から内から学校を鍛え、
国立大学への現役合格実現

 地域を含めた外部の有識者からの意見を、教育活動や学校運営に生かしていくのが、昨年発足した「学校運営連絡協議会」の取り組みだ。「父母の会」の前役員、町内会役員、大学教授や新聞記者など外部委員8人と、校長ほか内部委員5人で組織され、任期は3年。「町での生徒の挨拶は良い」「教員は教科指導で力を発揮すべき」など、協議会で出された意見を全教員で情報共有することで、一層の身の引き締めを行った。

 学校内部からも改善を図るため、一昨年から設置されているのが「あり方検討委員会」。各部門の主任クラスで構成され、学校の現状分析、将来像の策定などにあたる。そして教員たちの自己研鑽も活発だ。予備校など外部研修会に参加し、授業方法や指導方法の研究を積極的に行っている。「私学は異動が少なく、優秀な教師でも2、30年も同じ場所にいると錆が出る。それを外部・内部で磨き直すことが必要」と橋本校長。また、「教員とは違う立場から友達感覚で指導してもらおう」と昨年から導入したのがチューター制度。国公立大学・大学院の学生2人が週1回、図書室で生徒からの質問や相談に応じている。合理的な勉強法、部活と勉強の両立の仕方、大学生活の様子など、生徒たちは現役学生からリアルな情報を貪欲に吸収している。

 平成21年度の4年制大学現役合格率は78.8%、国公立大学の現役合格も果たした。今年3年目の特進クラスは来春、特進としての初めての結果が出る。「特進クラスは、補習を含め、ほぼ毎日8時間授業。生徒の意識は高く、努力もしています。進学クラスでは内部進学、さらにはGMARCHレベルを目指しています。やはり『出口』の充実が第一。幅広い選択肢を持てる進学校として実力を高め、大学との連携や本校独自の人間教育力もより一層深めていきたいですね」と橋本校長は将来を見据える。

 二松學舍大学附属高等学校は、これからも「伝統と新生」の道を力強く踏みしめていく。

 
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