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中学・高校受験:学びネット

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青山学院中等部

 
  伝統の“青山スピリッツ”を継承しながら 創立135周年を機に改革をスタート
国連大学や各国大使館が並ぶ都心で最も洗練されたエリアに、心安らぐ緑のキャンパスが広がる青山学院。幼稚園から大学院までを擁する同校は、明治7年の創立以来、キリスト教信仰に基づく人格教育を貫いてきた。創立135周年という大きな節目を迎えた昨年は、建学の精神を守りながら、時代のニーズに即した総合学園に生まれ変わるべく、学院一体となった改革をスタート。今年開設64年を迎えた中等部では、どのような取り組みを進めているのか、山本与志春中等部部長に話を伺った。

校 長: 山本 与志春
住 所: 〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
電 話: 03-3407-7463
交 通: 東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道」駅より徒歩5分、JR山手線・JR埼京線・東急線・京王井の頭線「渋谷」駅より徒歩10分
学生数: 823名 (2010.07.1現在)
ホームページ: http://www.jh.aoyama.ed.jp

 

教師主導から生徒主体へ
より楽しく考える授業に

 現在、高等部の校舎が改築中、平成24年には人文・社会科学系学部の移転に伴い、大学新校舎が竣工予定と、学院全体でキャンパスの再開発が着々と進んでいる。低層建築を8階建てに建て替えて、さらに緑を増やすというのも、生徒や学生たちにとって、嬉しい変化だ。

 中等部の校舎は高等部校舎竣工後に着工予定だが、ハード面だけでなく、授業体制も大きく変わる。これまでも英語・国語・数学・理科や技術家庭など、多くの授業で小クラス制をとってきたが、来年度から1、2年生全体を現在の1クラス46人から32人の小クラス制へ改編、クラス数を6から8に増やす。

 「講義型の教員主導になりがちな授業から、生徒主体の授業へ変えます。教員の目がより行き届くようになるだけではなく、発表や調べ学習、グループ討論などの考える時間がとりやすくなり、授業がもっと楽しくなるはずです」と山本部長は話す。高等部への入学に際し、受験がないことも、じっくり学べる同校の利点だ。

 また、英語教育に力を入れる同校では、小学1年生から高校3年生までの期間を4年間ずつ3段階に区切り、12年間一貫した英語教育を開始。キャンパス内の英語研究機関で作成したオリジナル教科書は、レベルが高いだけでなく、学校行事など身近な話題がふんだんに盛り込まれ、生徒が普段の生活の中で、楽しみながら英語を習得できるよう工夫されている。1年時は英語が苦手な生徒や外部から入学してきた生徒で別クラスを編成するなど、サポート体制も整えた。

 楽しみながら学ぶという点では、隣接する大学の留学生と英語で交流する「チャットルーム」も生徒に人気だ。

 さらに、大学や大学院の教授が専門分野の授業をしたり、学生や院生が数学や技術家庭の授業で生徒をフォローする「スクールアシスタント」を務めるなど、一貫教育の強みを生かした中大連携を強化している。

世代超え受け継がれる
“青山スピリッツ”

 こうした学内の連携を生かした改革が進められるのも、「一人ひとりが、かけがえのない存在として、他者のために奉仕する」というキリスト教の教え、「地の塩、世の光」のスクールモットーが、“青山スピリッツ”として世代を超えて受け継がれているからだ。大学生が中等部の部活動のコーチをすることなども、同校では当たり前の光景。

 「本校で学ぶのは『競争』ではなく、『協力』です。お互いの違いを認めた上で助け合い、自分のためだけではなく、他人のために働く。そうすることで、自分も相手もさらに高みへ上っていける。自分の利益だけを追究するのでは、個人も社会も成り立ちません。協力こそ、学校という集団の中で学んで初めて身に付くものであり、キリスト教が説く思いやりや『地の塩、世の光』の意味するものです」と山本部長は情熱を込める。

 “青山スピリッツ”を育むキリスト教教育の要は、全校生徒が集って行う、毎日15分間の礼拝だ。

 「生徒は毎日、“どんな人間もかけがえのない存在として生かされている、使命があるんだ”というメッセージを受け取ります。成長期にこうした言葉を聞くことは、心の発達に大きな影響を与えるため、本校の生徒は自己肯定感が強く、心が安定しているのです」

 中等部の一番の思い出を「礼拝」と振り返る卒業生も多い。そのため、同窓会は必ず礼拝から始めるという。山本部長は「『礼拝なんてつまらない』と言っていた生徒から、卒業後、『困った時にふと聖書の言葉が浮かんできた』といった話をよく耳にします。社会貢献活動を始める卒業生も多いのですが、ある卒業生は『自分らしくないことをしている』と思っていたところ、ある日牧師にそうした活動こそ、キリスト教精神だと指摘され、『青山で学んだことが生かされていると気付いた』と話してくれました」と感慨深げだ。

面倒をみすぎず
生きる力を引き出す

 進学のためではなく、人間的な成長のためにこそ教育があると考える同校では、テストの成績順位は出していない。また、受験科目に偏重しないカリキュラムを組み、理科では考察力を養う実験、社会科では地図を読み解く調べ学習など体験型の授業を重視している。成績評価については、「結果ではなく経過、さらには“何をしようとしたのか”が一番大事です」と山本部長は話す。

 進める改革も、キリスト教信仰に基づいた建学の精神をふまえ、生徒の主体性や生きる力をさらに引き出そうとするものに他ならない。

 「学校説明会などでは、あえて『本校は進学校や面倒見のよい学校ではありません』と申し上げています。必要なときに要るだけやれば十分という考え方から、補習もしていません。教師は生徒を見守り、必要なときだけ手伝う。過剰な手助けは、子どもの能力の発達の妨げになります。危険を察知したり、転んだときに起き上がる方法を自分で学んでこそ、子どもは成長し、主体性を育んでいくのです」

 確かな教育理念に裏打ちされ、伝統と革新の融合が、今後さらに大きな成果を生み出していく。

 
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