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中学・高校受験:学びネット

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酪農学園大学附属
とわの森三愛高等学校

 
  獣医進学コースを新たに設定 北海道の大地で育まれる高い人間性
北海道江別市に位置するとわの森三愛高等学校は、札幌駅からJRで12分という抜群の立地条件で、周囲を緑に囲まれ自然と動物と人間が共生する素晴らしい環境の中にある。創立者の黒澤酉蔵(雪印乳業の創始者)が提唱する三愛の精神「神を愛し、人を愛し、土を愛す」と「健土健民」の理念のもと、生徒たちは土に触れ、人間的にも大きく、おおらかに成長している。2010年度からコースを一新し、「獣医進学コース」「フードクリエイトコース」など、北海道ならではの強みを生かした特色ある教育を打ち出していく予定だ。

校 長: 榮 忍
住 所: 〒069-8533 北海道江別市文京台緑町569番地
電 話: 011-386-3111
交 通: JR「札幌」駅から12分。最寄りの「大麻」駅から徒歩7分
学生数: 735名 (2009.09.1現在)
ホームページ: http://www.san-ai.ed.jp

 

獣医になりたい子どもを 高校から育てたい

 2010年度、新コース編成で大きく生まれ変わる「とわの森三愛高等学校」。これまで特進・普通に分けていた普通科をアドバンスコース、総合教育コースとし、さらに獣医進学コースとフードクリエイトコース、トップアスリート健康コースを新設した。

 「獣医学部のある大学の数は少なく、獣医への道は非常に狭き門となっています。本校では、獣医を目指す生徒に、高校の段階から獣医に必要な実学も踏まえた教育をしていきます」と話すのは、同校の大光慎太郎入試部長。

 このコースでは酪農学園大学附属のメリットを生かし、同大学と高大一貫教育を行う。また、校内の牛舎での実習など実学も重視。さらに最大の特徴は、同大学の獣医学科に最大30人の推薦枠があること。学力審査が通れば、コースの全生徒が獣医学部に進むことが可能だ。獣医の夢を持った生徒にとって、より確実に獣医学部進学の道が開かれている学校といえる。

 「学力はもちろんですが、獣医師としての考え方も1年生の段階から伝えたい」と話すのは、同校の黒畑勝男副校長。

 「家畜は産業動物ですので、基本的には『食糧』です。愛情を持って育てていても、鳥インフルエンザのときのように処分が必要な場面も出てきます。また愛玩動物であっても、ドライに割り切らなくてはならないケースもあるでしょう。食糧問題が世界的に深刻化している中、日本でももっと多く大規模牛舎が作られるようになれば、衛生管理の指導を行うのも獣医の大切な仕事です。単に病気の牛を治すだけでなく、予防医学の知識を持って活躍できる獣医を育てていきたいです。また、ペットの需要が伸びることはあっても下がることはない社会事情ですから、より、予防医学の観点でも獣医師が求められると思います」

 獣医として必要な心構えや資質は「態度」と呼ばれ、獣医としての適性があるかどうかは、学力とは別にあるという黒畑副校長。だからこそ、多感な時期から教育を始めることが重要だ。

 「酪農や農業の大変さがわかってこそ、獣医の仕事の本当の意義をつかんでくれるはず。『牛舎のわかる獣医師』の育成。これが本校のキャッチコピーです」と黒畑副校長は熱く語る。

農業の尊さを知り、生徒の表情が変わる

 同校の「フードクリエイトコース」も、普通科カリキュラムにベースを置きながら、食と農、社会を考える面白いカリキュラムで単なる普通科とは一線を画している。校内の畑で作った農作物を自分たちの手で販売。また自作の野菜を使ってのピザ作りなど、生産・流通・加工の仕組みを実学で学んでいく。さらに世界の食糧事情についての学習なども授業の中に盛り込まれる予定。「畑を知り、世界の状況を把握した上で、大学で経済を学ぶ。これは強みになります」と黒畑副校長が強調する。

 実は、系列の酪農学園大学の就職率は94%。食品産業、農業への強いパイプを持っているだけでなく、農業を直に体験していることが高い評価を得ている。机上の経営学だけではなく、土を知っている人材を企業側は求めているのだ。

 その流れを組み、すでに普通科の総合教育コースでも「アグリトライ」という農業体験の授業が実施されている。昨年は選択授業として、2、3年生が各10人ずつ受けたが、「自分の育てた作物が成長し、収穫できる頃には、生徒たちの表情が全く変わっていました」と大光入試部長。

 「『今まで農業を馬鹿にしていた。こんなに尊いものとは知らなかった』等の声が多く、今年の3年生は4倍の40人が希望しました。農業の地道な作業と、食べ物=命をいただくことを学ぶ中で、人や命を大切にする心が育つと考えています」。

 採れた野菜を家族に喜んでもらった時の嬉しさ。作った野菜が売れた時の感激が、生徒を大きく成長させている。

 こうした取り組みに注目が集まり、入学希望者が全国から集まっている。

 「先日は海外駐在をされていた方からの問い合わせがありました。都市部以外の学校が良いという理由の他にも、たくましく生きる力をつけたいと感じていらっしゃるようです」と、大光入試部長は語る。

 大学も合わせると、東京ドーム28個分の広大な敷地に青々とした畑が広がる。常に草木の息吹が感じられるこの環境は、何物にも代えがたい同校の強みである。

大学・高校合同の
新女子寮が来年オープン

 同校の酪農のプロを養成する「機農コース」(現在の名称は酪農経営科)には、全国の酪農後継者をはじめ、まったく牛を触ったことのない生徒も入学している。農や食の関連で進学したい生徒や大学卒業後に就農を目指したい生徒など、さまざまな生徒が集まってきている。こちらも大学と連動し、最先端の酪農技術を学ぶことができる。このコースは全員の入寮が基本。牛舎実習である朝の搾乳は朝5時40分からスタートし、交代で搾乳・掃除・餌やりを行うため、通学では対応できないからだ。

 「この寮生活の中でまた、生徒は大きく育ちます」と黒畑副校長。

 「寮生活で自立が促され、牛舎実習ではお互いに協力し合う姿勢が培われますね。一年経ったら、子どもと大人同士の会話ができるようになったという保護者の方もいます」。

 この寮には全国レベルで活躍する部活動で頑張る生徒も入っている。最近は女子の希望者が増え、来年3月の完成予定で、新しい高大合同の女子寮を建設中だ。今後は大学生と合同になることで、お互いにいい刺激があると期待されている。しかも寮費は全食費・光熱費などを含めて、年間70万円程度。初年度は学費・諸費と合わせても最も高い獣医進学コースで170万円ほど。施設・費用面でも安心して子どもを託せる体制が整っている。「親や家庭以外で、大人にしてゆく教育環境にさらすことが今の日本に不足する教育。囲い込むのではなく、親以外の教育力に任せる親の決断が子どもを大人にする」と黒畑副校長は語る。

 「環境」「農業」「エコ」といった現代社会のキーワードに真正面から向き合い、生徒の将来の可能性を大きく広げてくれる、とわの森三愛高等学校。豊かな自然を最大限に生かす教育方針に、全国から熱い視線が注がれている。

 
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