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中学・高校受験:学びネット

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聖徳大学附属女子中学校・高等学校

 
  校名を変更し「女子校」をアピール 女子教育のメリットを鮮明に
聖徳大学附属女子中学校・高等学校は、今年4月から校名を変更。「女子」の二文字を校名に入れ、女子校であることを明確に打ち出した。私学の共学化が進む中、あえて「女子」を掲げる意義は何か。同校の川並芳純校長と森上教育研究所の森上展安所長が、女子生徒が本当に輝き、力を伸ばす教育について語った。

校 長: 川並 芳純
住 所: 〒270-2223 千葉県松戸市秋山600
電 話: 047-392-8111
交 通: JR常磐線「松戸」駅からバス15分、北総線「秋山」駅「北国分」駅から徒歩10分
学生数: 中学校  294名
高等学校 558名 (2010.05.1現在)
ホームページ: http://www.seitoku.jp/highschool/

 

自由闊達(かったつ)でありながら
礼節を尊ぶ校風

 川並芳純校長が校名の変更を考え始めたのは3、4年前。同校で行っている「女子教育」をもっと理解してもらいたいという思いからだった。

 「男子の目がない分、本校の生徒は自由闊達な自分を出すことができます。文化祭や体育祭では、男子がいたら絶対こんなことはしないだろうという伸びやかな活動を見せてくれますね」

 テント張りや荷物運びなどの力仕事も女子だけで行う。そうしたたくましさやへこたれない強さ、どんな問題からも逃げないのが本校の生徒の特長、と川並校長。他にも体育祭の応援団長、中学・高校の枠を越えた縦割りグループ「友和班」のリーダーなど、男子がいないことで求められるリーダーシップが生徒を大きく成長させている。

 「そうした自由闊達さを認めながらも礼法を基本とした生活態度を求めています」

 同校では、小笠原流礼法を週1時間6年間(延べ250時間)学ぶ。礼法の課程を修了した生徒には、宗家より許状が全員に授与され、週1回の書道の授業でも、感性や表現力など内面を磨くことができる。

 「礼法や書道の授業は、卒業してから役に立つと喜ばれています。社会に出て、人前に立ったとき、どう振舞ったらいいのかが、自然と身に付いていることに気付いてもらえるようです」

 思い切り自分らしさを発揮できると同時に、落ち着きある品格も磨くことができる。これは共学では得られない大きな魅力と言えよう。

森上氏が語る 女子教育のメリット

 共学では男子と女子の役割が固定します。女子でも目立つ生徒はいいのですが、おとなしい生徒には経験の機会が与えられにくい。そうした固定化が女子校にはありませんから、リーダー体験を積むことができます。おとなしかった子が6年間で活発な子に成長したという例もあります。それに学校にいながら礼法が学べ、許状もいただける。目に見える形で女子校に通わせるメリットが得られるわけですから、保護者としても嬉しいカリキュラムだと思います。

一人ひとりを見つめた
多角的な指導で学力向上

 同校では「女子教育」と「学力向上」を2本柱に挙げている。

 「本校ではただ『勉強をみる』のではなく、『とことん面倒をみる』と掲げています。難関私立大学受験を希望する生徒と聖徳大学への内部進学を希望する生徒で、指導の差がないように努力しています」と川並校長。

 ゼミや補習では、主要教科のフォローはもちろん、音楽学部に進学を望む生徒には実技レッスン、英会話をブラッシュアップさせたい生徒には英会話講座など、「生徒が受けたいというものは、すべてできるようにしたい」と語る。

 外部大学を目指す生徒には、放課後7、8時限を利用してゼミが行われている。また難関大学を目指す生徒には、現役東大生の「東大生学習コーチ」を招いたゼミも実施。

 「学習方法はもちろんですが、大学受験を控えて不安になる生徒に、東大生から『私も同じ気持ちだった』と実体験からのアドバイスがもらえるのが良いようです」

 近年は理系志望の生徒も増えており、看護系の大学を目指す生徒も増えてきた。

 「とはいえ11月くらいになると、浪人への不安から志望校のレベルを下げてしまう生徒もいます。それでは実力を伸ばすことはできません。何かいいアイデアがないかと日々考えています」

森上氏が語る 攻める大学受験の秘訣

 大学受験に弱気になっている生徒には、志望校のランクを下げずに頑張り、現役合格を果たした卒業生に話をしてもらうといいでしょう。東大生よりもさらに身近な人の体験は、大いに参考になると思います。現在、女子校では理系進学を希望する生徒が増えていますが、これも女子校ならではの選択肢の広がりです。男子は高2くらいから数学の力が伸びていきます。それを見た女子は「私にはできない」と委縮してしまう傾向があり、女子校の生徒のほうが、より幅広い学部の選択ができているように思います。その上で、卒業生など、身近なロールモデルからのアドバイスがあれば、何よりの励みになるのではないでしょうか。

輝く女性を目指し 女子力を磨く

 聖徳学園の教育理念である「和」は、聖徳太子の「和をもって貴しとなす」に由来する。和を軸に「礼節」「知育」「勤労」の3つを教育の基本としているが、このたび「女子力」の向上を目指し、新しい言葉に置き換えた。

 「礼節は『思いやる力』、知育は『かなえる力』、勤労は『助けあう力』です。思いやる力は礼法に代表される相手を尊重する気持ち、『気働き』のできる優しさのことです。かなえる力は、自分の夢や目標のために学力向上に励む力。助けあう力は、行事や友和班などの活動を通して、チームワークの大切さを学ぶものです。『女子力』とは、そうしたことを身に付けた女性が持っている自分らしく輝くための力。女子校だからこそできる教育で、一人ひとりの女子力を引き出していきたいですね」

 創立以来、基本理念を変えず、女子教育に邁進してきた同校。伝統ある校風は守りつつ、時代に即した進化を遂げている。

 「生徒からの言葉で一番嬉しいのが、『娘が生まれたら、ぜひここに入学させたい』というもの。世代は変わっても、母親が受けてきた教育を娘も受けることができる。いつまでもそう期待される学校でありたいと思います」

森上氏が語る 女子教育のこれから

 この学校には本当に女子生徒を輝かせてくれる、そんなスキルがあると感じています。女子の良さだけでなく、弱さもしっかりとフォローしてくれるこうした教育は、今だからこそ必要。これまで培ってきた伝統を新しくパッケージし、女子教育を鮮明に打ち出した今回の校名変更は、正しい選択だと思います。

 
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