サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関東校・ 関東一覧
   

女子聖学院中学校高等学校

 
  伝統行事を軸に新しい試み 自立できる生徒を育てる
「神を仰ぎ 人に仕う」をスクールモットーにしている女子聖学院中学校高等学校。人は神から一人ひとりに神賜物(資質)を与えてられているとし、それを磨き、世の中で役に立つ人になろうという教育目標を掲げている。2008年に新校舎が完成。今年は105周年を迎える清々しい学び舎には、明るい声が響いている。

校 長: 大野 碧
住 所: 〒114-8574 東京都北区中里3-12-2
電 話: 03-3917-2277
交 通: JR「駒込」駅東口徒歩7分、東京メトロ南北線「駒込」駅4番出口、徒歩8分、JR京浜東北線「上中里」駅徒歩10分
学生数: 中学校  656名
高等学校 643名 (2010.07.1現在)
ホームページ: http://www.joshiseigakuin.ed.jp

 

「軽井沢生活」で
女子聖学院生として自覚

 昨年の入試は志望者が急増、急遽1クラス増やして、6クラスでスタートした女子聖学院中学校高等学校。今年の入試は落ち着きをみせ、「本当にこの学校に通いたいと希望する生徒が集まってくれた」と大野碧校長は振り返る。

 「本校は今年105周年を迎えます。改めて本校の歴史をたどってみると、教育への姿勢にしても行事にしても、長い伝統の中で培われてきたことが多い。そうした伝統の積み重ねが、受験生や保護者の方に支持していただいている理由のひとつなのかなと、思っています」

 代表的な行事に、1953年からスタートした「軽井沢生活」がある(今年度は場所を変え、河口湖で「翠の学校」として開催)。中1の夏休みに行う2泊3日の合宿で、「自分を見つめる・女子聖学院での学びの原点」と位置付け、さまざまなプログラムが実施されている。時にサプライズとして登場するのが、「父母からの手紙」。子どもが生まれてきた時、どういう気持ちだったかを綴ったメッセージが生徒に手渡される。「涙を浮かべる生徒もいます」と城築昭雄校長補佐。自分は両親、そして神から愛されている大切な存在だということに気付く瞬間だ。他にも友達同士、お互いの良いところを伝え合うプログラムや、協力し合わないと解けないパズルゲームなども実施。「仲間とは何か」「その中で自分にできることは何か」にじっくりと向き合う。

 「『軽井沢生活』を経て、1年生は本当の意味での女子聖学院の生徒になります。ここでの経験が、その後の人生の原点にもなる大切な行事です」と大野校長。こうした取り組みは保護者や受験生にとって大きな魅力に映るのだろう。

運動会と文化祭で
生徒は大きく成長

 他にも大きな行事として運動会と文化祭がある。運動会では教師は付くものの、練習計画から当日の運営まで、すべて生徒が表立って実行。高校は学年で赤・黄・青の3色に分かれ、中学はクラスごとに各色に分かれる。審判から整列の誘導まで、競技をサポートする係はすべて生徒が行う独特のスタイル。体育館で行われるがフロアに教師の姿はない。城築校長補佐は「受験生の保護者の方が体育祭を見に来て、面白くて最後まで見てしまったという話も聞きました」と誇らしげだ。

 学年の色は1年で決まると、3年まで変わらない。色による団結力はすごいものがあり、「卒業生に『何回生?』と聞くより、『何色だった?』と聞くほうが多いくらい。私も本校の卒業生ですが、赤だったことを良く覚えていますよ」と大野校長はにっこり。

 文化祭のイベントのひとつ、合唱コンクールも基本的に生徒が運営。クラス対抗でもあり、指揮者や伴奏者に選ばれた生徒はクラスをひとつにまとめる大役を担うことになる。しかも11月開催と高校3年生にとっては大学受験を控えた大事な時期。城築校長補佐は「大学受験に影響があってはと、中止しようとしたこともありました。しかし、合唱コンクールを通して、生徒はあらゆる面で伸びていたのです」。

 放課後は勉強で忙しいため、10月になると生徒は30分早く7時半に登校するようになる。限られた時間を有効に使うことを自然に身に付けていくのだ。

 「こういうときでも、最後まで投げ出さず、優勝するのは高校3年生が多い」と大野校長。

 「しかも昨年は、生徒からの立案で、最後に課題曲の讃美歌を全校生徒で歌いました。素晴らしかったですね。運動会と文化祭が生徒を成長させる大きな要因のひとつになっています」

自ら進んで勉強
自立心を身に付ける

 今年の5月から中学で始まった新しい試み。それは放課後の自習室の設置だ。これまで放課後に補習は行ってきたが、自分から進んで勉強する部屋を設けたのは初めて。自主的に学ぶ姿勢を身に付けてほしいという思いが込められている。

 「面倒見がよいのはいいのですが、何もかも与えてしまったら、自分から物を考えなくなってしまいます。まずは自立できることが大切。そうした思いから自習室を作りました」と大野校長。

 この自習室では、中1〜中3までの生徒が学年を超えて、一緒の教室で勉強している。こうした縦のつながりも好ましい、と城築校長補佐。始まったばかりの取り組みだが、将来的には、学年をまたいでの授業が行えるような自習室にしたいと夢は膨らんでいる。

 また普段の授業でも、生徒自らが学びたいと思うような工夫を凝らしている。ある英語の授業では最初に一斉に英語で会話をさせる。城築校長補佐は「なんだかすごくにぎやかだなと思ったら、ウワーッと会話が行われていた。そこで生徒の興味を一気に引きつけ、本題にパッと入る。この授業は他校の先生方も見学に来られました」。

 また中3の数学では、現在習熟度別にクラス分けをしていない。教師の力量が問われる編成だが、「数学嫌いをつくりたくない」という強い思いが込められている。大野校長は「習熟度別にしたことで、数学力は弱いと自分自身で烙印を押してしまい、勉強がイヤになる生徒もいるかもしれません。中学の段階でそう決めつけてほしくない。本校は神様から与えられた賜物(資質)を大切にしている学校です。生徒の様子を見て、必要であれば、習熟度を取り入れるようにしたい。もちろん特進クラスは絶対につくりません」

 最後に大野校長は、女子聖学院で得てほしいことを次のように語った。

 「一人ひとり与えられた賜物(たまもの)は違います。卒業する時には、自分の賜物とは何かを見つめ、それを社会で生かせるようになってほしいですね。それにミッションスクールですから、たとえ信者にならなくても、苦しいときや嬉しいとき、聖書に立ちもどってくれるようになってほしい。ぶれない心柱のようなものを身に付けて卒業してくれたら嬉しいと思います」

 

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.